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うちの会社の
おもしろいやり方

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 このページの内容は従業員にとっては全く面白くない話ですが会社にとっては 『なかなかうまい方法を考えたもんだ』と言う意味で付けたタイトルです。
 けして従業員でこれらの話の内容に賛成している物は誰もいないはずです。

【 資格等級制度の採用 】

 社名を変更したのと同じ頃に、従来までは完全年功序列だった給料の算出方法がこれまでと 全く違う『資格等級制度』なるものを採用する事となった。
 まぁ要するに能力が有れば年下でも女性でも出世ができると言う事なのでしょう。
 これも単なる社名を変更したのと同様で、当社のイメージアップ作戦の一つだったのでしょう。

 私は手に職を持てなくなる様では終わりだと思っている方なので、出世なんかは 全く興味がありません。
 確かに人の上に立って部下を持ち命令したり指示する事に生き甲斐を感じる人もいる様ですが、 そうでもなければ出世したいとは思わないでしょう。
 その証拠に係長手当ては\3,000(\5,000になったと言う噂も)で課長手当てでさえ\25,000 (\30,000だったかな?)にしかならないのだ。
 この手当てをどう思います?
 実際、この資格等級制度が導入される前に一般社員から直接課長になった人がいましたが、 『家のローンが返せなくなる・・・』などと言っていた人がいました。
 なぜなら3万円位だと残業で20時間強くらいしかならず、仕事して残業を40〜60時間 していた頃の手取りから比べると大変な給料カットという事になります。
 まぁこれ程度の手当てで訳の分からん役員会議等の資料を作らされ、それも1つの資料に 何日もかけさせられ訂正に訂正を重ねさせられ、結局ほとんど使わずにしてファイルしている だけである。
 課長以上では残業しても金にならず、朝は7時から会議だとか夜は10時位まではいなきゃ ならなかったりで、絶対に割に合わない。
 係長だって残業申請でどうしても上からうるさく言われるとサービス残業になりがちです。

 それでは一般社員に対してはどうかと言うと、頑張れば等級が上がり給料が良くなるかと言うと、 全く期待できずそれどころか逆に反感をかっています。
 これには色々な問題が有り対外的にはいいイメージがあるのでしょうが、実際は上手く従業員の 給料をコントロールできると言うメリットが大きいようです。

 まず最大の問題が以前の年功序列での給料体系のまま等級別に振り分けた事でしょう。
 その為に各等級での給料のバラツキが非常に大きくなってしまった事で、たとえば一般社員の 中間級である4等級ではこの等級でもらっている能力給に対してのバラツキが6万円以上もあり、 この差は無くならない為にたとえ等級が上がっても安い能力給のままではいつまで経っても 安いままと言う事になるからです。
 確かに確実に毎年ポンポンと等級が上がっていれば少しは違いますが、1等級上がってもせいぜい 月\5,000前後な為に6万円の差をどうやったら埋められるのかこちらが聞きたいくらいです。

 あとはどうしても大卒を優先している点が高卒・高専卒の人にとっては更に大きな問題になっています。
 新入社員として入社すると高卒が1等級で高専卒が2等級となり大卒では3等級となります。
 ここがそもそもの間違いで、なんで大学を卒業していると言うだけで高卒から見ると2等級も 多いのかがわかりませんね。
 特に設計や開発の分野では一般常識的な入社試験しかしないのにどうして判断するので しょうか?
 最終学歴別の業務を与るのであればわかりますが、当社の設計・開発部門には新入社員で 最初から高卒がいたかどうかは不明ですが高専卒はかなりいます。
 その中で高専卒と大卒の業務内容が別れているかと言うと、全く同じ業務をやらせられている他 中途や移動で来た高卒にさえも全く同じ業務内容をさせられています。
 しかし業務内容は全く同じなのになぜか給料にはかなりの格差があります。
 これではとても評価する以前の問題です。

 この資格等級制度の審査方法なのですが、これは無いといった方が正解でしょうね。
 一応は半期毎に係長と面接の上で書類を作成して自己審査と係長審査で決まる様なしくみになっており、 この書類で課長・部長などで審査し人事に行くものと思われます。
 しかしこの審査の内容がいいかげんで単に考えられる項目を並べただけで、全ての項目が係長や課長に できるのかというと疑問な部分もかなりあります。
 業務に関しての目標等は短納期・安価な為に納期が無くて金額も安い為に、【設計時間内に終わったか】と いった項目や【見積もり金額に収まっているか】等と言う項目は守れる訳がありません。
 ましてや設計した装置を組付・調整する部署では『現場だから評価は上がらない・・・』と言う ひどい回答が人事から聞いているそうです。
 これでは誰もやる気がなくなるのは当然でしょうね。
 少なくとも組付・調整の電気屋は設計で作ったハードとソフトを全てを調整・デバッグしてくれるのですから レベル的には設計とあまり変わらないはずですから同じように扱ってもらえると思うのですが。
 あまりにも審査方法がバカらしくて、最近ではまともに面接しておらず合同面接で一気に全員を 終わしてしまったり、審査書類に自己審査を適当に書いてハンコだけ押して係長に提出してしまって いる次第です。
 実際にいい評価にして提出しても人事で蹴られる事が多いらしいのでほとんどが現状維持ってとこです。

 あとはボーナス(賞与)ですが、これまた便利な使い方があったもんだと思いますよ。
 ちょっとこれにも問題が有るのでしょうが、賞与の評価にもランクが有りB2が100%で普通となり その他は5%刻みか10%刻みか忘れましたがA1=130% A2=120% B1=110% B2=100% B3=90% C1=80% C2=70%で 1ランク落とされてもボーナスが1割引になってしまいます。
 この内訳も各ランクに属せる人数が決まっていて同じように業務をこなしてきても、人数で切られて誰かが 落とされると言う可能性が有る訳です。
 これって何で評価しているのかが全く分かりません。
 一応は資格等級審査書類から判断しているのでしょうが、実際の所は提出書類評価とボーナスの評価は 関係ないようです。
 ところが色々と見てみるとこれが全てではないのでしょうが、まぁ当然大卒優遇ですから大卒にはよく 出るように優先的に配分しているのでしょう。
 それと景気がいいか悪いかで変動する動きも有るのでは無いかと思われます。
 当社では半年毎に組合が交渉してボーナスをもらっている訳ですが、なんでこんなに不景気なのにこんなに 出せるのかと思ったりしますが、良く考えてみると実際2.5ヶ月が標準で2.0ヶ月しか出せないとしても 2.3ヶ月ぐらいにして評価を1〜2ランク下げれば結構他の人にまわせるという利点があるわけですね。
 実際にランク毎に人数が決まっていて誰がどこに属しているかなんてのは従業員1000人近くもいる 当社では実施不可能な調査ですから、故意に一部分の人だけランクを落とされていても分かりません。
 こういう話から『現場なんだから・・・』なんていう話が出てくるんですかね。

【 当然ですが給料の話 】

 まぁ資格等級制度で話したように、年功序列からそのまま移行したのと大卒優遇からかなりの格差が 出てきていて、同じ係り内でも不満が出てきています。
 同じ係り内であれば業務内容は全く同じなのになぜか給料にはかなりの格差があります。
 実際の例で説明すると、私が丁度高専卒で私より5年後に入社した大卒の基本給と比較すると 年間で60万円以上も多くもらっています。

 また私と同じ年で大卒の人とは年間で120万円も多くもらっています。
 この差は1年間働くと5年後の大卒では軽自動車で通勤でき、同じ年で大卒の人では普通乗用車で 通勤できる事になりますね。
 20歳から勤めて50歳まで働いたとして、5年後の大卒では1800万円の差が生じて 同じ年の大卒では3600万円も差が出てしまうわけですが、これでも業務内容は同じなわけですから 不満が出ないほうがおかしいと思います。

 また30歳近いソフトウェアハウスから中途の高卒は、更に私より3万円位安い訳ですから たまったもんじゃありません。
 それなのに仕事量も内容もこれまで大卒が消化している以上にあり、おまけに毎日帰りが遅くなるわ 週に2〜3回しか帰れないわでかなりこき使われています。
 これって絶対に過剰業務ですね。

 たぶん電気屋のトップは私と同い年の大卒係長両名でワーストは中途の高卒ですが、月に10万円前後の 差があります。
 もっと有るかどうかは最近アホらしくて基本給を調査していないので1〜2年前の金額から予想した 金額ですので、これ以上差が有るかも知れません。

【 フレックスタイムの導入 】

 フレックスタイム制導入の問題は他の会社にも色々と有るでしょうが、他部署では給料計算や月末の 集計等で忙しくなる所では、その近辺の日だけ夜遅くまでやらされてその前後は3時で帰らされ 結局残業をゼロに調整させられている部署も有るらしい。
 もともとフレックスは会社の為でなく個人の為に有るものなので、こう言った会社側の強制では まずいのだが誰も文句を言っていても意見する人がいない為にこのような問題が生き延びている。

 うちの部署はどうかと言うと、設計が終わって部品が組み付かるといよいよ調整・デバッグとなるが、 当然の様に日程が無い為に終わらなくても2交替となる。
 その他に電気屋だけでなく機械屋も調整する為に下手すると調整しようかと機械に行くと、 追加工の為にユニットが外されていて調整できない事が度々である。
 あとは夜勤の人と打ち合わせるのに時間が合わない為に、夜勤者は残業して朝の8〜9時あたり迄いて 日勤者は朝の5時から来るかよる10時過ぎまでいるかで対応させられている。
 これも見かけ上は強制させられている訳でないので問題は無いが、業務上しかたなくFLEXを 使用しなければならなくなる体制事態に問題が有る。

【 えっ? 設計業務で夜勤? 】

 フレックスの話ではないが、電気屋さんの夜勤についても問題なのである。
 従業員の中には家族から『なぜ設計で夜勤があるの? 現場に移動になったの?』なんて言う事を 言われる人もいるらしい。
 確かに残業で遅くなっても夜勤の2交替があるソフト業界なんてあるのだろうか?
 確かに電話はないし夜の誰もいない所で好きな音楽をかけていた方が集中できて効率がいいが、 自ら進んでやろうと言う気であればいいが、いやいややっているのでは逆効果だ。
 それに1週間交替なのでやっと体が慣れた頃に日勤に戻る為にいつまでたっても体調が悪い。

 この夜勤だが、けしてデバッグがはかどる訳でない。
 同じ部分を昼・夜で別々の人でデバッグしていると設計者と調整者でそれぞれ考え方が違い せっかく調整者が直した所も別の部分との関連で元に戻して違う方法で修正しなければならない場合が多い。
 それじゃ何の為に夜勤なんかするのかと思われるだろうが、話を聞いてみると単に会社の上層部に 昼夜問わず頑張っても終わらなかったんだという実績を作る為だけの夜勤らしい。
 確かに夜もやればそれだけ進行するが、2倍の効率ではなく1.5倍だったら良い方で 1.2倍位が良い所だろう。
 しかし中間管理職の為に夜勤しているようなもので、自慢話しかしないアホな経営者しかいない 困った会社ですよ。
 そういえばもう一つおもしろい話が有るが、昔々は組立・調整室にデバッグ用のパソコンで 共用して使えるのが1台設置してあったが、どっかのオエライサンか誰かが『電気屋は画面(CRT)の前で 一日中話ばかりして遊んでるから、パソコンを課長の席の隣に並べて設置させ監視しておけ』と言う 話があったらしく、今度は課長の席の隣でキーボードはカチカチでプリンターはガァーガァーと 操作音のピーピーと言う音で課長が仕事にならなかったのかいつのまにか課長の席からパソコンが 離れていたっけ。
 まぁこれも作業効率を上げようとして無い知恵を絞った管理職のアイデアだったのでしょう。
 よっぽど電気屋が遊んでいる様にでも見えたんですかね?

【 年休って自由に使えないの? 】

 社名が変わるあたりから以前は自由に年休が使えなかった。
 使えないのでなく自由に使う事はできるのだが、なんとちょっとした遅刻でも年休でも皆勤手当てが 出なくなってしまい、この皆勤手当てが1万以上有ったものだから簡単には休めなかった。
 ほんの一時の休息で給料が1万引きされたのではたまったものでないからだ。
 それじゃ風邪や病気の時はどうしていたかと言うと、その為に土・日に休出して代休・振休として 処理していた。
 だから風邪ひくのも大変で、風邪ひいた後は必ず休出しなければならず休みが減ってしまうのだった。
 この皆勤手当てはその後給料に含んだ形で基本給が変更になりこの制度は無くなった。

 やっとこれで自由にいつでも休めるようになったのかと思えた。
 しかし実際はその人の昇給やボーナスなんかに響いて来るという話が有る。
 年休が自由になってから1〜2年で総務(現在の人事かな)から年休取得率ワースト10に 入っている所属長が集められ『年休は年間で10日以内に押さえる様に!』と言う通達を所属長を 直々に招集し厳重注意を促したらしい。
 そのうえ『10日以上の人は査定評価を下げる・・・あまり年休を多く取る様なひとが多い所属長は あなたがた自身の評価も・・・』などとおどしをかけられたらしい。
 さすがに課長も身を案じたのか、その部署では昼礼かなんかでこの話を部下全員に話した様だった。
 ついでに資料として渡された【年休取得率ワースト10リスト】も課内で回覧しており、これを見つけ みんなしてワイワイ騒いでいた。
 こんな事が有ったのではたまんない為にこの資料をコピーして組合に提出して実際の真相を追究して もらおうとしてコピーしたところ、いつのまにかコピーした物が紛失してしまいおまけに原紙までが どこかに持ち去られていた。
 誰が持っていったかわからないが、みんなでどうしてくれようかとワイワイ盛り上がっていたので ヤバイと思った課長や係長あたりがすきを見てにぎりつぶした様な話もあったが定かでない。
 こんな事で引き下がっていられないと思い、昼礼等で課長や次長に『年休で・・・といった話があったが 実際どうなのか・・・』と何度か話したら役員会議で聞いて来てくれたらしい。
 それによると、ワースト10を出して注意した事は認めたらしいが『個人の評価として処理した事はない』 と断言したらしい。
 でも、もし評価の対象としていても『やりました』とは言えないでしょう。
 結果として話しはここまでしかなく、実際評価の対象としているかどうかは不明である。
 まぁ各個人の評価をどう付けたら良いかわからずにいる現状では、年休取得率で評価するのが一番楽で はっきりしていますから絶対やっているでしょう。

【 退職金が減っちゃう! 】

 うちの会社の退職金は20年勤務を境にしてまともな退職金が出るようになる。
 なぜこのようになっているのかは不明だが、まぁ簡単に辞めない様にしているのか辞めるんだったら 若いうちにと言う意味なのかよくわからない。
 とにかく20年を境にしてとんでもない差が出るのである。

 やっぱり町工場が単に大きくなっただけなので色々と経営上の問題が多く、みなさん色々と不満や問題を 抱えているようで、あるひとは『あと数年で勤続20年だから、20年なったら会社辞めるから・・・』と いっていた。
 ところがある日、『20年で辞められなくなったぞ』と言う話をしていたので何がどうなったのか聞いてみたら なんと、退職段階で勤務した日数とは年休を使った日を除外して計算するらしい。
 こんな事は誰に聞いても知らないと言うし、組合に聞いても『そんな事は無いはずだ』と言うだけで ちゃんと人事に調べてと言うと『そんなことは無いはずだから聞くまでもない』としか答えず話は終わった。
 とにかく何もしてくれない組合で、この話は実際に退職した人がそう言われたらしいのだ。
 たしかに最近は出向だの移動だのと身を案じた人が近辺からも多数辞めてって、同じ入社のはずなのに どうして退職金が10万前後も違うのかと言う話も有った。
 しかしどのくらい出るのかは知らないが、まぁ5年や10年くらい勤めてもボーナスくらい出るのかなぁ?
 ただでさえ安いんだから年休まで差っぴかないでよ!

 この話をそのまま取ると、たとえば1ヶ月の労働日数を簡単に20日とすると、うちの会社の年休最大取得 日数は前年度繰越し20日と本年度20日で最大40日となる。
 全部使ったのではもったいないので繰越し分の20日だけ使うと来年にはまた本年度分が繰り越しになり また次年度分がもらえて40日となる為に毎年20日の年休を消化するとする。
 そうすると1年で20日休みを取ると1ヶ月休んだ計算になり11ヶ月しか働いていない事になる。
 その為に毎年20日の年休を取得すると11年働いてやっと10年勤務という事になる。
 だから20年勤務するには22年働かないといけないというのだ。
 ん〜 ここの所きれいに毎年20日使っていたから、私の退職金も安いなこりゃ!


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