◆純正シートの取外し(前側)
純正シートの取付は前後に2個所づつの合計4個所からの固定となっている。このシート取付ネジを取り外す為にはシートを前後に移動して、固定されている ネジが取り外し易い位置まで移動する。 前後どちらから外すかの順番はないが、ここでは前部から取り外す説明を行う。 その為に右図の様に運転席右側面に有るパワーシートスイッチによりシートを 後ろ側にスライドさせネジを見える位置まで移動するが、ほとんど全て後ろに移動した方が 作業し易い。
シートをスライドしてもネジは直接見えず、左図の様にシートの下部両端に黒い樹脂の
四角いカバーが見えてくる。いつ頃からかシートの取付ネジには図の様な樹脂カバーが取り付けられる様になっており、 特に無くとも問題は無い部品なのだが、安全性による物なのか単なるデザイン的にネジを 隠しているだけなのかは不明である。 この樹脂カバーは両側をシートレールの両端に有る突起部分に挟み込んであるだけで、 取り外すにはちょっとした工夫が必要である。 取り外すにも左図の様にマイナスドライバー等を使用しないと簡単には取り外せない。
この樹脂カバーの両端にそれぞれマイナスドライバーを差込、両側に多少広げる様に
すると引っかかっている部分が外れ易くなる。両側一緒に広げるのは不可能に近い為、片側づつ広げて多少浮かせながらもう一方を 取り外す様にする。 取りはずすと右図の様に樹脂の小さな部品が外れてきて、その下からシートを取りつけて いるボルトの頭が見えてくる。 この樹脂製のカバーは社外品のシートレールを使用する場合は使用できなくなる為に、 シート1つで4個のカバーで両側のシートで8個のカバーが出てくるが、別に箱か袋を 用意しておき保管する様にして、純正シートに戻す場合はこれらも元に戻せる様にする。
左図ではドア側のネジを外しているが、ソケットレンチを使用してボルトを取り外す
様にする。この場合は左図の様にエクステンションバーを使用してハンドル位置を延長しないと ドア部分や床などにハンドルが当たってしまいうまく回せない。 また使用するソケットは安物を使用しない様にする。 これは12Pや24Pで1〜2千円前後の製品の多くでは、ソケットの強度が無く ソケットを破損するだけでなくボルトのヘッドまでもをナメて破損する可能性がある。
コンソール側のシート取付ネジは右図の様にコンソールやシフトノブ部分が盛り上がって
いる為にレンチが使用しにくい。またトランスミッションの位置関係で床もかなり盛り上がっている為に、レンチの ハンドルが使用しにくい所となっている。 その為に回せる範囲でネジを緩め、ある程度緩んできたらソケットとエクステンション バーを直接回して取り外した方が早い。 シートの取り付け位置によってはボルトが固くてレンチを直接回せない場合があるが、 その場合はハンドルを使用し少しづつ取り外す様にする。
シートを取り付けているボルトは左図の様に抜けてくる。このボルトは通常車両の板金が貫通しており、ボルトの先の方は社外に飛び出ている 事になっている。 その為に何年か乗っているうちにボルト先端に土やホコリが溜まり、これでなかなか 緩んでこない可能性が有る。 これにより車両側のネジタップが破損する事はまず無いと思うが、もしボルトがかなり 取外しできつい場合は車両の底面からCRC等の錆取り潤滑剤の様な物をタップリと 使用し汚れや錆を十分に落としてから作業すると良い。 ◆純正シートの取外し(後ろ側)
今度はシートの後ろ側を固定しているボルトを取り外す為に、再び右図の様にシートの
側面に有るパワーシートのスイッチを操作しシートを前側にスライドさせる。シートを前の方にスライドする際には、前から取り外したボルトやレンチが可動部に 挟まってシートのスライド機構を破損しない様に、予め取り外した部品や工具をシートから 離しておく必要が有る。 工具に関してはこれから取り外す後部の取付ボルトにも使用する為に、前部のボルトを 2つ取り外した段階で後席の足元にでも移動しておくと良い。
シートを前方に移動すると左図の様に後部座席足元に2本のフロントシート固定用の
シートレールが見えてくるようになる。このシートレールの先端にも前取付部分と同様に樹脂カバーが取り付けてあるのがわかる。 この樹脂カバーを左図の様にマイナスドライバー等を使用し、片側づつ両脇に広げる 様にして持ち上げると引っかかっている部分が取り外せる様になる。 左図の状態からそのままてこにして持ち上げると破損する恐れが有る為に、マイナス ドライバーを左図の様に多少横から差込んでドライバーを回す事で樹脂カバーの横を 広げる様にしてからてこにして持ち上げる様にする。
この樹脂カバーは取り付け位置によって引っかかっている部分が違っており、
実際に何処から外したか忘れてしまったが、ほとんどがカバーの両端で固定されている
場合が多く、両サイド近辺を広げればまず間違いなく取り外せる。場合によっては持ち上げでなくスライドレール方向に取り外した方がスムーズに 取り外せる場合が有る為に、実車で確認してどこが引っかかっているか確認の必要が有る。 取り外した樹脂カバーは箱か袋にまとめて入れておくが、形状がそれぞれ違う為に 戻す時には問題ないと思うが、心配な場合は樹脂カバーの裏に白のマーカーペンででも どの部分のカバーだったかを記入しておくと良い。
樹脂カバーが取り外せたらシートを固定している後部のボルト2個を左図の様にして
ソケットレンチを使用して取り外す。この作業の前にリアシートに座ったままで作業すると楽であるが、前かがみになると 頭がシートに当たって作業しづらい為に、予めにシートの背もたれ部分をリクライニング スイッチで前に倒しておく様にするとよい。 この部分のネジもしっかりとしたソケットを使用し、ぐらついてボルトの頭を破損しない 様にしっかり両手でレンチのハンドルを持って取り外す様にする。
ボルトを取り外すと右図の様に抜けてくる。ボルトを緩めて外す際は、シートレールが室内のカーペットなどにより多少浮きぎめ になっている為に、シートレールが持ち上がりシート固定用ネジのネジ山に当たり そのままボルトを回してしまうとネジ山を破損する可能性も有る。 その為に多少緩めたらシート自体を多少前後に動かして、シートレールのネジ穴が 固定用のボルトに当たらない様にする必要が有る。 この当たり具合を調べる為にはレンチのハンドルを使用せず、直に手でソケットだけか エクステンションバーを直接回した手の感覚で判断する。 ◆シート下部のコネクター取外し
シートを取り付けている4個のボルトが外れても、シート下部にはパワーシートや
エアバッグ関係の配線がある為にシートを直ぐに持ち上げない様にする。シート下部の配線用コネクターを抜く為にその場でシートを後ろに倒しシートの 底を見えるようにするが、シートレールとシート位置が偏っていると不安定な為に 右図の様にパワーシートのスイッチにより前後にスライドさせ、シートレールと シートの中心が同じ位置に来る様にして、シートレールがシートから飛び出さない 様にする。 ここでこのスライドを調整しておかないと今後作業するコネクターの取外しで コネクターを抜いてしまうとシートの操作が全くできなくなってしまう為に、 シートを外して保管する場合などは取り出したままで保管できる場所を確保する 必要が有る。
これは電装配線図を確認してみないとわからないが、たぶん左図の黄色いコネクターが
サイドエアバッグ用の配線用コネクターであると思われる。シート側にはセンサーなどが無い為にエンジンキーさえ抜いてあれば安心して 取り外せるが、このコネクターがエアバックを膨らます為の発火用電源であると 思われる。 その為に間違っても電源を加えたりしない様にする必要が有る。 このコネクターの取外しは左図のコネクターの白い部分があるが、この部分に シート側に固定されたもう一方のコネクターとかみ合うようになっている。 その為に取外しにはシート側に固定されたコネクターのこちら側に見える突起を 押しながら引き抜く必要が有る。
更に右側にある様な白い方のコネクターも取り外す。こちには先ほどの黄色いコネクターと違い、配線の数も多い事からパワーシート 関連のコネクターだと思われる。 こちらのコネクターの取外しは、右図の親指裏側にある突起を押しながらコネクターを 抜き取ると抜けてくる様になる。 コネクターは多少固い可能性が有る為に、なかなか抜けてこない場合は突起を押しながら 多少前後左右に揺すりながら線材を引っ張ってみると取り外し易くなる。
この抜いた2つのコネクターはシート裏側に固定されており、コネクターだけ抜いた
のではシートを持ち上げられない。左図の様に2つ抜いたコネクターの白いコネクター近辺に白い樹脂の突起がテーピング されており、この突起がシート裏側の板金に差し込んである事がわかる。 この突起は中心に切れ目が入っており、この突起を切れ目の入った方につぶして 寄せておくと抜ける構造になっているが、なかなかうち側に寄らず取り外せない。 突起の裏側よりペンチやプライヤー等で挟んで押し出せば簡単に取り外せるのだが、 左図の様に板金が折り曲がっているほかに、その板金の裏側にはパワーシートのモーターや 機構部品があり不可能である。 その為にマイナスドライバーや細いラジオペンチなどを上手く使用して取り外す 必要が有る。 以上の作業を終了するとシートが取り外せる様になり、そのまま持ち上げてドアや センターピラ等の内装部分にシートやシートレールを接触させて傷を付けない様に 気を付けて取り出す必要が有る。
右図の様にシート側面にはサイドエアバッグが付いているステッカーが貼ってあり、
作業の際には注意して行うようにする。基本的にエンジンが始動できるIGまでキーが回されていない事と、エアバッグを 動作させる為のセンサーに衝撃を与えなければ大丈夫である。 その為にいかなる作業の場合でもエンジンは停止し、安全確認上エンジンキーも 抜き取ってある状態での作業確認が必要である。 万が一動作してしまうとその衝撃で吹き飛ばされて、けがをしてしまう可能性が 有る為に十分注意して作業を行う。 万が一エアバッグが動作してしまった場合は、新品を購入して交換する必要が有る。 特にエアバッグ付きの保険に入っている場合は、事故が起きてしまった場合に整備 不良と判断されると保険上のトラブルが発生する可能性が有るからである。 ◆RECAROシートへの交換 RECAROシートへの交換は、ベースフレームの取付とシートの取付となるが、 ベースフレームが旧型アリストの物がそのまま使用できなかった為に、ベースフレームを 新たに購入してからの取付となった為に後日紹介する事とする。 メインに戻る 車両関係に戻る アリスト詳細メニューに戻る
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