洗浄とベアリングの状態

◆ベアリングの状態
 ベアリングやシャフトは全て洗浄する事から、左下図の様に洗 浄用に用意したトレイに入れておき、この上でパーツクリーナを かける事により汚れは下に溜まり部品は浮いている為に汚れが再 び付く事は無いが、ボルト類だけは小さい為にどうしても左下図 の様に付いてしまうだろう。
 その為にこの様な網の他にも、メッシュ状の網等も用意してお くとよく、探せなければ100円ショップの茶輿用の取って付き 網等でも十分代用できるだろう。
 取り出したベアリングを見てみると右上図の物が正常な状態の ベアリングであるが、左下図が破損してしまったベアリングなの だが、等間隔にベアリングの玉を押えている物が無い事がわかり 、一部分のベアリングが外れている為に片寄っているのがわかる だろう。
 パーツクリーナでグリスを洗浄してみるとよくわかり、右上図 の様に全体的に崩れてしまっているのがわかり、2千円も修理代 を請求した所では調整だけで直る物だと思ったのだろうか。
 この時に気付いたのが意外とグリスには砂が多く混じっており 、何処から入ってきたのか疑問であったが組み付け後に気付き、 以下で説明している自転車本体の下部に穴があった。
 他の自転車にも残っているかどうかだが、おそらくパイプ構造 の為に塗装抜きか何かと思われるが、シャフトの中央下部のフレ ームに丸い5mm程度の穴が開いていた。
 その為に、何処からか雨水が入るかどうかは不明だが、とりあ えずこの部分に丸いステッカーを貼っておき、当分の間は砂埃が 入って来ない様に塞いでおいた。

◆ベアリング受けの洗浄
 その穴が開いていた部分が丁度左下図のパーツクリーナをかけ ているノズル先端部分で、この様に内部を掃除する場合には非常 に便利な穴だが、通常は外に駐車しておく事が多い為に、風であ おられた砂埃等が入り易いのだろう。
 この部分の汚れはパーツクリーナをかけるだけでなく、右上図 の様な先端の曲がったブラシ等を使用してしっかりと洗い流す様 にして、洗浄後は更にパーツクリーナで洗い流してしっかりと拭 いて乾かしておく様にする。
 ベアリング受けは材質が硬い為か、上図の様に両側にあるどち らにも目立った引っかき傷や擦れは無かったものの、ベアリング が破損していなかった右側のベアリング受けには何やら薄い打痕 傷らしき物が見受けられた程度であった。
 しかし、小さくとも何れベアリングが変形する可能性はあり、 今回はこのまま組み付けて使用してみる事にしたが、気になる場 合には新品部品を用意した方が良いかも知れない。
 今回はこのベアリング受けを交換しなかった為に価格は不明だ が、あまり高価な場合にはそのまま様子を見るか、加工が可能で あれば均一に研磨してもらう方法もあるだろう。

◆シャフトの洗浄
 シャフトにもベアリングが当たっている部分へのグリスと砂埃 の付着が多く、こちらもしっかりとパーツクリーナとブラシで洗 浄してから拭きあげてみた。
 するとこちらはベアリング受けよりも材質が軟いか表面処理が 剥がれただけなのかは不明だが、左下図の様に左右のベアリング の当たり方にはハッキリとした違いが見える。
 左上図の左側が正常なベアリングが付いていた方で、ベアリン グを受けている付け根部分に1本の線が入っているのに対して、 右側ではその反対側にも太い線があるのがわかるだろう。
 その部分を拡大したのが右上図で、ベアリングの当たり面も上 側が全体的に減っているのに対して下側は付け根だけが減ってお り、更にその反対側にも太い線が見えた180度裏側には右上図 の様に途中からだんだん線が細くなっている。
 これはリテーナベアリングが変形した為にベアリングにガタが できて、おそらくペダルには左右交互に力を入れる為にこの右側 はこの減った部分だけに力が入っていたのだろう。
 これが表面処理が剥がれただけであれば問題ないが、ここまで 磨り減っていると正常なベアリングを入れても多少はガタが発生 してしまうおそれがあるが、上手くペダルを取り付ける方向を考 慮すればガタが出ずに済むかも知れない。
 しかし今回はペダルを取り付ける位置と磨り減った方向を考慮 せずに組み付けてみる。

◆破損したベアリング
 下図が変形したベアリングの拡大図で、奥の方にピントが合っ た為に手前がボケてしまったが、ほとんど変形していない所が無 いと言った方が近い位に変形していた。
 特に奥側の2本はお互いに干渉し合いつぶれているのがわかる と思うが、全体的に白いツブツブが多く見えると思うがこれが砂 であり、おそらくグリスに砂が混じりベアリングとの間に入ろう とした際にこれらが耐えきれずに変形して行ったものと思われる 。
 この様に穴がある場合にはもちろんだが、高速回転して振り落 とされる心配が無い部分には、グリスをタップリと塗る事でベア リングまではなかなか到達できない様にする方法もある。
 但し、低温で溶け出してしまう様なグリスを使用すると夏場に 流れ出てしまう為に意味が無く、ある程度の粘性と耐熱性がある グリスを使用するとよいだろう。


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