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音声多重切り換えスイッチの追加改造

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◆音声多重切り換え回路の変更方法を探す
onta-kairo.jpg  ここまでの改造で使用してみると、モノラルとステレオ放送に関しては全く問題が 無く、ステレオ放送ではステレオインジケーターも点灯する。
 しかし問題は2か国語放送であるが、主音声と副音声が同時に出る切換になって しまっており、ニュースや映画では違う音声が同時に出てしまっていた。
 その為に主音声と副音声の切り替えスイッチが必要になり、音声切り替えのモード を調べて必要な切換だけ追加する様にする。
 この音声切り替え部分の回路を見ると、右図の様に音声多重切換用の専用ICで あるIC2102があり、これを制御している部分を追っていくと入力切換と同様 に今回故障してしまった操作系のICにたどり着く。
 この音声切り替え出力は入力切換同様に100Ωの抵抗を通ってから出されている 事から、音声切り替えスイッチを押す度にパルス出力されるだけだと思われる。
 その為に音声切り替え用のICであるIC2102の9ピンに直接フロントパネル の音声切換スイッチを接続しても動作するだろう。
 しかし、操作系のICが故障している為に画面上にどのモードに切り替わっている か表示するオンスクリーン表示機能も死んでいる為に、実際にどのモードに切り替わ っているかわからず実際の音を聞いて判断するしかなくなってしまう。
 そこでこの問題を解決する為に音声の切換モードとその時の実際にスピーカーから 出る音の関係を調べ必要最低限な切換スイッチを付ける。
 その組合せは以下の表の通りで、テレビの取扱説明書と回路図にある音声多重復調 用ICの制御電圧一覧表から組合せを検討してみることにする。
音声多重切換とその動作一覧表
音声モード 2か国語放送 ステレオ放送 IC2201
音声多重復調IC
音声切換電圧
左スピーカ 右スピーカ
主(メイン) 主音声 主音声 ステレオ 7.0V
副(サブ) 副音声 副音声 3.2V
主・副 主音声 副音声 11.0V
モノラル 主音声 主音声 モノラル 1.0V
 この表を見るとまずわかる事は、ステレオ放送時はモノラルモード以外では どこに切り換えてあってもステレオにて再生できる事がわかる。
 そして今回問題となった2か国語同時再生になってしまうモードが主・副 のモードで、これは何の場合に利用するのかがわからないが、まずこのモードは 不要なものと思われる。
 これらの事より音声切り換えはの2つだけあれば、2か国語 の切り換えとステレオ放送の全てをカバーする事がわかる。
 その為にこれらを実現する為には音声多重復調用ICの7ピンに主音声を切り 換えたい場合は7.0Vを供給し、副音声に切り換えたい場合は3.2Vを供給 すれば良い事がわかる。


◆主・副音声切り換えスイッチの追加
audio-sel.jpg  この主音声と副音声を切り換える為に右図の様にON−ONの1回路トグル スイッチを用意し、スイッチの端子に直接固定抵抗を取り付ける事で切り換え られる様にしている。
 抵抗の取り付けは右図にあるスイッチの上側から+12Vを4.7KΩを 通してスイッチに接続し、スイッチの両端には3.3Kオームを取り付けて おき、更にスイッチの下側にある接点からは3.3KΩを通してGNDに接続 してスイッチの中心の端子から音声多重復調ICの7ピンをパターンカットして から配線するようにする。
sh-cover.jpg  つまり固定抵抗は+12Vから4.7KΩ⇒スイッチの上端子⇒3.3KΩ ⇒スイッチの下端子⇒3.3KΩを通りGNDへと接続される。
 これらは電圧制御してある音質調節等の回路から、10KΩのボリュームを 使用している事を元にして、+12VとGND間が10KΩくらいであれば ICの電圧制御端子が動作すると言う事で、この音声多重切り換えの場合も 同様で抵抗で分圧するがその抵抗の合計が10KΩと考えれば良いだろう。
 つまりスイッチを4.7KΩ側に倒すと4.7KΩと6.6KΩ(3.3K+ 3.3K)の分圧でほぼ7Vの電圧が得られる様になる。
 またスイッチを3.3KΩ側に倒すと、8KΩ(4.7K+3.3K)と 3.3KΩの分圧で3.2V前後の電圧が得られると言う訳である。
 この抵抗の組合せでは3.2Vが得られず3.5V前後となる様だが、実際に 切り換えてみると問題無く動作する様であった。
add-sw-vol.jpg  これらの方法により【主音声】と【副音声】の切り換えスイッチを右図の様に 電源スイッチとバンド切り換えスイッチの間に追加した。
 通常の放送受信としては音声切り換えを【主音声】にしておけば、ニュースや 映画も日本語により音声が再生され、ステレオ放送の場合もそのままでステレオ に自動的に切り換わる様になる。
 もしもモノラルや主・副同時再生のモードも必要な際には、更に抵抗を組合せ てスイッチを増やすか、また音量や選局と同じ様にボリュームを取り付ければ 全てのモードを切り換える事ができるだろう。
 しかし、音声切り換えをボリュームにしてしまうとどこがどのモードか判別が 難しく、どの辺に回すと何のモードかボリュームの周辺にマーキングでもして おかないと操作が難しいだろう。


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