HONDA SNOWLA HS970(K2)
オーガハウジングの破損


◆除雪場所の問題
 除雪場所は主に自宅の周辺なのだが、道路とは違い左下図の様に 全て砕石を敷いただけの為に、どうしてもこれらを巻き込んで雪と 一緒に吹き飛ばしてしまう事になる。
 この除雪機は雪をかき込んで飛ばす為に砕石を巻き込む可能性は 少ないのだが、実際には走行させると除雪する場所が平坦ではなく 雪の硬い所と柔らかい所がある為に除雪機が上下し深く掘り過ぎて 砕石を巻き込むケースがほとんどである。
 その為に、右上図の様に中央下部でキャタピラの先端部分に若干 ボコボコになっているのがわかると思うが、この様に砕石を飛ばし てしまうと板金に砕石が当たった突起が付いてしまう。
 これらの為に下図の様にオーガで巻き込んだ雪を吹き飛ばす為の ブロアーには、主にフィンの外周に多くの傷と面取りをしたかの様 な削れた跡が付いている。
 それよりもひどいのがブロアーの周囲にあるオーガハウジングは 赤い塗装が全てはがれサビているのがわかると思うが、砕石の混じ った雪はブロアーでこの部分に押し付け引っ掻き回してからシュー タに送り込まれる為に、板金自体が擦れて減り薄くなってしまっ ている。
 更に自宅周辺は砕石の問題だけではなく、下図の様に花壇の様な 敷石やブロック等が敷かれている部分もあり、石油タンクの設置部 分や裏口の出入り口とプロパンガスのボンベ置き場は図の様にコン クリート製の突起が多数出ている。
 花壇部分には雪が降る前に細い棒を立ててもらう場合もあるが、 忘れていた年に限って一気に雪が降り積もる事もあり、その場合に は気を付けていても必ずと言って良いほどぶつけてしまう事がある 為に、どうしても除雪機の変形や破損につながってしまう。
 特にオーガは最初に当たる部分で、過負荷防止用のボルトが折れ て保護する機構が付いているものの、右下図の様にオーが自体が折 れ曲がってしまう部分もある。
 しかしオーガの傷のほとんどは砕石によるもので、ガクンとオー ガが下がり深堀してしまった際には、除雪ではなく完全に砕石だけ を飛ばしてしまう事もある為に、下図のオーガ外周にある山切り部 分は全てが粗いヤスリで梳ったかの様な傷が付いてしまっている。
 また、庭石や若干高い花壇のブロックに引っ掛けてしまうと、当 たり具合によってはオーガハウジング自体が変形してしまう場合も あり、下図の様にオーガハウジングの側板上部部分の溶接接合箇所 に隙間ができてしまう部分も出てくる。
 これはオーガハウジングの側板を正面から当ててしまった場合に 起こったもので、実際にはオーガハウジングの全体的な変形となっ てしまい、右下図の様に上部にある樹脂製のモーターカバーがオー ガハウジングに対して平行にならなくなってしまい、モーターカバ ーを取り付ける為のセッティングスクリュも変形の為に外れて飛ば され無くなっていた。
 この様に除雪機で自宅周辺を除雪する場合には砕石のままでは除 雪機へのダメージが大きく、できればアスファルトやコンクリート 等で平らになる様にしておいた方が良いだろう。
 特に浸透式のアスファルトを敷けば、地面の中の方が多少温度が 高い為に雪が溶け易く、また水が浸透する為に溜まらない事からも 路面凍結の可能性が低くなり、除雪もし易く歩行中の凍結による転 倒の心配も低くなるだろう。
 実際、別ページにある 3台収納用変形車庫 の車庫周辺には浸透式のアスファルトを敷いてあるが、屋根から落 ちて固まった雪はかなり硬くなるのだが、アスファルト面は多少日 が差してくると溶け易く、浸透式は面でなく隙間が多い為に凍って も強く貼り付く事は少ない様である。

◆予想外のトラブル
 おそらくアスファルト面の除雪だけであれば、左下図の様に新品 の時の綺麗な状態を保てると思われるが、砕石の場所だけの為に年 々傷が多くなり、ブロアー周辺のオーガハウジングもいつ穴が開い てしまうのかと言う状態で毎年使用していた。
 そんな最中、6年目の正月休み明けに予想もしない事が起こった 。
 いつもの様に除雪をしていた所、突然ゴンと音がして雪が飛ばな くなってしまい、オーガを見てみると片方が回転しなくなりボルト が折れた様であったが、よく見てみると右下図の手前側にある様に トヨが挟まっており幸いにもこれを潰しただけで保護ボルトが折れ て停止した様であった。
 しかし、保護ボルトを交換して再び除雪をしてまもなく、またボ ルトが折れてしまいオーガを見てみるとまた片方だけが回らない状 態であったが、オーガを回転すると何やらバリバリと音がする為に 調べてみると、今度はボルトが折れていないオーガが右上図の上側 にあるトヨを完全にオーガ自体に巻き付く様に巻き込んでしまって いた。
 再び保護ボルトを交換して除雪を行ったのだが、何かしら若干雪 の飛びが悪い気がしたのだが、最初は積雪だけの部分と屋根から落 ちた所の雪質かと思っていた。
 そして屋根から落ちた部分を除雪していると何やら左側のキャタ ピラ部分当たりから若干雪が吹き出してくる気配がしたが、雪質に より出たり出なかったりしていた為にしばらく気がつかなかったが 、ある時に何気なく大量に出始めた為によく見てみると明らかにオ ーガハウジング部分から雪が吹き出していた。
 そしてよく調べてみると上図の様にブロアー部分のオーガハウジ ングが結構大きく穴が開いており、この部分からブロアーで飛ばし た雪が吹き出ていた様である。
 開いた穴が縦に長く裂けた様になっている為に、これは砕石で開 いた穴ではなくおそらく2回目のトヨが絡み付いた時に、完全に巻 き込んだ際にブロアー部分まで入り込み、砕石で擦れ薄くなってい た部分にトヨがブロアーでオーガハウジングに押し付けられて裂け たものなのだろう。
 オーガハウジングを内側から見てみると、左上図の様に特に傷と サビがひどい部分が破れており、おそらく丁度傷が少ない部分から はシュータの固定部分が溶接されている事から丈夫になっており、 幸いにもこの部分だけ裂ける事で済んだ様である。
 トヨが柔らかいと言う事もあってか、オーガ部分には極端な変形 は無く、オーガハウジング全体的な変形もあまりなかった様に思え るが、既にある程度の変形をしてしまっている為に交換の際には軸 受け関係等の異常磨耗も考慮に入れて部品を選定する必要があるだ ろう。

◆今年は交換する事に
 砕石を巻き込んだ現象だけであれば擦れて削れるだけと、ひどく とも砕石が飛び出そうとした小さな穴程度だろうと思い、あと数年 は十分持つ予定でいたのだが、まさかトヨが2回も絡みついた上に オーガハウジングが裂けて穴が開いてしまうとは全くの想定外であ った。
 とりあえず今年はこのまま使用し、暖かくなってから部品を交換 する事にする。
 破れた部分で折り返された部分は多少変形させて漏れを少なく無 したが、あまり極端に変形させてしまうと強度が弱くなってしまう 事や、溶接機でも持っていれば別だが下手にネジ止めや接着剤によ る当て板処理は、かえって外れる危険性があり壊れなくとも良い部 分まで壊れてしまう可能性がある為に絶対に行わない様にする。
 結果的にはフロント部分がほぼ全て交換となってしまいそうな気 がするのだが、オーガハウジングももう少し部分的に交換できる様 になっていればよく、特にブロアー周辺はもう少し板金強度も上げ この部分だけ交換できる様になっていれば安く済んだだろう。
 部品購入のついでには、右上図の様にエンジンに直接小型のマフ ラーが取り付けられているが、今回ここで紹介しているタイプはK 2で、最終型としてK3があるがこれでは角型のマフラーが使用さ れているのだが、これは形だけの違いではなくサイレンサーも大き いタイプが取り付けられている事もあり、もしかするとかなり静か になっている思われる。
 そこでK2とK3も同じエンジンだと思われる為に、エキゾース トマニホールドも込みで購入すれば取り付けられるのではないかと 言う事で、今回実際に購入してみて検討してみる。
 また本来はキャブレターの掃除も必要なのだが、価格によっては キャブレターごと交換した方が簡単で確実かも知れず、そして取り 外したものを掃除しておけば次回もまた交換だけで済む様になる為 に、キャブレターは1つ予備があっても良いかも知れない。
 更に、キャブレターにはメインジェットやメインノズル、フロー トバルブやパイロットスクリュと磨耗したり汚れる部分が多い為に 、これらの部品はキャブレター一式の他にも予備として数個ずつ持 っていた方が良いだろう。


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