日産 スカイライン GT-R(BCNR33)用 RB26DETT
カムカバーの取り外し

◆カムカバー固定ネジの取り外し
 カムカバーは左図の様にインテーク側とエキゾースト側に分かれ ているが、どちらもほとんど同じ様な形状であり右図の様にプラス ドライバーを使用して取り外す様にする。
 ここで使用するプラスドライバーは普段よく使用するものよりワ ンサイズ大きな物を使用し、プラスドライバーを挿し込んだ際にネ ジ頭にピッタリと噛み合う物を使用する。
 もしも通常使用しているサイズを使用してしまうと、ネジ頭にあ るプラス溝との間に隙間ができ、結構強く締め付けられている事か ら恐らくネジ山を破損させてしまうだろう。
 カムカバーを固定しているボルトは左上図の様にボルトの間にグ ロメットと呼ばれるゴム製のブッシュが入れられており、これを潰 す様な感じでカムカバーを締め付けている様である。
 固定しているネジの本数も多く、左図の様にカムカバー1つには 10本のボルトが使用されて固定してある為に、締め付けと逆の手 順となる左図の様な対角状に対照的な順序で取り外す様にする。
 尚、インテーク側のネジを取り外す際には左図の様にハーネスカ バーが邪魔になる為に、プラスドライバーを使用できる程度に移動 するが、あまり無理に引っ張り過ぎると線材が断線する恐れがある 為に注意して取り扱う様にすた方が良いだろう。
 取り外したボルトは右図の様な形状をしているが、最初にあるイ ラストにもある様にこのネジの根元にはグロメットが使用されてい るが、今回はカムカバー側に貼り付いたままで取り外した。
 しかし、落下の恐れがある為に簡単に取り外せる場合は予め取り 外しておいた方が良いが、このグロメットは潰して使用する為に再 利用は不可能である。

◆カムカバーの取り外し
 カムカバーの固定はインテーク側のネジ10本とエキゾースト側 の10本を全て取り外したならば、あとは左右の図の様にしてカム カバーを持ち上げて取り外しておく様にする。
 しかし、カムカバーとシリンダーヘッド間にあるゴム製のガスケ ットも潰されて取り付けてあり、更にオイルと熱とで貼り付いてい る為に簡単には外れないだろう。
 その為にカムカバーを持ち上げても外れて来ない場合には、カム カバーの横側から手のコブシで数回叩いていると、そのうち次第と 外れてくる様になるだろう。
 コブシで叩くのは1箇所ではなく、両端と中心と叩いて行くうち に外れる様になるだろう。
 外れてくると叩いている音が違ってくる為に、気付かないで強く 叩いているとカムカバーが外れて周囲にあたってしまう為に、無闇 に叩かずはがれる瞬間を見逃さない様にする。
 カムカバーがシリンダーヘッドから剥がれたならば、あとはカム カバー自体を持ち上げれば外せるのだが、カムカバーの内側には油 が付着している為にタレ落ちて来る可能性がある。
 その為に、カムカバーを取り外す際には下側にウエスやボロ布を 敷いておく様にし、カムカバーを取り外したらできるだけ早めに逆 さにした方がオイルタレを防止できるだろう。

◆カムカバー取り外し後の注意
 カムカバーを取り外してしまうと左図の様に直接カム自体が見え る様になる為に、間違っても異物等を入れない様に注意する必要が ある。
 また、できれば通気の悪い密閉した場所での作業が好ましく、晴 れた風のある屋外等では土ぼこり等が入る為に、一時的にではある がそれらによりカム部分がヤスリ状態になってしまう。
 エンジンを始動してエンジンオイルで全て流されれば良いが、長 くまとわり着くと傷等の原因になる他に、オイル循環経路のつまり の原因にもなりかねない為に、作業の際にはその作業環境にも配慮 して行う事をお奨めする。
 そしてカムカバーを取り外した直後には、右図の様にシリンダー ヘッド後部にあるラバープラグが残っているかどうかを確認してお く必要がある。
 実際は左図の様に見えるが、ラバープラグの手前側に見える白い 線が組み付けの際に塗られたシーリング剤で、組み付けの際に若干 塗りカムカバーの組み付けで密着性を良くしている。
 このラバープラグがカムカバーを取り外した際に外れてしまった 場合には、シリンダーヘッド側との密着性も悪くなってしまう為に 再シーリング処理が必要となるだろう。
 その際にはラバープラグに付いたシーリング剤を取り外す必要が あるが、なかなか取り外し難い事もありこのラバープラグは予め新 品部品を用意しておくと良いだろう。
 そしてシーリング処理は組み付ける直前に行い、ラバープラグに シリコンシーリング材等を塗ったら乾く前に組み付けてしまう様に する事で、よりお互いの密着性が確保できたままでのシーリングが 可能となるだろう。


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