HONDA SNOWLA HS970(K2)
K3マフラーの取り付け


◆パーツの準備
 マフラー交換の部品については別ページにある【 マフラー 】で詳しく説明しているが、K3のタイプを取り付ける事により もう少し静かになるのではないかと言う事で、左下図の様にK3 用のマフラーとその周辺部品を揃えてみた。
 それらを開封したものが右上図で、各パーツの組み立てに関し ては下図のイラストの様になっており、今回はエキゾーストマニ ホールドから全ての部品を用意してみた。


◆エンジン側ガスケットの取り付け
 エンジン側に取り付けるガスケットが以下の様なもので、K2 で使用されていたタイプとは違い、K3用のガスケットは完全な メタルタイプとなっている。
 左上図の様な梱包から取り出してみると、右上図の様なステン レスっぽい感じがかる物であるが、更に横から見ると下図の様に 5枚の薄い板が両端2箇所でリベット止めされた様な構造となっ ており、元々標準ラインでも使われている物なのか保守部品専用 なのかは不明である。
 このガスケットは上図の様に両サイドにあるリベットの頭と先 端がある以外は表裏の違いは無く、どちらから見ても右下図の様 に丸い穴周辺の溝は凹んでいる方になっている。
 その為に、今回は左上図の様にリベットの先端が出っ張ってい る方をエンジンのシリンダーヘッド側に向け、右図の様にその出 っ張ったリベットが丁度シリンダーヘッドのヒートシンク状のフ ィンの間に入る様に取り付けた。
 このエンジンの傾きであれば、丁度リベットが真っすぐ上下に 配置される様になる。

◆エキゾーストパイプの取り付け
 そしてエンジンに取り付けたガスケットに下図のエキゾースト マニホールドを取り付けるが、下図の様にエンジン側が2本の取 り付け穴に対して、マフラー側は3本の取り付け穴となっている 事からも、方向を間違えて取り付ける事は無いだろう。
 その2つ穴のフランジ側を左図の様にエンジン側から出ている スタッドボルトに挿し込むが、挿し込む際にスタッドボルトに傷 を付けてしまい、固定する為のナットが入らなくなってしまわな い様に気を付けて取り付ける。
 右上図の様にエキゾーストマニホールドがエンジン側に挿し込 まれても、手を離してしまうと不安定な為にナットを入れ込むま では脱落防止の為にも片手で支えておく様にする。

◆エキゾーストパイプの固定
 今回はエキゾーストマニホールド固定用のナットも左下図の様 に新品部品を用意したが、右下図の様に新旧のナットで色がかな り変わっているのがわかるだろう。
 他の部分では錆びていなければほとんどの場合は再利用できる ネジ類が多い中、エンジン周辺は熱がかかってしまう為にどうし ても焼けて錆びたり変形し易くなってしまう。
 それらの事からも、できればエンジン周辺で熱がかかってしま う部分だけでも、できるだけ新品のネジ類を使用しておいた方が 良いかも知れない。
 そして左下図の様にエキゾーストマニホールドが脱落し無い様 に仮止めでも早目にナットを取り付けておくと良く、両側のナッ ト共にある程度手で締め付けておく。
 この部分の締め付けについては右上図の様にトルクレンチを使 用して、メーカー指定の24N・m前後で締め付ける様にする。
 しかし、片側ずつ既定トルクまで何段階かに分けて締め付ける 様にし、ガスケットの変形が片側だけ極端に潰されてしまう様な 事が無い様にする。
 また、エンジンのシリンダーヘッド側は鋳物のアルミで柔らか い可能性もある事から、力任せに締め付けてしまうとエンジン側 に入り込んでいるスタッドボルト部分から亀裂が入ってしまう可 能性もある為にトルクレンチでトルク管理を行った方が良いだろ う。

◆マフラー側ガスケットの取り付け
 続いて今度はマフラー側を取り付けるが、下図がマフラー側に 取り付けるガスケットである。
 右上図の様にこちらのガスケットもメタル製かと思えば、裏側 を見てみると下図の様に従来から良く見るタイプの材質である。
 サービスマニュアルを見てもガスケットの取り付け方向は記載 されていないが、エキゾーストマニホールドのフラン地面が綺麗 に出ている事と、右上図の右下にある様に四角い突起が左下図の 様にフランジの端にピッタリと合う事からも、エキゾーストマニ ホールド側にメタルタイプ側を取り付けるのだろう。
 そして上図の様にエキゾーストマニホールドのフラン地面にあ る3つの穴と、ガスケットにある3つの穴位置を合わせておく様 にする。

◆マフラーの取り付け
 後は左下図の様にマフラー本体を近寄せて、エキゾーストマニ ホールドにある3つの穴とマフラー側から出ているスタッドボル トの合う位置を確認しておく様にする。
 そしてマフラー側から出ているスタッドボルトによりガスケッ ト自体を潰してしまわない様に気を付けて、右上図の様にしてエ キゾーストマニホールド側に挿し込む様にする。

◆マフラーの固定
 マフラーはエキゾーストマニホールドに乗る様になるが、それ でも手を離したままで接触すると脱落の可能性がある為に、ナッ トを使用して早めに固定する様にする。
 みのマフラー側に使用するナット類も左上図の様に新品の部品 を用意したが、このナットはエンジン側のエキゾーストマニホー ルドを固定している品番と全く同じ物である。
 マフラー側のスタッドボルトがどの様な構造で固定されている か不明であるが、このスタッドボルトが抜けてしまわない様に左 上図の様にこちらもトルクレンチを使用した方が良いだろう。
 しかし、右上図の様にシリンダーヘッド側ではソケットレンチ を使用できなくなってしまう事から、マフラーを固定してからエ ンジン側に取り付けた方が良かったのかも知れない。

◆スパークアレスタの取り付け
 そして下図にあるのがスパークアレスタと呼ばれる消音の為の パーツであるが、以前のK2タイプには無い為にマフラーの容量 が大きくなった以外にもこの部品の効果も期待できる。
 このスパークアレスタは右上図の出口付近だけの網かと思えば 、左下図の様に筒状になっている網が結構出っ張っている。
 その部分を右下図の様にマフラーへと挿し込む様にする。
 そしてスパークアレスタを完全に挿し込む前には、右上図の様 にマフラー側にある小さな穴と、スパークアレスタの根元にある 穴を合わせる様にして挿し込む様にする。
 その合わせた穴には専用のタッピングビスを挿し込み、左上図 の様にプラスドライバーを使用してしっかりと固定するが、ビス は右上図の様に完全に締め付けられるまで回し込む。
 しかし、スパークアレスタ側にはタップが立っているわけでは 無い為に、タッピングビスを無理矢理ねじ込む事になる為に、最 初は多少硬いがしっかり押し込みながら回し込めば、タップが立 った様になりあとは普通のネジと同じ様な感じで固定できるだろ う。

◆マフラープロテクタの取り付け
 以前のK2タイプのマフラープロテクタは上下2分割となって いたが、今回のK3タイプのものでは下図の様に一体物で丸型か ら角型に変更されている。
 このマフラープロテクタは右下図の様に丸く穴が開いた部分を マフラーのスパークアレスターを取り付けた側に向け、あとはた だ単にマフラーの上から被せるだけである。
 しかし、今回は左上図にある手前にU字型の溝が切られている 部分が、丁度U字型の丸みを帯びた部分から内側に45度程度折 り曲げられており、そのままではマフラーに当たり被せる事がで きなかった。
 この状態はサービスマニュアルにも記載が無く、このU字型の 部分がネジで固定されるわけでも無い為に、左上図の様に隣に見 える部分と同様に上から続く板金と同じ様に平らに引き伸ばした 状態でマフラーに覆い被せている。

◆エアクリーナの取り外し
 今回のK3タイプのマフラーは、丁度左下図にあるエアクリー ナボックス方向からも2箇所の固定箇所があり、左下図のスペー スでアングルドライバーを使用すれば固定できない事も無いが、 取り外しが簡単な為に一旦エアクリーナボックスを取り外してし まった方が普通のドライバーが使用できる様になる事からも絶対 的に作業性が良くなるだろう。
 エアクリーナボックスは左上図に見える上部にある蝶ネジを取 り外すだけで、後は右上図の様にただ持ち上げれば簡単に取り外 せる構造になっている。

◆マフラープロテクタの固定
 マフラープロテクターの固定は左下図の様に上部より2箇所と 、右下図の様にエアクリーナボックス側から2箇所のネジで固定 されるようになる。
 また、正面からは左下図の様に一回り大きなタッピングビスで 固定する様になるが、これらは全てタッピングビスでタップが立 てられていないマフラーの板金に固定している。
 このマフラープロテクタの固定には、一旦全てのビスを完全に 固定せずある程度絞め込んだ位置で止めておき、右上図の様にス パークアレスタとマフラープロテクターの円が揃う様にしてから 各ビスを固定すると良いだろう。

◆エアクリーナの取り付け
 以上でK3タイプマフラーの取り付けが完了した為に、先程取 り外したエアクリーナボックスを左図の様に元に戻しておき、右 下図の様に元々使用されていた蝶ネジを締め込んでおく。
 エアクリーナボックスを左上図の様に装着する際には、下側に ある金属製の受けとピッタリ合っている事を確認するが、上手く 入らず浮いていない事を確認する。

◆マフラー周辺の様子
 そして左下図にあるのがK3マフラーを取り付けた様子である が、以前のK2マフラーとは違いだいぶ大きくなり、燃料タンク と似た様な大きさとなっている。
 また、右上図の様に正面側にはあまり飛び出す事も無く、燃料 タンクよりも少し出ているものの、この程度であればモータカバ ーも問題なく装着できるだろう。
 更に、左上図の様に要所の干渉も上手く逃げてあり、右上図の 様にプラグ周辺も作業性がよくなる様にあいているが、元々あま りK2とK3に違いが無い事から問題なく取り付けられたのだろ う。


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