機材の入手(第3回目)
(分岐器・分波器・中継型端末F型接栓)

◆更に追加材料を手配
 前回は実験用機材中心に購入し実際の配線用としては分配器や アンテナブースタ程度となっていた。
 本来、分岐器も購入し様としたのだがあまり一般的ではない様 で、近所の家電量販店やホームセンターでは見かけずかろうじて 1店舗だけ2分岐タイプの物を置いてあった。
 そんな状況から今回取り扱ってくれる店舗を探し、もう一つ以 前から使用してみたかった松下電工製の高シールドタイプ埋込用 F型コネクターと一緒に購入した。
 今回の追加購入により実験用としてだけではなく、追加で設置 のデジタルBS/110゜CS関係はいつでも正式な配線ができ る様に準備が調った事となる。

◆2種類の4分岐器
 通常、一般家庭では分配器1台で各部屋に信号を分けるのが一般 的なのだろうが、当方では画質優先の為にアンテナの信号は一旦オ ーディオルームに引き込み、そこで4分配器付きアンテナブースタ を使用して録画用DVDレコーダ優先で接続してある。
 そしてそのアンテナブースタ用の分配出力の1本を6分配し、そ れでも足りず更に分けて使用していた事もあり、今回正式に全て機 器を交換して配線を見直す事にした。
 今回は屋根裏には8分配器を設置し、現在の使用数である7分配 をカバーし、そしてアンテナブースタの出力が1だけの為にオーデ ィオラック部分には分岐器を使用して供給する。
 分配器は1つの入力から複数に分けるだけの為に、どの出力も分 配数に応じて分配損失により信号が減衰してしまう。
 その為に分配後に数が不足し分配出力を更に分配してしまうと分 配損失が大き過ぎ減衰量が多過ぎて映りが悪くなる。
 しかし分岐器の場合には送り用の入出力端子があり、この部分は 減衰量が非常に小さく損失が少なく、一般家庭でも分配数が多い場 合には複数の分岐器により送っては分ける方法を取った方が良い場 合がある。
 そして分岐器の場合には送り用の入出力端子間は損失が少ない分 、分配される出力では分配器より損失が大きくなる様に作られてい る。
 これは分岐器の後に分配器を取り付ける場合や、複数の分岐器を 使用してアパート等の様に長距離を使用する場合に、それらの損失 が一定となる様に調節する必要がある。
 その調整用としても今回購入した4分岐器にも3タイプがあり、 分岐器の分配出力が−11dB/−15dB/−20dBとあり、 各機器やケーブルの損失を計算の上使い分ける事ができる様になっ ている。
 今回は4分岐器の後に8分配器を使用する事で−15dBでも良 かったのだが、分配先のケーブル長がそれぞれ長い事もあり−20 dBタイプも合わせて購入して様子を見る事にした。
 ここで購入した分岐器は分配器と同様にDXアンテナ製の共同受 信用機器として販売されている亜鉛ダイカスト製のしっかりした物 を用意し、もちろん接続端子にはネジ式のF型接栓が使用できる物 を用意した。
 この今回用意した分岐器もF型接栓プラグ付きの製品を購入した が、分配器の場合には入出力分全てのプラグが付属していたが、分 岐器の場合には送り用の入出力分は付属していない為に、F型接栓 用プラグを購入する際には不足が無い様に注意する必要があるだろ う。

◆埋込高シールドテレビターミナル
 これが今回新たに用意した高シールドタイプの埋め込み型F型接 栓で、松下電工製のWCS38809Wを購入したが定価で1個9 50円となっており1箱に5つパッケージされている。
 パッケージには右図の様にF型接栓のプラグが1個付属している 為に、従来から使用している同軸ケーブルを剥いて接続するタイプ より若干割高な程度で購入できる。
 このコネクターは左図の様に背面にもF型接栓が接続できる様に なっており、要はスイッチボックスに取り付けられる中継コネクタ ーと言った所である。
 その為に従来の機器と違い芯線が露出しない為に外来ノイズに影 響され難く、特にデジタルBSや110゜CS等の使用する2GH z帯では、最近携帯電話でも利用されている為に特に影響を受け易 いと言えるだろう。
 この事からもこれから地上波デジタル放送やデジタルBS/CS の設置を考えている場合に、従来のアンテナ用配線を生かすにして もアンテナコネクターにはこの様な芯線の出ない高シールドタイプ のコネクターを使用する事をお薦めする。

◆WCS38809Wの使い方
 この埋め込み型器具は左図の様に金具へ3つまで実装できるが、 F型接栓用のプラグが取り付けられない位接近しているのがわかる だろう。
 また、器具自体を右図の様にあちこちに向けて実装しても、結局 ケーブルを挿し込む側にスペースが無く、左右の図からもわかる様 に器具を3つ取り付ける事は不可能だろう。
 その為に左図の様に1つの金具には器具を2個取り付けるのが限 度であろう。
 しかし、左図の様にケーブル側をお互いに外側に向ける配置にす ると、右図の様にスイッチボックスの取り付け枠固定用のネジ部分 は避けられるが、同軸ケーブルを出す穴と近過ぎる為に左図の様に した場合にはアンテナ線が極端に折り曲げられ、器具をスイッチボ ックスに収納する事すら難しいかも知れない。
 その際には同じ方向に向けて配置すれば、1つはスイッチボック スの線材を通す穴と近くとも、もう一方も同じ方向であれば難なく 取り付けられるだろう。
 また、左図の様に器具のコネクターを両方共に内側を向ける方法 もあり、これであればスイッチボックスの中心部分にある余裕によ り比較的上記方法よりも楽に取り付けできるであろう。
 その際にはどちらかの同軸ケーブルをUターンさせて2本共に同 じ方向から取り出すと言う方法もあるが、左図の様にお互いの同軸 ケーブルがお互いの器具の横を通し、スイッチボックスの上下別々 に同軸ケーブルを取り出すと言う方法もあるだろう。
 いずれにしても、できるだけ同軸ケーブルや器具にかかる負担を 最小限になる様に考慮して組み付ける様にする必要があるだろう。
 右図の様にスイッチボックスも標準的な奥行きのタイプであれば 問題なく収納でき、たいぶん奥行きが浅いタイプでは取り付ける事 はできないだろう。
 上記の様に、今回入手した高シールドタイプの埋め込みF型接栓 は、左図の様に取り付け枠の上下に2個取り付けて使用するのが一 番無理がかからずよいだろうと思われる。

◆受信機用分波器
 今回オーディオルームまでは現在使用中の共同アンテナであるV HFはもちろんだが、新設する地上波デジタル用のUHFアンテナ にデジタルBS/110゜CSの3本を独立して取り込むが、送り 出しには混合器内臓のアンテナブースタを使用し、同軸ケーブル1 本で利用できる様にする。
 その為に、テレビやDVDレコーダ側では左図の様な分波器を用 意する必要があり、前回の機材調達の際にも購入していたのだが利 用台数が増えた為に今回新たに追加購入した。
 今回も前回同様に、本体は全て亜鉛ダイカストを使用しアンテナ ケーブルの接続部分には全てねじ込み式のF型接栓が使用されてい る日本アンテナ製のS−SWDを用意した。
 この製品ではアンテナ入力側にはユーザーが用意したケーブルを 接続する様に用意されていないが、出力に関しては右図の様に約5 0cm程のケーブルが付属されており、コネクターは全て金メッキ 仕様となっている。
 この3つの出力に関しては、最初にBS・CSとU/Vの分波器 で分けられ、そのU/V出力を更に2分配していると言うメーカー もあり、この製品に関してはどうなのかよくわからないがほぼ同じ 構造と言っても良いだろう。
 その為に、従来の地上アナログ放送を使用しないのであればこの 3分配は必要なく、BS・CSと地上デジタルの2分配(2分波) タイプを使用した方が低損失の為に良いだろう。


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