ついに冷却水が漏れ出す!


◆ある日、突然・・・
 ある日、車庫に工具を取りに入ってみるとセルボモードの前に 何やら水の様な物が溜まっており、前日の大雨で車庫のシャッタ ーの隙間からでも雨漏りしたのかと思っていた。
 しかし近寄ってみるとどうもうす緑色の色が付いている感じが した為に、セルボモードの真上にある蛍光灯を点けてみると明ら かに緑色した液体であった。
 実際に発見した時には左下図の様にセルボモードから多少離れ た部分に溜まっていた為にまさかと思ったが、ラジエータキャッ プを取り外してみると冷却水が全く見えないまでに減っていた。
 更に冷却水用のリザーブタンク内を見てみると、なんと右図の 様に底に少しは残っていたもののしっかり全て吸い出されて冷却 水が無くなっていた。
 いったいどこから漏れ出したものか、とりあえずラジエータキ ャップから水を入れてみると、左上図の様に洗面器を置いた部分 からボタボタと漏れ出したが、漏れると言うよりはどこかホース が外れてしまったのではないかと思う位に漏れ出してくる。

◆漏れの場所を特定する
 漏れ出した位置がナンバープレートの位置である事から、真っ 先に漏れ出す場所が思い浮かび、とりあえず漏れている場所を特 定して補修する必要があった。
 尚、作業を急ぐ為に画像を撮影していなかった事もあり、ここ から使用している画像は以前行った オーバーホール第一段 オーバーホール第二段 で作業した際の画像を使用している。
 早速フロントバンパーを取り外してみて確認してみるが、案の 定思っていた場所が的中した。
 それが右上図にある赤い矢印で示したホースで、この状態で再 びラジエータに水を入れてみると漏れると言うよりは流れ出して しまっている感じであった。
 丁度、今後のオーバーホールの参考にする為にハデに分解の際 にはスズキのディーラより連絡してもらい毎回撮影しに出向いて いたのだが、その際にこの部分を含めたホースの変形が気になり 次回交換すると言った話をしていた。
 考えてみればこの部分は凄い過酷な環境下であり、ホースの真 上はエキゾーストマニホールドがあり、その手前にはタービンが 覆い被さる様に取り付けられ、右側を見ればタービンに直結され た触媒が配置されている。
 これではいくら手前方向がバンパーで風を取り込めると言って も、周囲が排気熱で500度以上になるかどうかと言う高温で熱 せられているのではどうしようもないのだろう。
 更にこの部分のホースは右上図でもわかる様にオイルエレメン トの受けになる水冷オイルクーラー用の配管で、何故かこのホー スだけは短い部分にS字型に変形して取り付けてある。
 ホースには厚紙にアルミを巻き付けた様な材質の遮熱用ジャバ ラホースが通してあるが、変形させられた上に高温と言う事でホ ースも耐え切れなかったのだろう。
 そして取り外すにもS字になっている為かなかなか取り外せず 、引っぱってみると左上図の様に簡単に切れてしまうほど劣化し ていた。
 その切れたホースを見ると左上図の様に5mm程度の亀裂が入 っており、おそらくこの部分から水漏れを起こしていたのだろう が、ホースを引っぱっただけで切れてしまった事からも、もしか するともっと別の部分にも亀裂がありその部分から切れてしまっ たと言う事も考えられるだろう。
 更に左上図のホースを見てもらうとわかるが、本来は図の左側 のホースバンドで留められていた太さのホースであったが、S字 に変形させられ続けた事により亀裂の入った部分ではホースがか なり太った様になってしまっている。
 同様に、右上図の今回亀裂の入ったホースの左側にあるホース 付け根を見てみると、どうやらこちらの方も多少太っているのか 変形している様である。

◆周辺も調べてみる
 その周辺を見てみると下図の様にゴム製のホースで接続してあ る部分が多くある事がわかる。
 今回の見ず漏れ事故をキッカケに、この際に全てのホース類を 交換する事にするが、燃料関係のホースは以前の オーバーホール第一段 で実施している事から、今回は冷却水とオイル関係のホースを中 心に探し出して交換の対象とする。
 その際にはゴムホースだけでなく上図でもわかる様に部分的に 遮熱ホース等も取り付けられている部分もある事から、これらの 場合には遮熱ホース等の保護材も全て交換する事にする。
 そして当然であるが、ホースの先端についているホースクリッ プは、長年の熱により締め付けが緩くなっているおそれがある為 に、これらのクリップ類も全て交換する事にする。
 また右上図に見えるゴムホースが取り付けてある金属製の配管 もついでに交換してしまうが、左下図の様に金属同士の接合部分 にはゴムパッキン等が使用されている可能性がある為に、その際 には必ず一緒に交換する必要があるだろう。
 水周りの大元である部分が上左図の部分で、この部分には温度 調節のサーモがありラジエータへと接続されている他に、室内に 暖房用として冷却水を分岐してある。
 このサーモが壊れるケースもよく聞く事もあり、ホースのつい でにこのサーモを中心とした部分も全て交換してしまう事にし、 この部分にある水温関係のセンサー等も全て一緒に交換してしま う事にするが、センサーついでにスロットルポジションセンサー 等も交換する事にする。


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オーバーホール 第七段 水ホース

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