◆専用ハーネス回路図 上記回路図が今回シビエハーネス用HLCを使用した専用ハーネスで、この 回路に関してはR33専用と言う訳でなく、バルブ側の4極カプラーに接続し たいバルブコネクターを取り付ければ何にでも対応する。 線材の太さは図中にある様に2.0゜と1.25゜を使用しているが、線材 の色に関しては図中の色と同じ物を使用している為にこれを参考にして欲しい。 また線材に対するコネクターの位置は車両とHLC本体の取り付け位置に より異なる為に、実際には取り付ける車両を参考に長さを決める事になるが、 ここではR33スカイラインのブースターケーブル接続部から電源を引き出し 、その近辺にHLC本体を配置する事を前提にケーブル長を決めている。 ◆バッテリーへの接続線周辺 電源を引き出す際には車両側のハーネス損傷を考えて必ずヒューズを取り付ける 様にし、今回のヘッドライトハーネスの様な場合はバッテリーから電源を直接引き 出す為に極力バッテリーの近辺にヒューズを配置する様にする。 今回はHLCの電源入力がハイビーム用とロービーム用の2系統に別れていた為 に、右図にあるヒューズを2個使用しバッテリー端子にはφ8の丸型端子も2個個 別に使用し配線する様にしている。 ヒューズホルダーはエーモン製の場合はヒューズホルダーの両端から線材が出さ れていて、ホルダ自体もコネクターにゴムカバーを使用したものだった為に使用を 見合わせ、たまたま見つけたフジックス製のヒューズホルダーを使用した。 このヒューズホルダは真下から2本とも線材が引き出され、ホルダー同士がスラ イドさせて組み合わせる事もできる為に便利よく、このヒューズホルダーに2極カ プラーを使用してヒューズホルダー自体を取り外せる様にし、ハーネスを取り付け 配線の際にプラス側を遮断できる構造にした。 ヒューズホルダーには2.0゜赤色の線材が数cm程ループ状に付いており、こ のケーブルを等長に切断して2極カプラーを付けている。 ケーブルには右図のようにスパイラルチューブを巻き付け、その両端には結束用 のテープである自動車用ビニールテープを使用しチューブがほどけない様に処理し ておく様にする。 このテープは多少伸ばしながら巻き付けると密着性が良いが、最後の1〜2巻は 引っ張らない状態で巻き付けておく様にする。 そうしないと普通のビニールテープよりは良いが、長い間使用していると熱や湿 気で粘着材が緩み易くなりテープがはがれて来る様になってしまう。 また、このスパイラルチューブなどの保護材を巻き付ける場合には、左図の様に コネクターやヒューズホルダーの近辺は多少空けておくと良いだろう。 これは誤配線の確認などもできるが、コネクター部分などは圧着端子等が付き 線材を束ねていくとどうしても線材間が広がっている事がわかると思う。 その為に、無理に端まで保護チューブを巻いてしまうと線材が広がろうとして チューブに擦れる形になり、車両に取り付けて様々な振動が加わった場合に線材の 被服が長い間にむけてしまう恐れがある。 これらの事からどうしてもコネクターの根元までチューブを被せたい場合には、 ナイロン製のブーツの様な物が市販されている為にこれらを探して私用した方が 良いだろう。 ◆HLCやバルブの接続線周辺 4極カプラーには1.25゜や2.0゜の線材を圧着しているが、右図の様に 部分的に2本の線材を1つの圧着端子に圧着する部分も発生してくるが、この場 合には1.25゜を2本の為に多少圧着端子の金具が狭く、上手く入れないと 線材の被服が横並びで幅広くチョッと無理しないと入らないだろう。 その場合は線材の被服を予め軽くラジペン等でつぶしておくとよく、しっかり 圧着端子に2本の線材が入り込んだのを確認してから圧着するようにする。 この確認を怠り線材が浮いたままで圧着してしまうと、最悪の場合は芯線の 圧着が不十分で接触不良を起こし易くなり、下手するとちょっとした力で抜けて きてしまう場合があるだろう。 線材の長さを決めて各線材に圧着端子を取り付けたら左図の様にコネクター ハウジングに圧着ピンを差し込む様にする。 ピンを差し込む際にはピンに突起部分があり、この突起部分がコネクターハウ ジングに引っかかり抜けて来ない構造となっている為に、ピンをハウジングに 差し込む際には上下の方向がある為に注意して差し込む様にする。 この方法はコネクターハウジングをコネクター同士が接合する部分を見てみる と、コネクターのピンが差し込まれる所とは別にピン幅より狭いへこみがあり、 ここにピンが差し込まれるとピンの突起が入り込んで引っかかる様になる。 その為にこのピンの引っ掛け突起の逃げを確認してからピンを差し込む様にす る。 また、上記回路図のバルブ側から出ている黒色と灰色の線材を見てもらうと わかるが、本来シビエハーネスではバルブコネクターから短い線で丸型端子が 取り付けられておりこれを周辺のネジにより車体に接続する様になっていた。 しかしこれでは周辺にネジが無い場合には取り付けに困ってしまう為に、今 回はバッテリーのマイナス端子まで引き出して来ている。 本来はバッテリー端子に使用しているφ8の丸型端子まで1.25゜の2本 を引き込み2本まとめて圧着すれば良いのだが、今回使用したφ8の丸型端子 に使用できる線材のサイズが細い為に2本まとめて圧着できなかった。 その為に右図の様にして圧着スリーブを用いて1.25゜の2本を2.0゜ の1本にまとめる様にしているが、今回は絶縁タイプでなく単なるスリーブを 使用したが、絶縁付きのスリーブもある為に購入の際には必要に応じて選択す ればよく、合わせて圧着工具も変わってくる為に選んだスリーブに合う圧着工 具も用意する必要がある。 左図はHLCに接続するコネクター部分で、HLC本体の真下からコネクター が出ており、この線材に無理がかからない様に左図のようなある程度の間隔を付 けてコネクターを取り付ける部分を立ち上げている。 HLC本体の取り付け方によっては左図の様にハーネスの途中に立ち上げるの ではない方が望ましい場合があるが、今回は全体的に長さに余裕をもったケーブ ル長とした為に左図のような方法でハーネスを作成してみた。 右図はバッテリーに接続するヒューズホルダー周辺部分だが、ヒューズホルダ ーに取り付けた2極カプラーからはバッテリーの高さ分のケーブル長を取ってい る。 これは今回のR33型スカイラインのブースターケーブル用ボックスから引き 出す場合も同じで、電源を引き出す端子からある程度下側に落とした部分で線材 を引き回せるような長さを用意しておくと良い。 また、ヒューズホルダーの取り付け位置も考慮したい場合は、実際に長さを測 ってみてから線材の長さを決めた方が良いだろう。 バルブ側のコネクターや純正ハーネス側のコネクターを作る場合には、左の様 に実際に取り付ける純正の中継ハーネスを見ながらピンをハウジングに差し込ん だ方が間違いにくいだろう。 ピンの配置はわかり易いように配置すればよく、上図の回路図と同じでなくと もく配線上間違いが無ければ問題はない。 しかしHLCのロー/ハイビームコネクターや左右のヘッドライトユニットで ピン配置がバラバラになっていると、間違ってこれらのコネクターが差し間違え た時の事故を考えると似た様なコネクターの信号は同じ様に合わせておき、もし 間違えて差し込んでも動作的に違いが出る位で済む様にしHLC本体や車両側に 大きなダメージが発生しない様に考慮して作る必要がある。 ハーネスが全て出来上がったら、右図の様なマーキングタイと呼ばれる物を 使用して、それらのコネクターがどこへ接続すれば良いかを記入しておくと良い だろう。 わざわざこのマーキングタイを用意しなくとも、ワープロで普通紙に印刷した 物にクリアーテープで巻き付けるだけで安価で綺麗に仕上がるだろう。 これらは誤接続防止の為に必ず貼り付けておいた方が良い。 ◆ハーネス全体 右図が今回したハーネスの全体図で、図中にはHLC本体やR33用の中継 ハーネスを切断して作ったハーネスも含まれている。 HLC本体から上の方に出ているのがバッテリー側に接続する部分で、今回は バッテリーの代わりにブースターケーブルを接続するボックス周辺にHLC本体 を取り付ける為に右図の様に長くする必要は無かったが、他の製品が取り付けら れてしまいHLC本体を取り付けられない場合にヘッドライト周辺にも取り付け られる長さを考慮した。 その為にHLC本体の下側にあるヘッドライト側に接続するケーブル長もHL C本体の取り付け位置によっては余ってしまう場合がある。 また、ヘッドライトへのケーブルはHLC取り付けに近い方の線材が短く、そ の反対側のケーブルはだいぶ長く本来は等長にしたい所だが、ラジエータ周辺に ケーブルを束ねておくなどするよりはこの方が良いだろう。 左図はHLCに車速センサーの信号やスモール(テール)ランプの信号を供給 する為のハーネスで、実際にはHLCに付属しており作る必要は無いだろう。 今回は線材がちょっと古くなっていた事と、ケーブル長も多少長めにする為に 作り直したが、こちらは同じ4極カプラでもロック式でない事に注意が必要である。 メインに戻る 修理・分解選択メニューに戻る HLC Model.6502選択メニューに戻る |