◆ディフィート回路を探す 音声回路にはほとんどの場合ミューティング回路と呼ばれる回路があり、チャンネル や入力切換などの操作を行った場合に切り替わり時のノイズなどが発生しない様に、 それらの場合に一時的に音声ラインをショート状態にしノイズ音が出ない様にしている 回路がある。 このミュート制御信号は操作系のICから出力される為に、今回の様に操作系の ICが壊れてしまうと音声ラインがショートされたままで音声が出なくなる場合が ある。 実際にボリュームを取り付けても全く音が出ず、本来はチューナに入力を切り換え ればFMノイズ音ぐらいは出るはずである。 しかし今回はみごとに音が消されていて全く出ない様であった。 今回のテレビではこのミューティング回路はディフィート回路と呼ばれている様で、 回路図を見てみると右上図にある音声多重復調用ICの後に1段と、左図にある様に セレクターの後ろでパワーアンプの前段に組まれていた。 どちらも音声ラインをトランジスターによりGNDラインとショートする様にして あり、このトランジスターのベース側に電圧が印可されていれば消音状態となってし まう為に何らかの処理をして回路を解除する必要がある。 今回の改造したテレビは14年以上も使用しており今回の改造により直ってもどれ だけもつのかがわからず、それならば何らかの方法で処理するのではなく簡単にこの ディフィート回路を解除してしまうのが手っ取り早い為に実施した。 このディフィート回路を解除する前に、復調回路直後にあるテレビ音声出力端子に ラジカセを接続して音が出るのを確認してあった為に、右上図の回路にあるディフィー ト回路は殺さずにも済んだのだが、操作系が死んでいる為にいつ生きてしまうかわか らなかった為にこの2つとも殺してしまう事にした。 このディフィート回路は音声ラインをショートしているトランジスターを取り外す 事で簡単に行え、上記回路にある2個ずつ4個のトランジスターを取り外す事で簡単に 行える。 取り外した後には音声が出るようになったのはもちろんだが、心配した切り換え ノイズも無く全く問題無い様であった。 ただ、電源の入り切り時のボコッと言う音は故障する前と同様に大きく、こちらは 相変わらず毎回発生していた。 メインに戻る 修理・分解選択メニューに戻る TH28-D55GR選択メニューに戻る |