◆フロントパネル 右側にある図がデジタルセレクター完成品をビデオの上に重ねて設置したものである。 多少暗く分かりづらいが、電源を入れてあり各スイッチ部のLEDを点灯させた場合の図であるが、あまり眩しくなく丁度良い明るさで点灯する。 このセレクターを作るにあたって切換スイッチを何にするか迷ったが、取り付けが簡単で内部回路の簡素化を実施できるように回転式デジタルスイッチを使用したが、普通の回転式デジタルスイッチでは、工作機械や工業用装置等の操作パネルに付く物を使用する為に見た目があまり良くない。 その為に小型で文字板がLEDによる照光式のデジタルスイッチを使用し、用途別に3色に分類して高級感を出した。 このデジタルスイッチは点灯しないと文字が全く見えず、点灯するとそれぞれの色で発光する為に電源の切り忘れ防止にも役立ち、見た目が奇麗である。 左図はフロントパネルの一番左端にある電源スイッチとアナログ音声モニタースイッチとコアキシャル出力切換スイッチである。 電源スイッチはAC100Vの1次側片方を入り切りする様にしてあり、使用しない時には内部に電源を流し込まない様にしている。 また電源スイッチは各スイッチがLEDにより点灯する為に必要無いと思われたが、部品単価がそれほど違わない為に電源スイッチもLEDにより点灯するようにしてある。 電源スイッチの右側にあるのがアナログ音声モニタースイッチとコアキシャル出力切換スイッチである。 右図にその拡大したものがあるが、右図の左側2桁がこのアナログ音声モニタースイッチで、右の数字の1が表示してある桁を変える事で目的のチャンネルの音声をモニターする事ができる様になっている。 この左隣にある+表示のスイッチは、操作する事で+と−が交互に表示されるが、これを+に選択すればデジタル入力の音声モニター切換となり、−に選択すればデジタル出力の音声モニターを切換えられる様にしてある。 その為にデジタルダビング中に空いているデッキで音楽を聴けたり、入力に何が接続してあるかを音声で確認できるようになり、出力側の音声モニターでは実際に切換えてどこの入力が出力されているのかを音声で確認できる様になっている。 つまり入力と出力全ての音声モニターが可能になっている。 この音声モニター切換スイッチの右側にある1桁のスイッチは、コアキシャル出力切換スイッチである。 このデジタルセレクターは基本的に光デジタルコネクター仕様であったが、パイオニア等の一部の機種で光コネクターを持たない製品が有り、対応する様に希望する意見が有り1チャンネルだけコアキシャル(同軸)入出力を用意した。 内部回路構成の問題も有り部品点数を増やさないで処理した為に、コアキシャル入力は7チャンネル目として独立して入力扱いとなるが、出力は光コネクターと兼用するタイプとした。 その為にこのスイッチで光出力の1〜5のどのポートと兼用するかを選択し、選択した番号の光出力とコアキシャル出力には同じ信号が出力されるようになる。 このことからコアキシャル出力端子を使用する際には、光出力が1つ減る事を注意する必要があるが、同じ信号が出るもので良ければ問題無く利用できる。 更に右にある緑色に光る1〜5のスイッチが各デジタル光出力コネクターに割り当てる入力の選択スイッチである。 つまりスイッチのパネル上に書いてある番号が出力ポートと1対1になっており、スイッチの回転する部分で選択した番号が入力ポートの番号となり、どこの出力にどの入力を割り当てるかを決める事ができる様になっている。 これにより各出力が必要に応じた番号を選択でき、他の切換えに対して影響される事無く利用できる他、同じ番号を指定すれば1つの機器から残り4台の機器へとまとめて出力する事も可能である。 この1〜5の出力切換スイッチの右隣にある赤い1桁のデジタルスイッチがプロテクト解除ユニットへのデジタル信号送り込み選択スイッチである。 このセレクターにはオプションでコピー禁止ビットを解除するユニットを内蔵する事ができ、そのユニットがデジタル信号の入出力として6番目のポートとして割り当てられている。 つまり光り入出力が5つしか無いのに対し、内部で6チャンネル目の入出力にこのプロテクトビット解除ユニットを接続し6番目を選択する事で利用できる様にしている。 ここの赤色に発光するスイッチがプロテクト解除ユニットにどの入力ポートから信号を入力させるかを選択できる。 つまりコピー禁止ビットを解除したい入力ポートに切換えるスイッチである。 当然の事ながらコピー禁止ビットを解除するユニットは1回路だけの為に、別々の物を解除する事はできない為にあらかじめCDから録音する際はコピー禁止ビットを削除した形で記録しておく必要が有る。 しかし2つのダビング操作を同時に行う必要性は少なく、むしろ1つから解除して1〜2台の機器、たとえばDATからDATとMDにダビング等といった方が利用頻度として高いと思われる。 更に右の隣には3色のLEDが並んでいるが、これはプロテクト回路に入力されたデジタルオーディオ信号がどのサンプリング周波数なのかを示す表示である。 特に利用上に関係ある物では無いが、プロテクト回路が正常に動作しているかどうかを確認する為のもので、試作の段階に付けた物をそのまま製品版にも搭載した。 このサンプリング周波数表示の右隣には右図の様な赤い表示のスイッチがある。 今回このセレクターに搭載したプロテクト解除ユニットには、コピー禁止ビットを解除するだけでなくコピー禁止ビットを操作でき、自分なりの条件を設定できる。 スイッチ本体は0〜9迄の数字に切り換わるが、スイッチが0の時にはコピーした方のテープもしくはディスクには何回でもコピーできる様な条件で記録できるようになる。 つまりこのモードがプロテクト解除で、このモードで録音した物は以後プロテクト解除ユニットを使用しなくてもデジタルコピーが何世代でも可能となる。 またスイッチが2の時はコピー禁止ビットを付け、このユニットを使用しないとコピーできなくなってしまうモードである。 この状態はCDからデジタル録音したDATやMDと同じ状態であり、そのままでのデジタルダビングは不可能である。 スイッチが3の時は1回だけデジタルダビングが可能となるモードで、このユニットを使用しなくとももう1世代だけはコピーできる様になるモードで、一般市販のCDやDATやMD等と同様の条件である。 ◆リアパネル リアパネル全体は右図の様になっており、光コネクターが5チャンネル分づつとコアキシャル端子及びアナログ音声端子とがある。 電源スイッチがフロントパネル左側に付いている為に、AC100Vの供給線はリアパネルの右側から出ており、コネクター等を使用せずに直接挟み込み用のブッシュで固定している。 ここの取り付け方法は製作段階において、部品の入り具合や加工の問題などで仕様が変わる場合がある。 光コネクターは入力と出力に分けて配置し、光コネクターの本体を個々にネジでリアパネルに固定してあり、光コネクター着脱時の部品剥がれが無い様にしている。 この光コネクターには個々にキャップが付いており、使用しない場所へのほこりの進入を防いでいる為に、ほこりによる投光・受光部の光への影響が出ない。 右側にあるのがコアキシャル入出力とアナログ音声出力端子である。 この両端子は全てオプションで、両方搭載した場合は右図の様に4個の実装となるが、どちらか一方のみを使用する場合は2個用のコネクターが付く。 両方共に使用しない場合はこの部分のコネクターはすべて未実装となり、リアパネルには光コネクターのみとなる。 メインに戻る ⇒ オーディオメニュー ⇒ 機器関係 ⇒ デジタルオーディオ詳細 |