◆センサー類の取付方法について このGT−RにもEVCと一緒にHKS製のピークホールドメーターの過給圧計を 取り付けている為に、このセンサーを右図の様にフュエールレギュレータの近い方で 運転席側のタイヤハウス部分のエンジンルーム内に取り付けている。 このセンサーはEVCのアクチュエータにも過給圧制御用のセンサーがある為に これらと一緒に配管を分岐するスリーウェイを使用して配管している。 これらのスリーウェイはEVCとメーターとにそれぞれ付属している為に、それらを そのまま利用して配管すれば良い。 それらの過給圧を検出する為の配管先はフュエールレギュレータ部分から分岐する 様に書いてあるのが一般的で、今回もここから分岐して配管してある。 そのフュエールレギュレータの位置は、左図のサージタンク側で左図の丁度中心に ある丸い物がフュエールレギュレータである。 このレギュレータはガソリンのインジェクター上にあるデリバリーパイプに取り付け られており、左図では丸い部分の2時方向から細い配管が出ているがこの部分から 過給圧センサーへと分岐して配管する様にする。 右図がフュエールレギュレータからEVCやメーター用センサーに分岐した状態で、 純正の配管の中心から分岐しているのがわかる。 この部分の加工には純正の配管は切断せず、元々ここに付いていた配管はノーマルに 戻す時の為に取り外して保管しておく様にする。 そしてキットに付属の配管を必要分だけ切断して、分岐している白いスリーウェイも キットに付属のスリーウェイを使用して右図の様に分岐している。 純正ではこの辺の配管には一切ホースバンドが使用されていないが、仮にも過給圧が かかる部分の為に右図の様にインシュロックタイなどを使用してホースバンドの代わりに 取り付けておいた方が安心である。 配管のホースは無理がかからない長さと方向を決め、余裕を持って長さを取りある一定 感覚で軽くインシュロックタイで固定しておくようにする。 インシュロックタイで固定する場合は、締め過ぎると配管がつぶれてしまう為に 配管のつぶれ具合を確認しながら固定する。 また固定する際はエンジンが多少左右に動く事を考えて、EVC側に配管を固定する 長さには余裕を持っておく必要が有る。 VVC等のメカ的な制御と違って電子式部品ではセンサーの感度が良い為に配管の 長さによる損失はあまり考慮する必要はない。 その為にちょっと遠回りをしても配管に負担のかからない方法で引き回す事を お薦めする。 ◆PMCバルブについて 肝心なEVCへの配管状況はエンジンの下部などが多く参考図がほとんど無い。 またR33系のGT−Rと違い5ナンバーサイズのボディな為に、想像以上に エンジンルームが狭く以前の取付方法では配管の着脱が不可能の為に新たな方法で 取り付けている。 この方法はR33系のGT−RでもR32系のGT−Rでも共通の為に、かなり 効率的に作業を進められる様になる。 R33系のGT−Rでも説明したが、日産系で純正コンピュータによる過給圧制御を 行っている車輌では排気バイパスのアクチュエータとタービン間の配管の間にEVCを 入れる方法では駄目で、この方法では純正の過給圧制御バルブであるPMCバルブが 生きている為にかなりレスポンスがダウンしてしまう。 その純正のPMCバルブはR33もR32でも同じ位置で右図の右手の親指左に見える 物がそのバルブで、サージタンクからタービン側の排気バイパスアクチュエータに行く 配管から分岐してこのバルブに入り、バルブの出口は左上図の中心当たりにある吸気側の 配管へとバイパスするようにしてあり、このPMCバルブが動作すると本来排気バイパス アクチュエーターにかかる圧力がバイパスされここへ抜かれる為にアクチュエーターが 動作しづらくなり過給圧が上がり、PMCバルブが動作していない時はアクチュエータ 本来の動作となるわけで、この方法により純正ながらにして過給圧の2段切換を行っている。 ◆実際の配管方法について 実際の配管方法は文章だけとなってしまう為に分かりにくいかと思うが、エンジンの 裏側や画像を撮影できない部分が多い為にご了承くだされ。 R33ではかなり作業しづらい部分の配管を取り外していたが、今回はかなり楽な 方法を見つけた為に是非参考にしていただきたい。 その配管の引き出し方法を順を追って説明する。 @PMCバルブの配管調査 まずはPMCバルブで使用しない不要な配管を探し出し、実際に使用する方の配管を 見つけるようにする。 これは不要な方となる吸気側への大気開放側の配管は右図の様に、タービンと タービンの間で右図の手前側がサスハウスである位置で比較的に確認し易く、この 部分の配管が外し易い事からこの方法が手っ取り早い方法である。 その為にまずこの吸気側にある右図のホースバンドを緩めて配管を取り外しておく。 そしてPMCバルブに配管されている2本のホースのうちのどちらが大気開放側 なのかを調べる。 調べる方法としてはPMCバルブから外した2本の配管に、1本づつ息を吹きかけて 大気開放側の外した配管から空気が出てくればその配管である。 R33系のGT−Rではそれぞれの配管に色別のマーキングがしてあり、赤色と黄色が あったが赤色の配管が大気開放側であった。 ここで見つけた大気開放側の配管は使用しない為に、PMCバルブから外した方も 吸気側の確認の為に外した配管も元に戻しておく。 そして大気開放側でない方の配管は外したままにしておき、PMCバルブ側からは ホースが外れたままになってしまっている為に、EVCの配管を10cm位切り取り その短いホースをPMCバルブの開いてしまった方に取り付け、そのホースの反対側には 配管用のメクラを取り付けてしまう。 このメクラが無い場合には、配管自体がΦ6な為にM8の長めのボルトをねじ込んでやり ホースバンドで固定しネジが抜けてこない様にしておく。 この部分には過給される事が無い為に、それほどしっかりとした固定は必要無いが ネジが落下してPMCバルブにホコリが入り、純正の配管に戻した時のトラブルを 防ぐ為にこの様な方法をとる。 A純正配管の変更 右図ではちょっとわかりにくいが、サージタンクの上にはアクセルワイヤーから 6連スロットを動作する為の中継ユニットが見えるが、このユニットがアクセルワーク ユニットと呼ばれサージタンク上に奥と手前の2個所で固定されている。 この奥側の取り付け位置の真下あたりから、下の方にΦ6の配管が出ていて途中で 90度に曲げられエンジンブロック側に行っている物がある。 この辺の近辺には右図の様に今回必要とする配管を含めて3本が集中しているが、 この目的の配管だけがΦ6のホースになっており、その右側の配管2本は多少太目と なっている為に区別は容易にできるかと思う。 右側のホース2本はサージタンクの真下にあるACCバルブと呼ばれるユニットの 前後に配管されている為に、この3本の配管のうちの細い左側の物を探し出す。 そしてサージタンク側のホースバンドを取り外しホースを抜いておく。 サージタンクから抜いたホースの反対側はそのままにしておき、そのホースの反対側を 手探りで探し出し先ほどサージタンクから抜いたホースの方向が車の進行方向に右回しで 向きを変更しておく。 これは配管時にホースへの負担を低減させる為で、できればこの様にした方が良い。 そしてこのサージタンクから抜いたホースと先程抜いておいたPMCバルブの配管を Φ6用のスリーウェイを使用して一直線上に取り付ける。 この場合のスリーウェイはEVCには付属しておらず別途購入の必要が有るが、 EVCU当たりから付属のΦ6ホースが短くなっている為に、万が一ホースが短い事と スリーウェイを購入する手間とでHKS製のツインターボキットを購入しておくと良い。 このツインターボキットはΦ6ホースが1mとΦ6のスリーウェイが2個とホース バンドが数個入った物で、価格は¥3,000となっている。 スリーウェイはサージタンクから抜いたホースとPMCバルブの配管が一直線状に なる様に取り付けてホースバンドで固定し、スリーウェイのもう一方は上の方を向けて おく様にする。 BEVC用の配管引き出し サージタンクから抜いたホースとPMCバルブの配管をスリーウェイで一直線状に なる様に取り付けてスリーウェイのもう一方で、上の方を向けた部分へEVCに付属の Φ6ホースを差込ホースバンドで固定する。 このホースがEVCへのアクチュエータ側配管として使用するわけだが、PMCバルブ から抜いた配管をスリーウェイを使用し接続したのは配管的には全くの無意味で、 サージタンクから外したホースとPMCから抜いた配管は全く同じ系統の配管だが、 変な物でメクラをするとこの部分の配管には1k近い過給圧がかかる為に中途半端な メクラは非常に危険である。 その為にスリーウェイでループ状に配管し、一見無駄の様に見えるこの方法の方が 確実なメクラの方法である。 そしてツインターボキット等で購入したもう一本のΦ6ホースをサージタンクの 純正ホースを抜いた部分へと接続しここもホースバンドで固定するようにし、この配管が EVCの過給側配管として利用される。 これでEVCで使用する為の配管が2本準備できた事になる。 ◆EVC取付方法について 今回もR33系のGT−Rと同様に配管がある程度短くでき板金に穴を開けなくて 済む位置として運転席側のサスハウス真上で、サージタンクの真横に位置する部分へ 取り付けている。 その部分までの配管の長さを余裕を持って決め、必要な長さにホースを切断しておく。 そして右図の様にEVCのアクチュエータへと配管するが、細い配管は最初で説明した フュエールレギュレータからのセンサー用の配管を取り付ける。 残り2本は同径のΦ6であるが、この配管に関してはどちらに何を取り付けるか 決まっている為に正しく配管するようにする。 逆に配管してしまうと正常な動作をしなくなる恐れが有る他に、そのまま使用すると EVCのアクチュエーター本体が破損してしまう可能性が有る為に、配管に関しては EVCの取扱説明書をよく確認した上で配管する必要が有る。 配管が完了しEVCのアクチュエーター本体を固定したら、配管をつぶさない程度にし インシュロックタイなどで周辺に固定しておくと良い。 これは左図でもわかるようにアクチュエータの配管を差し込む部分は樹脂かプラスチック製で ホースが振動してしまうと長い時間の間には負担になり破損する可能性が有る。 その為にホース自体の結束と周辺の固定して動かない物に結束し、ホースが振動で 動かない様にする必要が有る。 左図ではアクセルワイヤーの上を通しているが、この周辺はブレーキユニットが出て いたり奥にはブレーキブースターなどが有ったりで、これらに擦れても配管が損傷して しまう可能性を考慮してこの配管方法とした。 S13シルビアなどではPMCバルブがタービン側に有った為にEVCの アクチュエーターもタービン側に取り付けたが、今回のGT−Rの様に吸気側から 全て配管されているとEVCのアクチュエーターも吸気側に設置できる為に、 タービンから遠ざける事が出来る為に直接タービンの熱に当たらずに済み、なかなか 良い設置方法が取れる。 またEVCのコントローラへの配線はR33系GT−Rと同様に、アクセル上部にある 純正の配線を通している大型ゴムブッシュのテーピングを奇麗にはがし、EVCの配線を 通した後にテーピングし直して純正であったかのようにして戻している。 コントローラー自体はグローブボックスにHKS製のエレクトロニックコンソールを 設置しピークホールドの過給圧計と一緒に設置している。 メインに戻る 車両関係に戻る スカイラインメニューに戻る |