◆資料からセンサーを探す 車両には様々なセンサーがあり必ずしも同じ制御を行っているとは限らない為に、 その取り付けようとする車両に関した資料を用意し調べる必要がある。 同じ日産車でもエンジンの燃調制御にCA18DETの様に過給圧センサーも 利用して燃調を制御しているものもあれば、RB系の様に過給圧センサーを使用 せずエアフロメータのみで制御しているものもある。 その為に右図の様な車両別の整備書や電装配線図を入手しどのようなセンサーが あるかを調べる必要があり、今回使用するニュートラルスイッチ(センサー)が 付いているかどうかを見てみる必要がある。 ここではR33系のスカイラインでECR33を中心に説明するが、GT−Rで あるBCNR33もほぼ同様だが若干配線の取りまわしが違っている様である。 ◆ニュートラルスイッチを探す 上図の様にR33系のスカイラインにはM/T車にニュートラルセンサーなる 物が使用されていて、整備書の故障診断版によると上図のエンジンコントロール コンピュータに接続された信号がニュートラル時ONでそれ以外は OFFとなる様に書いてある。 また、エンジンを始動した場合のこの部分の電圧を測定すると、ニュートラル 時に約0Vでそれ以外は4.6V〜4.8Vであると書いてある。 この事から車両のバッテリーである12Vを加えるとエンジンコントロール コンピュータが破損する恐れがあり、リモコンエンジンスタータのパーキング センサーを取り付ける端子には車両の配線上12Vがかかってもいい様な設計 となっている為にそのまま接続するのは危険である。 その為にこのニュートラルスイッチを一旦車両から切り離し、途中にフォト カプラにて信号を受け直し2系統の出力を用意する事でエンジンコントロール コンピュータとリモコンエンジンスタータの両方に同じ信号を供給する様にす る。 ◆ニュートラルスイッチの詳細 左図はニュートラルスイッチ部分の電装配線図であるが、M/T車ではA−32 コネクターのニュートラルスイッチがあり、右側にはA/T用リレーがあるがM/T 車では関係ない。 また、左図のニュートラルスイッチの上の方がエンジンコントロールコンピュータ に接続されているが、10番という丸で囲まれた数字がありE2に回路が続く事を 現している。 この続き回路が左図の右側でダイオードを通りクラッチスイッチと一緒になっ ている事がわかる。 その信号の両脇には、左にEPSコントローラと右にハイキャスコントローラと があり、このニュートラルスイッチはエンジンコントロールコンピュータだけで 利用されているものではない事がわかる。 この回路からEPSとハイキャスコントローラはクラッチスイッチだけを利用し、 エンジンコントロールコンピュータはニュートラルスイッチとクラッチスイッチの 両方の信号を利用している様である。 上記回路より、ギヤのポジションがニュートラル時のみONとなり、またクラッチ を踏んでいればONとなる信号がエンジンコントロールコンピュータに接続されて いる事がわかる。 以上の事からコンピュータ側に配線された信号を利用すれば良く、更に詳細の配線 図より上図の様な線材色を調べる。 これまで調べた回路図でニュートラルスイッチの接続先を調べると【NV11】と 言う信号がエンジンコントロールコンピュータまで接続されており、上図でもわかる 様にエンジンコントロールコンピュータのコネクター44番ピンに接続されている。 そのNV11の線材色は【G/OR】とありこの線材は緑色に橙色の ラインの入った線材である事から、助手席足元の左側にあるエンジンコントロール コンピュータのコネクターからこの色の線材を探し出しておく様にする。 メインに戻る 修理・分解選択メニューに戻る ECR33ニュートラルセンサー選択メニューに戻る |