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デジタルセレクターの試作

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◆試作時の概要について
 最近ではDATにMDやBSとCDの他にDVD等のデジタル機器が多くなり、複数台所有している人も多い事と思う。
 しかし現在ではデジタルオーディオインターフェイスの光や同軸の信号用セレクターが販売されておらず、かろうじてオーディオテクニカから3万円位のセレクターが販売されているぐらいで、あとはミニコンポやAVアンプのほんの数機種と高価なオーディオメーカーの製品くらいである。
 このせっかく3万円くらいで販売されているオーディオテクニカの製品も、2〜3系統の入出力があるのに切換えると全て同じ信号が全出力端子に出てしまい、スクランブル切換が不可能な様であった。

 そこで今回製作するデジタルセレクターは次の様な事から仕様を決定した。

◆入出力仕様について
 まず入出力仕様であるが、基本的に光コネクターによる機器との接続とし、接続する機器が必ず有るCDプレーヤ1台と各メディアの編集を想定しDAT2台とMD2台の合計5台のデジタル機器が自由に切換られる様にする。
opt-conect.jpg  試作はユニバーサル基板にラッピング配線で行い、上記内容で決定した光コネクター送受5個セットは、秋月電子より送受ペアになっている他にコイルとコンデンサーもセットになって¥700×5で¥3,500分を使用した。
 配置は実際にケースに収めた時の寸法が分かる様に、右図にある様にできるだけ光コネクター間をつめて配置してある。
 光コネクターのすぐ後ろには、受信用の光コネクターの電源に使用する緑色の縦形コイルと送受共に取り付けてある水色の積層セラミックコンデンサーを配置してある。
coax-conect.jpg  また当初は光コネクターだけだったが、パイオニア製品の一部が光コネクターを持たない製品が有り、今回オーダー頂いていた人の中にこの製品を使用していた為に、急遽同軸用のコアキシャル入出力も用意する事となった。
 左図にある金メッキのRCAピンタイプコネクターがコアキシャル入出力用のコネクターで、民生用のオーディオ機器ではこれが一般的である。
 このコアキシャル入出力回路だが、正式には入力にマッチングトランスの様な物を使用しているようだが、入手が大変な為に安価で動作する方法を使用している。
 これは、プロテクトビット解除回路である秋月電子製のキットを使用した場合、今回製作したセレクターに使用する際はキット内容にあるコアキシャル入出力回路が不要となる。
 その為にこの部品をキット組立時に実装せず、セレクター基板のコアキシャル入出力回路にそのままそっくり部品を使用してしまう方法である。
 これにより入出力1回路づつのコアキシャル回路を用意できた。

◆切換機能について
 切換機能についてはどの組み合わせでも可能なように、出力を基準に考えてどこの入力から信号を引き込むかを切換える様にしている。
dip-sw.jpg  その為に出力端子ごとの切換スイッチが有り、1には5の入力を出し2には3からの信号を出すと言った様にバラバラに設定が可能であり、当然1に3の入力を出し2にも3の入力を出すと言った同じ入力の信号も選択できるようにしてある。
 また標準仕様では、誤動作防止用に入力と出力が同じ番号の場合は出力が出ない様にしてあり、アナログではハウリングを起こしてしまうがデジタルでも変な音が出てしまいアンプやスピーカを破損しないように考慮してある。
 今回これらの切換回路はPLDにより製作し光5ch+同軸1chにプロテクトユニット1ch分の合計7chをPLD2個で済むようにしてある。
 この切換スイッチは右図の様に回転式のデジタルスイッチにより代用して、各入出力の切換動作を行いテストした。

◆プロテクト解除機能について
aki-board.jpg  セレクターが必要になると当然デジタル機器間でのダビング操作が発生し、コピー禁止ビットが邪魔になってくる。
 その為に秋月電子製のコピー禁止ビット解除キットは必ず使用する事を前提とし、今回のセレクター基板内部に内蔵するものとした。
 当初はキットの部品だけを使用してセレクター基板の方に組み込む形で考えていたが、以前に別のショップで販売されていた同じ様なキットを組んだ所、全く動作せず波形を見ると復調用IC周りの信号が自己発振している為か手を付けられないほど崩れていた為に、秋月製のキットが安定していることよりそのまま利用する事にした。
 その為に右図の様にセレクター基板の上に秋月のキット基板を載せて、各信号線だけラッピングポストを貫通させて受け渡しする様な構造で取り付けるようにした。
 この為にオプション扱いとし、必要に応じて取り付けられる様にしている。
 また、このプロテクト解除ユニットはセレクターの6chに位置づけられ、各出力のプロテクトビットを解除したい切換スイッチを6番に合わせ、プロテクト解除ユニットの入力切換スイッチを解除したい機器の出力番号に合わせる様にして使用する。

◆試作基板完成
top-all.jpg  試作基板は右図の様に完成し、PLDを使用した事も有りかなりコンパクトに収める事ができた。
 完成後にデジタル機器間の切換ができても音声信号もアンプのセレクターが少なく問題となり、試作基板では試さなかったが実機ではDAコンバータ回路も搭載し、各入出力の音声モニターが切換えられる様にする。
 このDAコンバータも秋月電子製のDAコンバータキットを使用した。
 その為にアンプ側の音声入力は1系統だけでデジタル機器が全てモニターできるようにしている。



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