◆子犬が住み着いて5年以上 幸いにもエンジンの調子は良く、1度セルモーターが回らなくな った以外にはまだ一度も故障も無いが、別ページでも説明した様に 寒冷時期の暖機運転時に異音を発生する様になっていた。 その音は丁度子犬が物欲しげに鳴く『クゥ〜ン、クゥ〜ン』と言 う周期的な音で、部品交換の度に色々とそれらしい部分の部品は交 換してもらったのだが、一時期は良かった時期もあったのだがまた 直ぐに鳴き出してしまっていた。 そしてBPから左図にあるミニターボの上位グレードとして右図 のシンセティックRが発売され、価格的にもそれほど変らなかった 為にオイル交換の際に入れてみたが、なんと鳴き出した音が周期的 ではなく連続音に変ってしまうと言う現象が出た。 そのまま使用してみたのだが毎回連続音が発生する様になり、そ れだけでなく暖機の時だけに鳴きが発生していた物が今度は走行中 の特定エンジン回転数の時にも必ずと言って良いほど鳴きが発生し てしまう様になってしまった時期があった。 その時にはエンジンオイルを以前から使用していたミニターボに 戻す事で走行中の特定回転数での鳴きは無くなったが、やはり寒冷 時の暖機運転では鳴きが発生していた。 それでは粘土が高ければよいのかと言うとそうでもなく、以前ま だレガシーが来る前にはGT−Rが4缶だけでは足りなかった為に セルボモードにも同じオイルを入れて、余った1リットルをGT− Rへ補充していた。 この時にGT−Rで使用していたのが左図にあるバービスレーシ ングで、粘土表記が10Wと下の方がセルボモードと同じだった為 に使用してみたが、なんと1気筒死んでいるかの様にドッドッドッ とアイドリングが落ち着かず、1〜2分待ってみたがあまりの不調 に直ぐにターボミニを買いに行き交換した事もあった。 現在では右図にある同じ粘土のバービススティンガーを使用して いるが、下図の40℃の粘土や粘土指数を見てもバービスレーシン グとほぼ同じな為に、おそらくこちらを使用したとしても同じ結果 になるだろう。 この事からも粘土の高いオイルは使用できず、逆に粘土の低い物 を使用すると連続で鳴き出してしまうと言う事が上記の結果からわ かったのだが、本来は鳴き出す原因を特定して対策しないといけな いだろう。 ◆どこに子犬が住み着いているか 暖機運転の度にどこから出てくる音なのかを探してみるのだが、 エンジンを下ろした状態ででもないと上部からだけの判断となって しまうのだが、耳を近づけて聞いているとどうやらタイミングベル トカバー側の音が極端に大きい事がわかる。 そんな事もありタイミングベルトのテンショナー用アイドラ2個 やウォータポンプも交換してもらったが変らず、残るはカムやクラ ンクシャフトのシール部分やオイルポンプ自体等が考えられる。 その後にオルタネータも交換しているがはやり変らず、エンジン オイルで極端に音が変る事からも、エアコンのコンプレッサー等の 外部の回転物ではない様に思える。 もしもラッシュアジャスターを交換するとなると、下図の様にカ ムシャフトの下に取り付けられている事から、シリンダーヘッドを 取り外さないまでにも大変な作業になってしまう。 その為にラッシュアジャスターを交換するのならば、一緒にバル ブスプリングやリフター部分等も全て交換した方が良いだろう。 ◆フラッシングを考える エンジンを全て分解して気になる部分を全て交換すれば直るのだ ろうが、自分で少しずつでも行うのであれば別なのだが、これらを お願いするとエンジンアッセンブリを購入した方が安上がりになっ てしまうかも知れない。(部品単品組み合わせ約70万前後) なぜ異音が出るのかを考えるに、回転部分等であればエンジンオ イルが回り込んでいればそう異音が出る事はなく、どこかオイルの 循環経路でつまっている部分があるのかどうかだが、それであれば 既にハッキリと現象が現れるはずなのだが、ここ5年ぐらいは同じ 現象で良くも悪くも現象が落ち着いたり進行したりする事も無い様 である。 この車両は1週間に1回程度とかなり使用頻度が少ない事もあり 、もしかするとエンジンオイルがどこかで流れず溜まっている部分 が固まってしまっている事を予想し、一度エンジン内のフラッシン グを行ってみる事にした。 その為に今回のフラッシング作業は賭けの様なもので、運が良け れば異音がしばらくの間でも取れない物かと期待しているが、とに かくやるからには徹底して時間をかけて汚れを取る方向で検討し、 規定の方法よりも更に多めに時間をかける事にする。 エンジンオイルはエンジン内部だけでなく、下図の様にオイルエ レメントの付け根にある水冷式オイルクーラーや、タービンの軸受 け部分等にも循環されている為に、これらの部分につまってしまう と最悪であるが、時間をかけてフラッシングする事で少しでも綺麗 になる事を期待する。 ◆フラッシング液を用意する フラッシング液はエンジンオイルに混ぜて行うタイプもある様だ が、結局エンジンオイルが入っているのであれば効き目が弱く感じ られ、やはり全でフラッシング液にして行った方が高い効果が期待 できより綺麗になるだろう。 そこで今回用意したフラッシング液は右図の様な物で、以前から エンジンオイルでお世話になっているBP製の物を用意した。 そしてこのフラッシング液をベースにして、フラッシング2回と エンジンオイル交換も2回行う為に下図の様に2セット用意した。 当然であるが下図の様にオイルエレメントも毎回交換できる様に 4個用意したが、オイルエレメントのフィルター部分には結構オイ ルが浸み込んでいる為に、できるだけフラッシングオイルだけにな る様に必ず交換する事をお薦めする。 また、フラッシングオイルの説明には抜き取った後も残らない為 にオイルと入れ換えれば直ぐに使える様に書いてあるのだが、やは り抜け切らない部分が多々あると思われる為に、今回は念には念を 入れてエンジンオイルを2回交換して、少しでも残ったフラッシン グ液が薄まる様にしている。 ◆フラッシング実施 エンジンオイルを抜き取る際には簡単だからとオイルゲージあた りから吸い上げるタイプで抜き取るとどうしてもオイルが残ってし まう事から、必ずオイルパンにあるドレンボルトを取り外してオイ ルを抜く様にする他に、車両によってはジャッキアップ等も下ろさ ないと抜け難い車両もある為に、オイルパンの形状とドレンボルト の位置を確認しながら抜き取る様にする。 そしてドレンボルト部分からオイルを抜く際には、最後の方がポ タポタとなってくる間でもできるだけ長く放置しておき、少しでも オイルを多く抜き取る様にする。 同様にオイルエレメントも取り外すとオイルが流れ出てくるが、 この場合には直ぐに新しいオイルエレメントを取り付けず、ドレン ボルト部分と同様にできるだけオイルを抜き取ってから新しいオイ ルエレメントを取り付けた方が良いだろう。 もしかすると、フラッシングオイルでの走行はしない様にと書い てある為に、エンジンが冷えた状態からだとアイドリングが高い為 に一旦暖機運転する様に記載してあるのかも知れない。 そんな事もあり、できるだけ暖機運転が短くなる様にと暖かい季 節まで交換を控えていたが、今年は5月といえど30度近い気温に なる事もあり、今回は車庫内が16度程度の気温の中で作業を行っ たが、アイドル時間が長いと熱がこもる事もあり、逆にあまり暑い 時に行うのも良くないかも知れない。 フラッシング作業手順は以下で詳細を説明するが、最初だけ水温 計が上昇して電動ファンが動作してから、後は一定間隔でアイドリ ングさせる様にしてみた。 ◆フラッシングメニュー フラッシング液の説明には交換後5分間アイドリングしてエンジ ンオイルに交換するとあるが、これだけの時間でどれだけの汚れが 落ちるのかは疑問であった為に以下のメニューで行った。 ただ、5分に対して連続で30分も60分も回し続けるのは冷却 的な問題があると思われ、丁度リモコンエンジンスタータの自動停 止時間が最低で15分だった事もあり、1回のエンジン回転時間を 15分としたメニューになっておりこれで実施した。 更に、冷却の為のエンジン停止時間もあまり冷やし過ぎてフラッ シング液に入っているコーティング材が定着して汚れをコーティン グしてしまわない様に、約45分間の停止で水温計がエンジン始動 と共に直ぐに上がる温度のままで繰り返した。 結果、古いオイルからフラッシング液に交換してから3回のエン ジン回転を繰り返し、更にフラッシング液を交換してから4回のエ ンジン回転を繰り返した。 その後、エンジンオイルに交換してから再びアイドリングし、念 を入れてもう一度新しいオイルに交換しているが、一晩おいて次の 日の朝にエンジンを始動してみると、以前であれば元気に子犬が迎 えてくれていたのだが、もう子犬はどこにもいなくなっていた。 これはフラッシングにより今までつまっていた部分が開通した為 に直ったからなのか、フラッシング液のコーディング材による物な のかは不明だが、このまましばらく使用して状況を見てみる事にし た。 メインに戻る 車両関係に戻る セルボモードメニューに戻る オーバーホールメニューに戻る 第六段メニューに戻る |