◆バッテリーの検討 バッテリーは右図の様に見た目が単3型のバッテリーと全く同じで、使用されていた Ni−cdバッテリーには電圧と容量が書いて無かったが、Ni−cdの場合は1つ当 たり1.2Vとなっており、単3型サイズと言う事で一般的な600mAhタイプでは ないかと推定し、一般に販売されている単3型Ni−cdバッテリーを購入して使用した。 しかし右図のバッテリーは『スーパーニッカド1000』で、一般的な物より容量が 大きなタイプだが、充電回路等の問題が発生しない様に実際には一般的なタイプを使用 している。 また、シェーバーに使用されていたバッテリーには、左図の様にプラスとマイナスの 電極共に突起がスポット溶接されており、バッテリーの受けがこの突起をはさむ様にして 固定するタイプであった。 一般的にバッテリーはプラス側が突起している為に、バッテリー受けの構造を見ると 問題ないが、マイナス側が平らな為に接触に問題が発生する。 このマイナス電極側には確実にバッテリーに接触する様に電極を細工する必要がある。 ◆電極の製作 今回もリモコンエンジンスタータのRS−60の時と同様に、事務機メーカー であるコクヨのファスナーであるFA−5Nを利用して電極を作りバッテリー との接触が確実に行える様にしている。 このファスナー金具は電極として利用するに幅や厚さも丁度良く、マイナス 電極にふさわしい突起まで付いている為に非常に便利である。 また、厚さ的に半田付けなどもできる為に購入の際は何本か購入しておき、 今回に限らず色々な電極として利用できる為に保管しておくと良いだろう。 このファスナーを実際の電極とする部分に当てて、どれぐらいの長さが必要 かを見て、今回はU字型に折り込みシェーバーの電極板をはさみ込む様な感じで 差し込んで使用する様にする。 その為に、左図の様にファスナーの突起部分がバッテリーのマイナス電極に 当たる様に設置し、折り返し部分の長さが多少短くなる位の長さから切断する 様にする。 この実際に切断する部分にマーキングするか、だいたいの部分に指を当てて 切断部分がわかる様にしておく。 このファスナーの切断には特殊な工具は必要無く、普通のハサミでも十分切れ てしまう為に、ハサミの心配もある為に古いハサミなどを用意しておくしよい。 当然、金切りバサミ等があればそれで良いが、板厚がそれほどない為にかえって 切り難く折れ曲がるだけになる恐れがある。 その為にどうしても失敗する場合などは、大きめのニッパーやストリッパーの ワイヤーカット部分などで切ってしまうのもいいが、これらの刃が切れなくなる 恐れがある為に、別に用意した方が良いだろう。 その切断したファスナーの先端を、左図の様にマーキングした部分からニッパーを 使用して綺麗に折り曲げ、あまり厚みの付かない様にしてU字型に折り曲げる様に する。 また、折り曲げてから折り曲げ部分の長さが長い場合には、その場で切り縮める 様にして随時長さを調節する。 その際には実際の電極部分に当てながら長さを調べ、長過ぎずまた短くなり過ぎ ない様に注意して電極を作る。 ある程度電極ができ上がったら、右図の様に実際の電極に軽く差し込んでみて、 長過ぎないかどうかを確認する。 だいたい、電極のバッテリーが当たる面がバッテリー受けの真下ぐらいまで来る 長さにし、裏側に差し込む部分はそれよりも1〜2mm程度短めにする。 その変は実際に差し込んでみて様子を見た方が良いが、あまり好ましくない形状に なってしまった場合は、別の新しいファスナーを利用して作り直した方が良いだろう。 ◆バッテリー交換 右図が完成した電極をしっかりと差し込んだ様子で、だいたいファスナーの 突起がうまくバッテリーのマイナス電極中心に来る様になる。 それを目安に折り曲げて作れば良く、だいたいバッテリーに当たる側の電極が 下までしっかり差し込める様になっているのがわかると思う。 このようにして、バッテリーのマイナス側だけ2箇所に自作した電極をしっかり 取り付けておく様にする。 このファスナーの幅であればシェーバー側の電極と電極ホルダーの間にしっかり 挟み込まれる為に、特に今回は半田付けなどの処理をする必要がないだろう。 電極を取り付けたならば左図の様にバッテリーを取り付けてみる。 左図の様にしっかりとマイナスの電極を捕らえる事ができているのがわかると 思うが、今回製作した電極のU字型に折り曲げた部分の厚みがついてしまうと、 バッテリーを入れた場合にシェーバーの電極ホルダーが破損してしまう可能性が ある。 その為に、バッテリーを入れた際にあまりキツイ場合は、電極をつぶし直す等の 処理をしそれから再びバッテリーを実装する様にする。 右図が市販のNi−cdを実装した物で、これで修理が上がればかなり格安に 済んでしまうだろう。 しかし、数千円ほどのシェーバーでは明らかに買い直した方が安く上がると 思う為に、本体の価格を考えて修理を実施した方が良いだろう。 今回この修理を行ってから充電して使用してみたが、幸いにも充電回路には 何ら問題無かった様で、従来通りに利用できる様になった。 ただ今回は紹介し無かったが、充電回路なども5年も経つと半田付けも怪しく なっている為に、せっかくバラしたついでなので全ての部品を半田付けし直して おくのも良いだろう。 今回の故障で同社のリニアスムーサを購入したが、無接点式の充電と言う事で 万が一バッテリーが無くなってしまうと30分間の充電時間をおかないと利用で きない事になる。 その為に、出張先などや朝の忙しい時にすぐ利用できない場合があるだろう。 そんな時にはやはり交直両用シェーバーは便利なのである。 メインに戻る 修理・分解選択メニューに戻る ES780選択メニューに戻る |