クラッチスイッチの解除方法 ◆クラッチスイッチ BH5レガシーでは1999年5月以降の車両でマニアルトランスミッション 搭載の全車に『クラッチスタートシステム』を採用している。 これは右図の様にクラッチペダル周辺に新たにスイッチを設け、このスイッチ によりクラッチを踏んでないとエンジンが始動できなくなるものである。 オートマチックトランスミッション搭載車ではパーキング【P】位置以外では エンジン始動ができない様にしてあるが、数年前まではマニアルトランスミッシ ョン搭載車ではどのメーカーも何も対策はされていなかった。 しかし、こう言ったシステムが導入されてしまうとリモコンエンジンスタータ 等が取り付けられなくなってしまう為に、今後メーカーの方にはマニアルトラン スミッション搭載車でも日産のR33型スカイラインと同様にニュートラルセン サーを搭載して欲しい所だ。 そうすればこのニュートラルスイッチにて 『M/T車での安全対策』 で紹介した方法によりマニアルトランスミッション搭載車でも安全にリモコンエ ンジンスタータを利用できる様になるだろう。 何でもそうなのだが、一般的に利用される可能性があるのであれば自分のメー カーで出していないからと言うのではなく、少しでも可能性があるのであればそ れらの対策をすべきであり、その方法とは禁止するのではなく安全に利用できる 物にすべきであり、これらはベースとなる車を作っているメーカの義務でもあろ う。 ただスイッチを付けて禁止し、それらを解除して利用した物に関しては一切責 任をおわないと言うのではなく、簡単に解除できてしまうのも問題であるが本当 の安全を考えるのであればもっとしっかりした対策をすべきである。 回路的にはセルモータを駆動しているリレーをイグニッションスイッチでON /OFFしている部分にクラッチスイッチを取り付けた単純なものだった為に、 このクラッチスイッチを回路的にいつもショートする方向にするだけで良い事が わかる。 更に、このクラッチスイッチには右図の様にスイッチから出ている線材がスイ ッチの周辺でコネクターとなっている。 このコネクターはホームセンターやカーショップで一般的に販売されている2 極のナイロンコネクターの為に、純正の配線を加工せずに市販品を利用したクラ ッチスイッチ解除コネクターを作成している。 ◆ジャンパーコネクターの作成 クラッチスイッチで使用されているコネクターは、右図にある様な物でホーム センターやカーショップなどで販売されているもので、今回使用した物は エーモン工業社製 の2極カプラーである。 この2極カプラーにはロック式の【1122】とロック無しの【M282】の 2種類があり、クラッチスイッチではロック式のコネクターを使用している事か らロック式の【1122】を使用している。 また、エーモン工業から販売されている物ではコネクターの色が1種類しかな く、ロック式の白いタイプがなかった為にロック式の黒いタイプを使用したが、 これらはコネクターの色が違うだけで利用する際には何ら問題が無い。 この2極コネクターには最大2.0゜の線材が使用できるが、あまり細い線材 を使用すると上手く圧着できず端子から線材が抜け出てきてしまったり、圧着し た部分から折れ易くなったりする為にできれば0.5゜か0.75゜以上が望ま しいだろう。 今回は最大の2.0゜を使用してみたが、クラッチスイッチにはそれほど電流 が流れるわけでもなく、純正の使用している線材からも0.75゜前後であれば 十分過ぎるだろう。 線材の先端は5mm程度外皮をむきコネクターに付属の端子を取り付けるが、 圧着には必ず左上の様な圧着工具を使用する様にする。 これは普通のペンチ等で圧着しても噛み込みが弱くすぐに線材が抜けてきてし まう可能性があり、また圧着ペンチにもギボシ端子等を圧着する工具と電工用の 圧着端子を圧着する工具とでは圧着具合が全く違う事から、必ずギボシ端子等を 圧着するタイプを使用する。 このペンチは上記コネクターと同じコーナーにあるハンドル部分が赤いタイプ の物を選択すれば間違いないと思われる。 線材を取り付けたコネクターの端子金具は、右上図の様にコネクターハウジン グの後ろから差し込むだけだが、コネクターハウジングをよく見ると差し込む部 分が中心でなくどちらかに寄っている事がわかる。 その為に線材を圧着して端子の先端と平らな方向を幅のせまい方に向けて差し 込む事になり、逆に差し込むと上手く入らない為に挿入の際には十分確認してか ら差し込む様にする。 今回はクラッチスイッチ信号をいつもショートしてしまう為のコネクターを製 作する為に、左図の様にただ単に端子同士を接続しただけのコネクターを製作し 車両側のコネクターに取り付ける様にする。 ◆クラッチスイッチの解除 上記で製作したコネクターをクラッチスイッチの代わりに取り付ける訳だが 、予めクラッチスイッチから出ているコネクターは取り外しておいて製作した コネクターが差し込める状態にしておく必要がある。 その際にはコネクターにあるロック機構を押しながらコネクターを抜く様に して、無理に線材を引っ張ったりロックが外れないままで引き抜くとコネクタ ーを破損したり線材がコネクターから抜けて来たりしてしまう恐れがある為に コネクターの扱いには十分注意して行う様にする。 そのクラッチスイッチから出ているコネクター(オス)と反対側のメスコネ クターに今回製作したダミーコネクターを取り付ける必要がある為に、ダミー のコネクターはオスコネクターで製作必要がある。 ダミーコネクターを取り付けたならば一度エンジンを始動してみるが、ここ でクラッチを踏まないでもエンジンがスタートすれば完成である。 もしもここでエンジンがスタートしない場合には、コネクターのオス・メス を間違えているか、もしくは圧着した部分がうまく圧着されておらず信号がコ ネクターを差し込まない時と同じ状態になっている恐れがある。 メインに戻る 車両関係に戻る レガシー詳細に戻る RS-601詳細に戻る |