◆プリアンプ プリアンプにはAccuphaseのC−280を使用している。 本来はTechnicsのパワーアンプのメーターが大きな物をセットで入れようと 思っていたが、季刊誌である『Stereo Sound』ばかり見ていたらこの C−280の評価が良く一度使用してみたいメーカーでも有った為に購入に至った。 元々トーンコントロールやラウドネスなどの余計な回路が無く、音声信号に変な 味付けのしない製品を捜していた為に購入してみたが、これが全くのハズレであった。 このC−280にはコンペンセーターという回路が設けてあり、音量による 聴感上のバランスを補正する為にOFFの他に2つの特性を選択できるスイッチが 付けてある。 使用してみるとラウドネスと同じ様な感じで、高域と低域を持ち上げている感じ であるが、使用していないOFFの状態でもボリュームの角度によって音質が変化 してしまうのだ。 これは従来からも安価なアンプでも同様の現象が出ており、ボリュームの中央に センタータップを設け半分以下の位置で使用している時に限ってラウドネススイッチの ON時に補正する物であるが、どうしてもスイッチをOFFにしても音にこもりが 生じてしまう。 これだけは避けたかったのだが、メーカーのアンケートはがきにこの事を書いたら 『ラウドネストは全く違う意味である』との回答だったが、ボリュームの位置で音質が 変わってしまう回答に関しては何も無かった。 その為にアッテネーターは常に−30dBでプリ出力のレベル調整用ボリュームも 半分くらいまで下げてやっとメインボリュームが10時くらいの位置で聞ける様に している。 このC−280はこの後にLやVが付き色々と変わっていったが、デザイン的には ほとんど変わっていない。 入力セレクターとボリュームにアッテネータとMCヘッドアンプのゲイン以外は フロントパネルには無く、左図の様に下部のふたを開ける事で見えてくる。 この部分には10Hz以下をカットするサブソニックフィルターやモノスイッチと MCカートリッジの入力インピーダンス切換がある。 この他にダビングが不可能なテープモニターセレクターと、このテープへの録音 出力ON/OFF切換スイッチや左右独立レベル調整ボリュームと問題のコンペン セータースイッチとがある。 回路は全段A級増幅カスコードプッシュプルでDCサーボ方式を採用しており、 各アンプは右図のように6つのケースに入ったユニットアンプになっており、 各ユニットにはそれぞれの定電圧電源回路が独立して入っており、安定した電源供給が 可能となっている。 その他にアルミハウジングでユニット化した事で、シールド効果と防振効果の両方が 期待でき、定電圧電源のやA級の出力素子等を直接取り付ける事で放熱性もよくなって いる。 また各セレクターの切換にはリレーを使用しコントロールしているが、このリレーの 接点が気になったが10年近く使用しても何ら問題なく動作している。 このリレーには窒素封入の接点は金とパラジュウム合金のクロスバー・ツイン接点で 低接点抵抗・高耐久性となっている他に、信頼性の為に低レベル信号経路にはリレーを 4回路並列で使用している。 尚、リアパネルのRCAピンも金メッキではなく耐久性を考えてロジウムメッキを 施した製品を使用している。 ◆パワーアンプ パワーアンプにはEXCLUSIVEのM5を2台使用している。 このパワーアンプも季刊誌『Stereo Sound』でC−280とセットで お奨めしていた製品で、当初の購入計画からはかなりの高価な物になってしまった。 この製品にはメーターと電源スイッチの他にスピーカー端子が有るだけで、他の 操作部などは全く存在しない。 その為にプリアンプの様に変な回路で音質が変わってしまう事も無いが、C−280 のコンペンセーターがある為に入力にアッテネーターがあれば少し絞っておけば プリアンプのメインボリュームが更に上げられたと思う。 また距離が長くない為にさほど問題にはならないが、できればバランス入力が付いて いれば良かったが、数年後にM5aという製品が発売されバランス入力が装備されていた。 これは距離が短くてもノイズ関係に強く、是非利用したい所であった。 このパワーアンプはモノラルの為に2台使用しているが、A級動作の割には2台で 500Wの消費電力と割と少なく、プリメインアンプでも500W以上の物もある 位の為に少ない方だろう。 カタログ上では電源効率の向上で過度の発熱が無いと書いてあったが、設置場所が せまい性もあるのだろうが、左図のケース上にある放熱用の穴明き板金の上で測り 冬場の暖房使用時で60度前後となり夏場で冷房しても70度以上になってしまう。 元々A級動作で熱の出るものとして設定してある為か、30分位使用した後でないと 温度保証回路の関係上か音が重くこもってしまう。 パワーアンプの内部は右図の様になっており、左半分がトランスとコンデンサーで 締められた他に、右側にある基板周辺にも放熱板がほとんどを締めている様である。 このパワーアンプの問題点は出力保護用のリレーにあり、使用して数年後に接触 不良ぎみになってしまった。 これは電源投入時にスピーカーを破損しない様に信号ラインを遮断しておく為の 接点で、300Wのパワーに絶える為にある程度大きな接点容量の物を使用していると 思われる。 接点には必ず最低でもこれだけ流さないと信号を伝達できないという性能値があり、 これがどれくらいなのかは不明だが数年使用しているうちに湿度か機械的摩耗なのかで 悪化してきたのではないかと思う。 その為に多少ボリュームを上げてある程度電流が流れる様にしてやると音が出て 来る様になるが、パワーアンプも熱を持ってきて熱くなると大丈夫である。 メインに戻る オーディオ関係に戻る オーディオルーム関係に戻る 1998年5月メニューに戻る システム詳細に戻る 使用機材詳細に戻る |