◆バンド切換スイッチの改造 今回のテレビにはチューナユニットが使用されており、右図の下の方に見える シールドケースで囲われたものがチューナユニットである。 ほとんどのテレビやビデオではこの様にモジュール化されたユニットが使用さ れている為に、チューナに関しては今回の改造を行ったテレビだけでなく他にも 同じようにできるものと思われる。 この部分の制御には以下の回路図を見てもわかる様に、バンド切換と選局を 制御すれば動作するようになっている。 左側に見える制御用のICである【IC003】は操作パネル側のICが破損し このICへの制御信号がこない為にチューナユニットから切り離して独自に何らか の方法で動作させる必要がある。 左図のICの内部を見ると【バンド切換】とあり、ここから3本の制御信号が 出てきている事がわかる。 そして回路図の上を見るとこの周辺の動作組み合わせ表があった。
ここで上の表からBV端子に13Vがかかる場合がある事と、BS端子に23Vの 電圧がかかる様な感じだが、操作パネル関係が動作しない為に実際にこの電圧が かかるかどうかは不明だが、回路図にチェック電圧として書いてあるからには 間違いは無いと思う。 しかし、同じバンド切換の端子3本のうち1本だけ23Vと言うのは不安な為に、 今回は全て12Vを印可してみる事にした。 現在もこのままで利用しているが何の問題も無く動作している為に、無理に24V を引火しなくても良い様である。 この様に、不安な場合は低い電圧から試してみると良い。 本来は3回路のロータリースイッチなどでも付ければ切換がわかり易いが、今回は 左図の様にトグルスイッチを3個取り付けて、上記表の様に組合せによるバンド切換 としている。 配線の方も右上図の様に黄色にチューナユニットの各端子に配線し、+12Vの 電源に赤色とGND側に黒色の線材を使用して、それぞれのスイッチに3本ずつ 基板から線材をスイッチまで配線している。 バンド切換の組合せは忘れない様に左図にある様に、スイッチの上に記入しておく とよいだろう。 ◆チューニング回路の改造 チューナユニットで選局する為には、電圧により制御している様である。 その為に選局用のボリュームを用意しチューニングを行わせるが、手持ちで丁度良い ボリュームが無かった為にテレビに使用しているものを利用する事にした。 フロントの操作パネルを見ると【RGB映像】と書かれたボリュームがあり、この ボリュームはRGB端子を利用した時のみ有効である。 RGB端子は利用する事が無い為に、このボリュームを選局に利用する事にした。 ただ、利用しないボリュームでもとりあえず処理する事にし、右上図の回路から 3.3KΩの固定抵抗器に10KΩのボリュームが付いているために、このボリュ ームの変わりに10KΩの固定抵抗器を入れたような回路に変更してある。 その10KΩの抵抗が左図の上の方に見えるが、リード線がショートしない様に チューブを被せて取り付けた方が良いだろう。 そしてボリュームの根元で全てパターンカットを行い、そこから直接線材で信号を 引き出すようにしている。 バンド切り換えからして+12Vを利用しているようなので、選局電圧を入力する 端子であるBT端子にボリュームの中心から黄色い線材で配線し、後はボリュームの 両端に+12Vの赤い線材とGNDへの黒い線材の3本を配線する。 それらをボリュームから右図のチューナユニットの裏側から配線する様にしている。 しかしこの方法だとチューニング範囲が狭く、各バンド共に半分くらいまでの 選局となっている様であった。 上記回路図を見るとBT端子の回路では31V安定化回路が使用されている事から 12Vでは足りないような感じがする。 また、BT端子のチェック電圧には11Vと書いてあり、この電圧は9chを指定 した場合と書いてある事から12chまで指定するには12Vで足りない事は明らか である。 ◆チューニング用24V電圧 その為に選局電圧は12V以上必要な事がわかった為に周囲でそれ以上の電圧を 探し利用する事にした。 9chの電圧からして24Vまで必要ないと思われるが、周囲を見渡すと24Vと 32Vの電圧があったが、32Vではかなり高過ぎる為に24Vを利用した。 最初は24Vをボリュームにそのまま利用したがうまく選局ができず、いくら合わ せても画面にシマノイズが発生したりとうまく行かない。 回路を良く見ると全く安定化されておらず、チューナユニットが電圧制御である事 から電圧が変動したのではダメな事がわかり、24Vを安定したものとしてボリューム に供給する必要があった。 そこで手軽な方法として右上にある回路図を見てみると、BT端子には元々24V 用のツェナーダイオードが付いており、24V以上の電圧がかからない様になっている 様である。 この事からも24Vまで印可しても大丈夫な事がわかるが、このツェナーダイオード を安定化した24Vを作り出す為に利用している。 平滑しただけの24Vだった為にそれ以上の電圧が出ているかもしれないが、とりあ えず24Vに24Vでは電圧不足で安定化されないままで供給してしまう可能性がある 為に近くにある32Vを利用している。 直接32Vを24Vのツェナーダイオードに印可したのでは負担が大きい為に、32 Vから3.3KΩの抵抗を通してからツェナーダイオードに供給している。 この抵抗の値はチューナユニットがそれほど電流を必要としない為に、手元のあり合 わせで持っていた抵抗値となっただけである・・・(^_^;) この24Vの安定化により、選局電圧が安定し画面にノイズが出たりとチューニング がズレる様なことが全くなくなっている。 メインに戻る 修理・分解選択メニューに戻る TH28-D55GR選択メニューに戻る |