シャフトの取り外し

◆ベアリング固定リングの取り外し
 左下図がクランクペダルを取り外したあとのシャフト部分の拡 大図であるが、この部分に見える丸いリングの外周に3ヶ所だけ 溝が付いている物が見えるが、ベアリングを取り出す前にこのリ ングを取り外さないと中央部分のベアリング押えが取り外せない 様になっている。
 ここで今回新たに用意した工具を使用する事になるが、右図の 様に3ヶ所ある溝の1ヶ所に引っ掛ける事で、このリング自体を 緩める事ができる様になる。
 当然、リングもネジを取り外す方向と同じ左回しにする為に右 上図の様にリングに対して左回しに引っ掛ける様にセットするが 、締め付ける場合には逆に右回しになる様に引っ掛ける。
 しかし、今回用意したレンチでは2つのサイズが使用できる様 になっており、左上図の様にリングの溝にレンチがほぼ直角に入 り込んでいる方を使用するが、右上図の様に違うサイズ側を使用 するとリングの溝にはかなり斜めにかかっているのがわかるだろ う。
 その為に、外せそうだからと言って無理な使い方をするとリン グ側やレンチまでもが破損してしまう場合がある為に、確実に合 うサイズのレンチを用意する様にする。
 ある程度リングが緩んでしまえば手でも回せる様になるが、こ のリングは左上図の様に完全に取り外しておき、右上図の様な状 態にしておく様にする。
 そして右上図の飛び出した部分全体がベアリング押えとなって おり、この部分の上下中央にある突起にレンチをかけてこの部分 を回転させて取り外す様にする。

◆ベアリング押えの取り外し
 このベアリング押えを取り外す為には、下図の様にほぼベアリ ング押えの直径を跨げるレンチが必要で、200mm程度のモン キーレンチでは左下図の様に届かなかった。
 しかし右下図の様に同じ200mmサイズのモンキーレンチで も、薄口タイプの製品であれば十分かかる様であり、このベアリ ング押えを固定していたリングを取り外した後では右上図の薄口 スパナでも十分取り外しが可能である。
 しかし、左下図の様にモーターレンチをセットしてみると、ベ アリング押えにかかる長さも一番多いが、それ以上にはさんだ時 の安定感があった為にこれを使用した。
 おそらくこれはモンキースパナ類の場合には大きいサイズの方 が挟んだ時に幅を調整する回転部分も大きい為にしっかりと力が 入る為に、結果としてしっかりネジをはさめるのだろう。
 こちらもリングと同様に、レンチである程度回してしまうと手 でも回せる様になり、右上図の様な感じで筒状のベアリング押え が外れてくる様になっている。
 このまま取り外してもベアリングはシャフトにぶら下がってい る状態となっている為に、グリス等の粘性でくっ付いて来なけれ ばそのまま引き抜く様にする。

◆ベアリングとシャフトの取り出し
 そしてベアリング押えの内側が左下図で、この部分に直接ベア リングが擦れて回転しているが、今回の様に再利用する場合には ベアリングやリテーナ関係が破損して散らばっているおそれがあ る為に、必ずパーツクリーナ等で綺麗に掃除してから再利用する 。
 そしてベアリング押えを取り外した側からシャフトを引き抜く と、右上図の様にリテーナベアリングも一緒に取り出せる様にな るが、最初は手前側のベアリングには何の問題も無い様に思えた が、問題はその奥側にあるリテーナベアリングであった。
 その問題のベアリングが左上図で、これではグリス等であまり よくわからないかも知れないが、リテーナはほとんどの部分が変 形しておりベアリングの玉が見当たらず、右上図の様にシャフト を取り出した奥の方を見てみるとベアリングが残っていた。
 おそらくこれだけ変形していた為にベアリングが等間隔では当 たっておらず、時々発生する『パキッ』と言う音はリテーナ等を 変形させてベアリングが無理に乗り越え様としていた音だったの かも知れない。


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