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プロテクト解除ユニットについて
秋月電子製SCMSシリアルコピーマネージャ

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◆キットの紹介
 現在のDATやMD等のデジタル製品は、CDやMD等の市販されている物からは1度ダビングした以降ではそのコピーした物からのダビングは不可能となる。
 また、アナログで録音した物に関してもデジタルでの2度目のコピーは不可能となる。
 その為に、1度録音した物から編集してオリジナルを作ろうとしてもできない他、デジタル機器をCDからDATやMDを3台接続すると、CDと直接接続しているDATやMDは録音できてもその次に接続されている物ではコピー禁止コードが付加されてしまっている為に録音不可能となる。
 現在ではデジタルセレクターは数が少なく、DATとMDの両方を所有する方は不便を感じていると思われる。

 これらの問題を解決するのがプロテクトビット解除ユニットで、今回は秋月電子製の『SCMSシリアルコピーマネージャ』を紹介する。
 同じ様なキットを販売しているショップが有り購入して組み立てたが、全然動作せず波形を見るからにはとても動作する様には思えずお薦めできなかった為に紹介を見送った。
 この秋月電子製のキットは、標準でコアキシャル入出力仕様で全ての部品と説明書が付いて¥3,600である。
 別売の光コネクターを送受ペアで¥700で購入し、キット本体のコアキシャルインターフェイス回路の部品を削除するだけで簡単に光仕様に変更が可能である。
 また、この送受ペアの光コネクターには47μHのコイル1個とパスコン用の積層セラミックコンデンサー0.1μF2個が付いてくる。
 現在このキットを5台ほど製作しケースに組み込み使用しているが何の問題も無く、組立後の調整も何も必要としない為にお薦めのキットである。

◆キット組立の紹介
all-set.jpg  秋月電子製のキットを組み込んだ1号機は、ACアダプター仕様として製作し右図の様なケースに入れ使用している。
 2号機以降はセレクターユニットを製作して使用している為に別ページを参照してください。
 正面のパネルには、左側のスイッチが電源スイッチでACアダプターの2次側であるDC電源をON/OFFしている。
 パネル右側の上にある3色のLEDは、現在入力されているサンプリング周波数を表示する為のものである。
 その下にあるスイッチは、3段階の切り替えができコピー禁止コードを解除するだけでなくコピー先へ意識的にコピー禁止コードの状態を変更できるようにする為のスイッチである。
 これは3つのモードが有り、コピー先のDATやMDのメディアがこのキットを使用しないでデジタル接続されている場合に、何回でもコピーできるようにするのか、それとも全然コピーできないようにしてしまうのか、または市販ソフトのように1回だけコピーできるようにするのかをこのスイッチで変更できるのである。

top-all.jpg  ケースの内部は左図の様になっており、右下に見える基板が今回使用した秋月電子製のコピー禁止ビット解除基板で、その左上に見える白っぽい基板が光コネクター用の基板である。
 キットの中には光コネクターが無い為に別基板となるが、同軸のコアキシャルを使用する場合でも同軸用のコネクターが基板上に実装できる訳でない為に、別基板に実装するかリアパネルに直接取り付けられるコネクターを購入する必要が有る。

board-up.jpg  右図はキットの基板からサンプリング周波数表示用のLEDに配線している様子だが、キットの標準仕様ではこのサンプリング表示用のLEDは付属しておらず、以前はデジタルオーディオインターフェイスレシーバ用のデーターシートが付属していたのだが、最近購入したものではこのLSIの資料は付属していなかった。
 その為に以下にどの端子からLEDの配線を引き出すのかを示すが、このLSIはPROSTと書いてあるPIONEERのPD0052と言うデジタルオーディオインターフェイス復調用のICである。
   Pin29−32KHz用信号  Pin28−44.1KHz用信号  Pin27−48KHz用信号
 これらの端子にはLEDのカソード側(−をつなぐ方)を接続し、LEDのアノード側(+をつなぐ方)には1KΩ1/4Wの抵抗を接続し+5Vの電源を供給する。
 この際に5Vで1KΩだとかなりLEDが暗いが、データシート上の指示で書いてある抵抗値で詳細のデータが不明な為に、あまり抵抗値を下げてLEDに電流を流し込まない様にしてください。

 また、このキットの説明書には44.1KHzには規制がかけてある様な説明が多々見受けられ、最初は何の事か分からなかったが、このLEDの配線を行う際に付属の回路図に載っていないパターンを発見し、これがPD0052のPin28に接続されている事から、44.1KHz時はここから信号を受け取りPIQUETのICで処理されている様なので組み立てる以前に基板のパターンをカットしてしまい、どのサンプリング周波数でも同じ様に使用できる様にしている。
 この基板のパターンカット方法は、PD0052の48ピンからMANSELLの10ピンの左側にある10KΩ抵抗でプルアップされPIQUETの11ピンに配線されているパターンをカットする訳だが、ここの場合PD0052が出力でPIQUETが入力の為にPIQUETの11ピンが10KΩでHIGHレベルにプルアップされるようにしながらPD0052の信号をカットする必要が有る。
 その為に10KΩ抵抗のMANSELL側の抵抗取り付け穴でPD0052とPIQUETに信号線が分岐するPD0052側だけをカットする様にする。

opt-up.jpg  左図にあるのが光コネクターと電源用のコネクターを取り付けた基板で、サンハヤトの小型ユニバーサル基板を使用している。
 右側のコネクターから受信用の光コネクターで、その隣の2つが送信用の光コネクターで、左端のコネクターがACアダプター用のコネクターである。
 いずれのコネクターも別売の為に、キットとは別に注文する必要が有る。
 また、光コネクターに付属のコイルとコンデンサーはできるだけ光コネクターの近くに取り付ける様にし、遠くともコンデンサーやコイルのリード線を折り曲げてジャンパー配線できるぐらいの範囲に取り付けたい。
 図中には抵抗も実装しているが、これは以前秋月電子で販売されていた光コネクターは4本足のTOTX172/TORX172だった為に必要であったが、現在では3本足のTOTX178/TORX178の為に抵抗が不要となっている。
rear-up.jpg  右図は今回製作したケースのリアパネルになるが、ケースの加工の際には光コネクターの部品外形よりも光ケーブルのコネクターの方が大きい場合がほとんどで、色々なメーカにおいて寸法を調査して加工する必要がある為に、TOTX178/TORX178の様にリアパネルに直接取り付けられるタイプを使用した方がケーブル側のコネクター外形を気にしなくとも良い為に便利である。
 また、PD0052はデジタル入力を3つ用意して2ビットのスイッチで切換えられる為に、簡単なセレクター機能も付加できる様になっている。
 今回も2つの光出力を用意しているが、この光コネクターがTTLレベルで動作する為に、キットの出力信号に数個(LS-TTLと想定すると10個くらい)接続できるが、通常2〜3こもあれば大丈夫だと思う。



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