スズキ アルトワークス RS-Z(HB21S)
古いエンジンについて

◆エンジンが下りる
 車を入庫してから1週間半程して連絡が入り、古いエンジンが 下りたと言う事で行ってみた。
 すると下図の様にエンジンは以前セルボモードのエンジンを下 ろした時と同じ様にメンバに乗ったままで下ろされており、やは りこの下ろし方が安定していて良い様である。
 今回のエンジンはKSS製のリビルトエンジンを使用した事と 、タービンやオルタネータにセルモーターを全てリビルト品と言 う事で、リサイクルと言う点では良い事だろう。
 しかし、その他の補器類はサージタンクとスロットルボディハ ウジング以外は全て新品部品を使用した事から、かなりの廃棄品 が出てしまう事だろう。

◆エキゾースト側
 まずは下ろしたエンジンのエキゾースト側を見てみるが、左下 図の様に通常ボンネットフードを開けるとラジエータ側に見える のがこの部分となっている。
 こちらには右上図の様にエキゾーストマニホールドにタービン が取り付けてあり、25万キロを使用したタービンと言う事にな るが、鋳物の錆はしょうがないがこれだけ使用していると内部は ボロボロになっていて肉厚が薄くなっているかも知れない。
 また一番心配なのがタービンのブレードがどれだけ破損してい るかであるが、今回はまだタービンは取り外されていなかった為 に確認はできないが25万キロでは限界だろう。
 それと同様に過給圧制御用の排気バイパスアクチュエータのバ ネレートがどうなのか、それ以上にバルブ部分の動作や破損も心 配な所で、今回はリビルト品で交換する事にした。
 更に、タービンシャフトの冷却用の接続されているフランジ付 き配管自体がボロボロになっており、チョッと触ると折れそうな 感じになってしまっており、熱がかかる為にこの様な状態になっ てしまうのだろうが、もちろんこの部分は全て新品部品での交換 を依頼している。
 エキゾースト側を見る限りでは左上図の様にカムカバー自体か らのオイル漏れがひどく、全体的にオイルがにじみ出てきており おそらくガスケット等は25万キロ無交換なのだろう。
 更に右上図の様に下側を見てみてもオイルにじみがひどく、オ イルパンの下まで完全にオイルが流れ出ており、右上図の中央に 丸く見える水冷オイルクーラーまでもが全体的にしみている。
 そして右上図のファンベルト側にある油圧スイッチなのかセン サーがあるが、これには線材までもオイルがにじんだ他にホコリ が付いて固まってしまっているのがわかるだろう。
 そして左上図が排気バイパスアクチュエータ側を拡大した図で あるが、このアクチュエータは純正部品でこれだけを購入する事 はできずタービンとセット販売になっている事から15万と高価 で、今回はリビルト品でほぼ半額の8万円位で入手している。
 この排気バイパスアクチュエータの動作次第でエンジンのレス ポンスが決まってしまう為に、走行距離が少なければこの部分の 交換だけでも有効だろう。
 特にバネが縮まっている若干排気ぎみで加速が悪く、夏場の暑 い時には排気側に抜け易くなってしまう事から、本来はEVC等 の過給圧コントローラを使用するのが望ましい。
 また、右上図の様にタービンのコンプレッサー側は配管を外し てあった為にブレードが見えていたが、2枚羽タイプでこれだと タービンの音が結構聞こえるタイプになっている。
 タービンには石川島播磨のIHI製と日立製の2種類があるが 、純正部品ではどちらも16,1000円で今回はリビルト品を 使用している為にどちらになっているかは不明である。
 コンプレッサーは意外と綺麗であるが、配管の途中には黒いオ イルが溜まっている事から、ブローバイガスの戻りがある為にこ れはしょうがないのだろう。
 うまいタイミングでエキゾースト側のタービンの画像を紹介で きればいいが、時々様子を見に行っては分解・組み付け作業の様 子を撮影してくるつもりではいるが、これだけのオイルにじみの 為かマフラーからは白煙こそ噴かないもののすすが多く出ていた 事から、触媒等にすすが多く溜まってしまっている可能性が大き く、社外品マフラーで音もうるさくボロボロだった事もあり、エ キゾーストマニホールドからマフラーの出口まで全て純正の新品 部品で交換する様に依頼した為に、作業はしばらく保留と言う事 になり車両は現在作業場ではなく倉庫に入っている。

◆インテーク側
 左下図がインテーク側で通常はフロントガラス側に向いている 為に、この部分に関してはエンジンを下ろさないと絶対に見えな い部分となっている。
 その為に、この面に取り付けられている部品を交換する際には 必ずと言って良いほどエンジンを下ろす必要がある為に、エンジ ンを下ろす予定があれば一緒に交換しておくと良いだろう。
 右上図がサージタンクであるが、今回は内部を洗浄してもらっ てそのまま再利用するが、新品で購入しても35,000円だが 今回は部品代だけでも90万を越えている為に再利用してみた。
 しかし、鋳物である事もあり以前F6AのワゴンRの際には新 車で購入して数年後にサージタンクにヒビが入っていたと言う事 もある為に、エンジンを下ろした際に倒れた際にヒビが入った物 かどうかは不明であるが、十分に注意して確認してもらう様にし た方が良いだろう。
 左上図はスロットルボディハウジング周辺であるが、青く見え る物がスロットルセンサーで、今回はこのセンサーは交換する事 にしており、やはり25万キロも走っているとセンサーの接点不 良やアイドルスイッチの誤検出等も考慮して交換しておく。
 右上図はスロットルボディハウジングの後に付いている配管部 分であるが、おそらくアイドルアップ制御関係のバルブとアクチ ュエータでないかと思われるが、今回はこの辺は配管にバルブと アクチュエータも全て新品部品に交換する様にしている。
 左上図はサージタンクでスロットルボディハウジングが取り付 けられていた部分とは反対側で、この部分には吸気温センサーや フューエルレギュレータ等が見えている。
 そして右上図がフューエルインジェクターとそれらを接続して いるデリバリパイプであるが、25万キロと言う事でインジェク ターの動作も怪しい所もあり、マフラーと同時にインジェクター 3本とデリバリーパイプやフューエルレギュレター等、全てを交 換してもらう様にし、更にインジェクター周辺にあるハーネスも 油まみれになっている為に、中継コネクターで部分的に交換でき るエンジン周辺のハーネスは交換してもらう様に依頼した。
 サージタンクの下部は左上図の様に漏れたエンジンオイルがに じみ上がってきており、この部分も綺麗に洗浄してもらう様にし たが、もちろんガスケットやサージタンクを固定しているスタッ ドボルトやナット等も新品で交換してもらう様にしている。
 幸いにもオルタネータやセルモーターへエンジンオイルのにじ みが無いだけ良かったが、おそらくここまでにじんで来ていれば 既に廃車にされていたのかも知れない。
 また、右上図の様にオイルパンまでオイルのにじみがあるが、 ここまであちこちからオイルのにじみがあると、オイルパンのつ なぎ目から漏れているのかどうかはわからないだろう。
 そして左上図がバッテリー充電用の発電機であるオルタネータ で、右上図がエンジンを始動するセルモーターであり、現在のと ころは元気そうではあるが、25万キロ無交換かどうかは不明だ が交換してなければ限界だろう。
 セルボモードではどちらも新品部品で交換したが、今回はかな り広範囲の高額になってしまった為に、エンジンやタービンと同 様にリビルト品を使用してみる事にした。
 ちなみにオルタネータは純正品で52,500円がリビルト品 で2.5万円弱で、セルモータは純正品で41,400円がリビ ルト品で1.3万円弱と半額以下である。

◆エンジン正面
 左下図がエンジンの正面であるが、通常は車両に搭載されると 運転席側の右タイヤ側に向いていおり、セルボモードと違い左側 に見えるオイルレベルゲージがフロントバンパー側から見て奥側 に設置されているが、マフラーやインジェクターの交換ついでに このオイルレベルゲージも全て新品部品に交換する事にした。
 ファンベルトは右図の様に1本でクランクプーリからウォータ ポンプとオルタネータを回転させているが、この他にクランクプ ーリからはエアコンのコンプレッサーにかかるベルトがある。
 今回はリビルトエンジン自体に新しいウォータポンプのプーリ が取り付けてあり、オルタネータもリビルト品の為にプーリ込み と思われる為に、クランクプーリも新品部品に交換する。
 当然ベルト類も全て新品に交換するが、意外と音を立てていて も交換する人が少ない様であるが、せめて2〜3回に1回の割合 の車検で交換した方が良く、今回の車両もセルボモードと同様に 車検毎に交換する様にする。

◆ミッション側
 左下図がミッション側から見た部分で、通常はエンジンを搭載 すると助手席側である左タイヤ側になるが、この上にはバッテリ ー等が搭載される為に通常はよく見えないだろう。
 このミッションは13万キロで一旦故障した為に交換したミッ ションらしく、乗った感じでは走行中に戻って外れる様子もなく 、ギヤの入り切りは軽く調子良い様に思える。
 しかし13万キロで壊れた事を考えると、現在25万キロを丁 度超えたところの為に、以前壊れた13万キロに近い走行距離に なっていると言う事になる。
 その為にミッションもリビルト品で交換するかどうかを検討中 である。
 今回の車両は4WDの為にミッションだけでなくトランスファ ーものっており、右上図の様に右端にはプロペラシャフトが接続 される部分が確認できるだろう。
 その為に普通の5MTミッションよりは高価と思われるが、や はりミッションだけでも13万キロと言う事で、今回のリビルト メーカであるKSSに問い合わせてみる事にする。
 左上図はミッションから出るフロント左側のドライブシャフト が入る部分で、右上図がフロント右側のドライブシャフトが入る 部分であるが、右上図はエンジンからのオイルにじみなのかどう かだが、左上図では明らかにこの部分から若干ではあるがオイル がにじみ出ている感じがある。
 この程度であれば気にする程でもないのかも知れないが、どち らかと言うと13万キロと言う事からミッション自体のギヤやシ ンクロ関係の方が心配になってくる。
 左上図がリア駆動用のプロペラシャフトが取り付く側で、ミッ ションを交換した際にリビルト品でこのフランジ部分が付属する のかどうかも確認しておく必要があるだろう。
 そしてミッションの真上には右上図の様にインタークーラーが あるが、今回はインタークーラーも洗浄後に再利用するが、その 下部にあるディストリビュータ関係は全て交換する。
 プラグコードもNGKの青いプラグコードに変えてある様だが 、いつから使用したのかも不明な事と少なくとも2人目のユーザ ーが5万キロ以上使用した事もあり、今回はプラグコードも一旦 純正品を使用しておき、時期を見て永井電子製のシリコンプラグ コードに変更する予定である。
 そして左上図がラジエータに接続されている配管のサーモ部分 であるが、ただの水を使用していた事から何度も水を入れ換えて はエンジンをかけて洗浄したのにも関わらず、左上図の様に配管 無いにはかなりの汚泥物が残っているのがわかるだろう。
 今回はラジェータも含め全部交換するが、残念ながら室内にあ る暖房用のコアの交換を断られてしまった為にそのまま利用する が、左上図の様な物を見てしまうと交換したいところではある。
 そして右上図がサーも部分の背面にあるカムカバーから漏れ出 しているオイルの状況で、ここの周辺は一番オイルもれがひどく 全体的にもれた部分に砂埃等が付着している様である。
 左上図はインタークーラーの横に付いているバルブであるが、 エアバイパスバルブでタービンの前後をバイパスしている様であ るが、過給圧2段切換と言う様な感じでは無い様である。
 この辺のバルブや配管も全て新品部品との交換を依頼している 。
 右上図はミッションのクラッチから出てくるワイヤーをかける 部分と思われるが、結構錆びておりこれらは新品のワイヤーと共 に全てミッション内部のクラッチレリーズ機構も全て交換する依 頼をしている為に新しい物となる。

◆エンジンマウント
 以前、セルボモードのエンジン関係部品を交換依頼の際に、エ ンジンマウントのブッシュ関係が破損していたと言う事もあり、 今回はそれらのブッシュ関係も全て交換する事にした。
 交換部分はブッシュが取り付けてある側の板金とその固定ネジ のみとしたが、上図や下図を見る限りでは全てを交換したい感じ がしてくるが、錆具合から見てもメンバ自体も含めた交換を行っ た方が良い様な気もする。
 左上図はエキゾースト側のエンジンマウントで、ラジエータ側 に向いている事もありフロントグリル等から入る雨水などで錆び 方が激しいものと思われる。
 その側面が右上図であるが、直接雨水等が当たらない事もあっ てか意外と錆びておらず、この程度で済んでくれていれば良いが 、積雪地帯では凍結防止剤の為に冬は錆びやすい事もあって、こ のままでは錆が拡大するのも時間の問題だろう。
 更に左上図はエキゾースト側のエンジンマウントを真上から見 たところで、意外とエキゾーストマニホールドが近い為に乾燥し 易いのかも知れず、逆に熱にさらされて錆びる可能性もある。
 そして右上図がインテーク側のエンジンマウントで、直接雨水 が当たらない為か意外と錆が少なく、汚れなども少ない事から大 丈夫そうに見えるが、エンジン側に取り付けられているエンジン マウントの色と比べて見てもらうとわかる様に、やはり25万キ ロ走っただけのしっかりとした錆が出ているのがわかるだろう。
 左上図はミッション側から見た全体で、手前に見えるのはエン ジンのオイルパンの様な感じでミッションの端にカバーが取り付 けてあるが、右上図を見てもわかる様にこの部分からのオイル漏 れは無い様である。
 また右上図の下側にはミッション側からエンジンを固定するマ ウントがあり、この部分に関してはほぼ全て新品部品との交換に なる様に依頼していた。


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