◆点火系部品の交換サイクル 白金プラグが純正部品で利用されてからもしばらくなるが、この セルボモードでも4気筒ツインカムターボF6Bエンジン搭載車の みが白金プラグを採用していた。 しかし一般製品の白金プラグは中心電極のみに小さな白金が溶着 されているだけで、マイナス側の電極に関しては従来通りの材質と なっており、ホンダの一部車種では両電極共に白金が使用されてい る物もある様である。 交換時期としてはどのメーカーも 10万km交換不要 となっている様だが、確かに無交換で走行している車両もあるが全 てが調子良い状態であるとは限らない。 実際、一般車のMTで5速70〜80km/hで走行していると 1分間に2000回転も回り、排気温度も600度以上である事か ら熱と放電にてプラグが受ける影響はかなりのものである。 この様な状態で 10万キロは結構キツイ ものがあり、最低でも両側白金や片側がイリジウムと白金等の耐久 性の高い材質が両電極に使用されている事が条件とした方が良いだ ろう。 エンジンの状態により一概に交換時期は特定できないが、プラグ メーカーの宣伝で2万キロと言う事もありとりあえず 2万キロでの交換を心がけている が、取り外した物を見るとまだ利用できそうな状態ではあるが不具 合が出てからでは問題である為に2万キロで交換している。 また、最近の車両ではプラグコードの無いダイレクトイグニッシ ョンシステムが多く採用されているが、 プラグコード式の場合 にはディストリビュータのローターとキャップも含め、放電し難く なる要因が多々ある為に、 プラグと一緒に最低でもディストリビュータのローターとキャップ も合わせて交換する事をお薦めする 。 更に、点火系に障害を負って修理した経緯がある場合には、その 時点でプラグにカブリや異常燃焼の恐れがある為に、すみやかにプ ラグも交換した方が良いだろう。 また、インジェクター関係のトラブルの場合にもその状況により 違うがバルブ開度状況によりカブリや異常燃焼の恐れがあるだろう 。 そして点火系のトラブル原因としてプラグコードやイグニッショ ンコイルがあるが、これらは交換不要部品と思われがちな部品だが それが意外なもろさを持っている。 特に純正のプラグコードでカーボン素材の芯線を使用している場 合等は取り扱い方では簡単に折れてしまったり、外皮がゴム素材の 物が多い為にひび割れが入り漏電してしまう事が多い。 芯線折れの場合には高圧の為にそれほど感じられない場合がある のだが、外皮のひび割れはその部分からヘッドカバー等への放電に よりプラグまで高圧が届く前に弱くなってしまい、最終的にはプラ グでの放電がし難くなってエンジンの不調をきたしている場合が多 いだろう。 その為にプラグコードも状態を見て定期的に交換するか、社外品 のシリコンタイプのプラグコードに変更しておくと良いだろう。 そしてイグニッションコイルに関しては、ダイレクトイグニッシ ョンシステムを採用しているエンジンでは左上図の様にヘッドカバ ー内にイグニッションコイルが収納されている。 その為にイグニッションコイル自体が熱いエンジンルームの熱い 部分にカバーで覆われている事になり、かなりの悪条件下で使用さ れている事となる。 その為か事前にある程度の不調となって現れるかどうかだが、あ る日突然加速しなくなったりする場合があり、インジェクター不良 と似た現象の場合もあるがイグニッションコイル不良となってしま う事がある。 こちらもどれだけ持つかは不明だが、10年や15年と言った事 で部品が無くならないうちに交換しておく必要があるが、イグニッ ションコイルは高価な為に多数ある場合には数個の予備を持ってお き、故障が判明したらいつでも交換できる様にしておくと良いだろ う。 今回のセルボモードでは左上図の様にイグニッションコイルは2 つだけで、他の2気筒分はプラグコードで接続していると言う面白 い構造だが、このコイルサイズから想像するとコイルを4個入れた くとも入らなかったのだろう。 そんな事で、今回はこのプラグコードを始めとし4万キロを機会 に再びプラグ・コード・コイルの高圧系を全て交換する事にした。 ◆4万キロでの交換部品 今回は4万キロ(12年)と言う事でプラグとプラグコードの他 に、熱による破損も十分に考えられる事から左図の様なイグニッシ ョンコイルも交換する事とした。 10年越えと言う事もありパーツの在庫状況が気になる所だが、 新品は保管しておき故障してからの交換でも良いが、エンジン不調 は様々な部分に影響を与える為に、ある程度の年数が経っていれば 交換した方がよく、逆に古い物が正常であればそれを応急的に保管 しておくと良いだろう。 もしもイグニッションコイルが無くなってしまったならば、2本 だけプラグコードがある事を利用し、次に説明する様に永井電子か ら特注でプラグコードを4本製作して頂き、純正と同等のコイルを 用意し外付けコイルとして使用する方法も考えられるだろう。 しかし4つのコイルを駆動するには回路上の問題があり、F6B ではコイルを2個しか駆動できず何らかの駆動方法を別途考える必 要があり、コイルを2個にすると高圧部分で2つのプラグコードを 接続する為の方法を考えなければならないだろう。 そしてクランク角センサーだが、右図の様にインタークーラーの 裏側に付いており、交換が容易でない為にこの様な機会にでも交換 しておくと良いだろう。 しかし、このクランク角センサーはディストリビュータ内のポイ ントと違い、無接点の磁気センサーの為にセンサー自体の破損が無 い限りは交換する必要は無いだろう。 ただエンジンルームはかなりの熱になる為に壊れないと言う事は 言えず、予備に持っておくのも良いだろう。 その為に以下のリストには数量を入れておらず、とりあえず品番 と価格だけを載せておく為に参考にして欲しいが、センサーを交換 する際には取り付けネジも一緒に交換した方が良いだろう。 また、センサーユニットを交換すると1万円と高価だが、内部の センサー部分だけを交換すると安価な為に、これも以下の表で黄色 く塗った部分として載せておく為に、全部交換するか内部だけ交換 するかの参考にすると良いだろう。
このOリングは再利用不可部品となっており、ユニット毎に購入 しない場合には上記表の水色部分の品番で注文しておく必要がある 。 そして今回の交換部品としてプラグとプラグコードの2点はは純 正部品を購入せずに社外品を利用してみる事にした。 プラグは左図の様にDENSO(旧・日本電装)製のイリジウム プラグを用意し、プラグコードには以前2万キロの時にはまだ標準 品としては販売されていなかったが、今回はやっと永井電子製のシ リコーンパワープラグコードを用意した。 特にこのプラグコードは外皮の耐熱・耐候性的な耐久性や芯線が カーボン製でない事から折れ難く長さによる線間抵抗が同じ等から これらの問題も解決される効果は大きく、以下の表からもわかる様 に価格的にも純正プラグコードの3倍と言う価格ではあるが、それ だけの効果は十分にあるだろうと思われる。
その為に現行のパッケージとは多少デザインが違っているが、以 下で説明する様に一般的なイリジウムパワーと同じ物である。 ◆DONSO製イリジウムプラグ プラグと言えばNGKもあるが、イリジウムに関しては中心電極 サイズが大きく違っている。 この中心電極サイズはNGKがφ0.6mmに対してDENSO ではφ0.4mmと細く、高圧放電の場合には細い方がより集中し て強い火花放電が得られる事から、今回はDENSO製のイリジウ ムプラグを使用する事にしたが、細いと耐久性の問題がある事も一 理有る為に、CDIやDLI等を使用している場合にはNGKの方 が良いかも知れず、DLI等では沿面電極等のプラグを使用した方 が良いかも知れない。 そしてこのDENSO製のイリジウムプラグでは、右上図の様に 電極保護カバーに紙製の物ではなく樹脂製の物が使用されている。 その保護カバーがプラグにピッタリとフィットし、自然落下しな い為に取り外さない限りにはずっと保護されるのには安心して取り 付けるまで取り扱えるだろう。 このDENSO製のイリジウムプラグシリーズを以下に載せてお く為に参考にして欲しい。
これが今回使用したプラグの新パッケージであり、黄色いデザイ ンの箱から赤っぽい箱にデザインが変更されていた。 今回の選択したポイントとなったのが右図にある様に中心電極が 極細のφ0.4mmだと言う事で、更に接地電極内側にU溝が付け てある為に『火炎核を大きく成長させることが重要なポイント』と あるが、どちらかと言うと火花放電は平らな面からではなく角等か ら放電し易い為に、このU溝の角からの放電がし易くなり着火性が 良くなるのではないかと思われる。 このタイプでは右図の様にイリジウムが中心電極にしか使用され ておらず、接地電極に関しては従来と同等の材質と思われる為に、 耐久性に関しては NGKのページ にもある様に白金プラグと同等で約1.5〜2万キロ前後となって いる。 そしてこちらが以前は無かった接地電極に白金チップを取り付け たイリジウムプラグで、本来はこの様な構造としてなければ耐久性 の面からは白金プラグと何ら変わりないだろう。 この製品であれば今まで問題となっていた接地電極も耐久性が増 す為に、 NGKのページ でも『10万キロ走行が可能なプラグ』となっている。 上記表から見てもわかる様に、接地電極に白金が付いてもそれほ ど金額的にも変わらない事からも、耐久性的な面の効果が大きい為 に今後はこちらのタイプをお薦めするが、実売価格がどれだけ違う かは未確認な為に、購入の際にはショップや通販価格等で調査して 欲しい。 そして左図がイリジウムレーシングプラグで、右図の様に接地電 極にオールプラチナの0.8mm角を採用している。 しかし熱価は24〜35となっており、完全なレース仕様のチュ ーニングエンジン専用となっている為に、一般車に使用すると不調 を招く為にお薦めしない。 その為に、一般的なチューニングレベルではしっかりと燃調をと ればレーシングプラグを使用する必要は無く、エンジンの限界まで パワーを絞り出した時意外では全く問題にならないだろう。 メインに戻る 車両関係に戻る セルボモードメニューに戻る オーバーホールメニューに戻る 第五段メニューに戻る 点火系メニューに戻る |