HONDA SNOWLA HS970(K2)
走行ドライブベルトの交換


◆ベルトの取り外し
 オーガハウジングを取り外すと左下図の様にエンジンの前には 何も無くなり、下側に見えるプーリは走行用のミッションへと回 転を伝える為の物となっている。
 元々は右下図の様にオーガ回転用のベルトと2本かけられてい たが、オーガハウジング側にプーリがある為に左下図では走行用 のベルト1本だけとなっている。
 今回は6年位使用していた事もありベルト類の消耗が気になっ ていたが、減ってないにしてもゴム系のベルトは年数が経つと硬 化してボロボロになり易い事もあり、確認した時に大丈夫でも年 数が経ってくるといつ破損するかわからなくなる。
 その為に今回は走行用のベルトとオーガ用のベルト2本共に交 換する事にしていた為に、まずは以下より走行用のベルトを交換 する手順も説明している。
 走行用のベルトもエンジン側はオーガ用のプーリ径と同じな為 に、既にベルトストッパーも解除してある事から、エンジン側の ベルトは楽に外せるだろう。
 しかし、左上図の様に走行用プーリの下部を見てみると、この 部分にもロアベルトストッパが取り付けてあり、これを解除しな いと走行用ベルトが取り外せない様になっている。
 この事からも、オーガ用ベルトだけでなく走行用のベルト交換 も、事実上はオーガハウジングを取り外さないと交換できないと 言う事になるだろう。
 だが、下図の様にプーリの下にはわずかな隙間がある為に、除 雪機全体を持ち上げられれば下から何とかレンチを入れられそう ではあるものの、ベルトとベルトストッパとのクリアランス調整 も困難な為に、やはりオーガハウジングごと取り外して交換する 方が無難だろう。
 走行用のプーリ下部にあるベルトストッパには左上図の様に2 本のボルトがあり、これらを右上図の様にソケットレンチを使用 して取り外すが、ここでも多少奥ばった所にネジがある為にソケ ットレンチにはエクステンションバーが必要となる。
 ベルトストッパに取り付けてあるネジは2本共に完全には取り 外す必要は無く、ある程度緩めると左上図の様にベルトストッパ の手前部分が開いてくる為に、この隙間を利用して右上図の様に ベルトを引き出せば簡単に取り外せるだろう。
 後は左下図の様に左上側にあるテンション用アイドラ部分を避 けながら、右上図の様にエンジン側のプーリからベルトを外せば 完全に取り外した事となる。

◆ベルトについて
 ベルトについては以前除雪機を購入した直後にも予備で購入し ていた為に、今回はこれを使用して更に今回予備のベルトとして もう1セット購入してみた。
 その予備用として購入してあった物と今回購入した物を比較し てみると左下図の様に同じベルトが入荷したが、6年位使用する とさすがにベルトの背面が押されテンションがかけられている為 に、ブランド名が記載されていた部分はほとんど消えてしまって いる。
 また、右上図はオーガ用のベルトでありこの辺は後からも説明 するが、実際に使用されていた物は今回購入したものと同じ青い W800シリーズのベルトであったが、前回ホームセンターから 購入した時にはRED−S Uしか扱っていなかった為にこれを 用意していた。
 ベルトのサイズ的には何ら問題ないのだが、この2種類がどう 違うのかが気になった為にメーカーのホームページから調べた資 料が以下の様な感じであった。
BANDO 標準 レッド  
Vベルト Vベルト SU W800
伝動能力 100 150 300
逆曲寿命 100 450 1800
衝撃寿命 100 150 450
雰囲気温度 100 450 不明
70℃寿命
油付着による 100 380 不明
寿命
 この表からするとW800シリーズの方が耐久性があると言う 事であるが、おそらく走行系はミッションの方で減速している為 にベルトには負担がかからず、オーガの方はプーリ比だけで直接 回転させる為に耐久性のある物を使用しているのだろう。
 また、上図は走行用のベルトをプーリに当たる面から見た物だ が、奥の方が今回用意した新品のベルトで手前が今まで6年間使 用してきたベルトである。
 この様に比較してみてもあまり減った様子はわからないと思う が、よくベルトの側面を比較してみると手前側の方が点々と白い 糸の様な物が見えているのがわかるだろう。
 しかし、この時点ではまだまだ使えそうではあったが、突然の ベルト交換の際に慌ててオーガハウジングを取り外さなければな らない事を考えると、今回の様に分解したついでがあればベルト 類は交換しておいた方が無難であろう。

◆新しいベルトの取り付け
 ベルトを装着する際にはベルトはできるだけプーリの角等にこ すり付けない様にして装着する。
 これはベルト自体にチョッとした傷を付けても、回転と折り曲 げを繰り返すベルトでは、傷が広がる可能性があり耐久性が著し く低下してしまう為に注意して装着する。
 特に左上図の様にベルトストッパーとプーリが隣接している場 所等は注意して、ベルトをこすり付けない様に先にこの狭い部分 を通してから右上図の様にプーリへとかける様にする。
 そして左上図の様にもう一方のプーリの片側にベルトを入れ、 そこからプーリになぞる様にしてベルトをプーリにかけ、最後の 方は右上図の様に軽く押し込む程度で装着できる様にする。
 ベルトがプーリ全体にかかったならば、後は上図の様にロアベ ルトストッパを固定する。
 この部分にあるストッパに関しては調整する様な長穴にはなっ ていないと思われるが、調整できる範囲があればベルトとの隙間 を2〜3mm程度に調整すると良いだろう。
 ベルトを交換し終えたならば、左上図の様にブランド名が記載 されている部分をプーリ上部の見える位置に移動しておき、交換 した新品ベルトであることが一目でわかる様にしておく。
 これは次の日に作業が跨いだり、何人かで作業する際には確認 する際の手間を省き、うっかり交換し忘れてしまう事が無い様に する。
 また、右上図の様にプーリの他にクラッチとして使用されるベ ルトには横からテンション用のアイドラが当たるが、このアイド ラ部分にも上手くベルトがかかっている事を確認する。


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