(マルチシステム) ◆システム概要 このスカイラインには、フロント2ウェイ・リア3ウェイの完全マルチアンプ構成を搭載した。 ベッドユニットには、以前から使用していたSONYのDATを使用している。 以下に記すが、見かけは広いリアトレイだが裏側にあるバッテリーやHICAS等のコントローラが邪魔をしていて取付にはかなりシビアになっている。 又、アンプ群もフロント・リアで合計5台のアンプをリアトランク内にアンプボードを製作して設置しているが、トランクが狭くスペアタイヤ利用時に多少問題がある。 ◆リアシートを外す 同じR33系スカイラインでもGT−R登場する以前は問題無かったのだが、GT−R登場以来リアシートを外すのに特殊な工具が必要となる。 字光式ナンバーでも使用したようにリアシートの固定ネジにトルクスボルトが使用されていて普通のソケットレンチ(ボックスタイプレンチ)では外せない。 尚、字光式ナンバーの時はT型であったが、このリアシート取付ボルトは右図にある様なE型を使用している。 このタイプは必要なサイズの物が単品で購入できる為に今回は以下の工具を利用した。 ◆リアトレイとその裏側 右の図はリアシートを外し中央の板金を外した状態である。 写真開口部の右側半分にある白いものがバッテリーで、中央の配線が混んでいる所がヒューズボックスである。 この左側にある白く中央にネジがあるものと、その上のシルバーの四角い箱がHICASコントローラとアクティブLSDコントローラユニットである。 写真のコントローラは既に取付方法を変更している為に実際よりはかなり下側となっている。 この様にリアトレイの後ろには様々な物がある為に、スピーカ取付の為の位置合わせは慎重に計る必要がある。 ◆リアトレイのスピーカ配置 スピーカーを取り付ける最大の問題は、右図の様なリアトレイ裏側から釣り下げて取り付けられているHICASコントローラとアクティブLSDコントローラである。 これが邪魔で通常ウーハ用の穴を開ける位置なのであるが、穴を開けるには移動する必要がある。 リアトレイに釣り下げてある為にコントローラを移動して取り付けるにもケーブルが短い上にスペースが少ない。 コントローラの真下には、オプションの『KENWOODサウンドクルージングシステム』用のアンプ類が取り付くスペースはあるが、平らではなく取り付けブラケットでも作らない事には取付できない。 その為にこの部分を切取るわけに行かず、左図の様な取付配置となった。 配置的には、ウーハが純正のリアスピーカ位置に来る様な設定で、丁度良くミッドレンジスピーカがリアサスペンションのサスハウス頭上に来るようにする。 ツイータは、右図の様にあまり外側ではリアガラスに近くなり過ぎる為に、ウーハとミッドレンジの中央に配置した。 又、ミッドレンジスピーカの配置で左側は問題無いのだが、右側のサスハウス上部には左図でもわかる様に燃料ポンプのコントロールユニットがある。 その為に薄いボードを使用すると間違いなくミッドレンジスピーカのマグネットがあたってしまう。 そこで、通常リヤスピーカボードは18mm〜21mm厚の合板を使用しているのだが、久々の24mm厚合板を使用している。 通常、ウーハを使わないものには18mm厚のボードを使用し、他は21mm厚のボードを使用していた。 予算に余裕がある場合や、ウーハの穴をカットすると合板の残る面積が少なくなってしまう物にや、低音をかなり強調して使用する人に対してのみ24mm厚を利用している。 今回はクリアランス確保の為に24mmを使用しているが、これでもボードと表面に貼った黒のカーペット厚で何とか5mm程度のクリアランスを保っている。 ◆HICASコントローラの取付変更 24mm厚の合板を使用した事で、ウーハ等のスピーカのマグネットがリアトレイ裏側の物とのクリアランスが十分に確保出来る様になる。 右図は、リアトレイ左側のウーハとバッテリーのクリアランスで、何ら問題無い十分なスペースが確保できている。 しかし、右側のウーハ用マグネットがどうしてもリアトレイ裏側に釣り下げられているHICASコントローラにあたってしまう。 その為に、左図の様にコントローラ全体をウーハマグネットがあたらない位置まで下げる様にしている。 左図で見える延長部分は、上から釣り下がりコントローラ直前に見えるネジ位置までが延長した部分で、4個所全て同じ金具で同じ分だけ延長する。 取付位置の変更には、ホームセンター等で見かけるL型の棚などを取り付ける為の金具を2個づつ組み合わせコの字型にして利用する。 リアトレイとコントローラに付いている従来からある釣り下げ金具にこの延長金具を使用する際は、純正の取付金具の折り曲げ長さと同じになる様に両端を切断する必要がある。 この金具のサイズは、純正品に近い幅の物を選択し、厚さは出来るだけ厚いものがよく3mm前後が適当である。 又、リアトレイ中央部分がかなり広いスペースで開いてしまっている為に、今回はリアトレイ中央部に右図の様にGPSのアンテナを取り付けて、アンテナ裏側にケーブルを通す穴を開けておき取り付けてある。 以上のようにする事で、左図の様にスピーカを取り付ける事が出来る。 尚、リアワーイパーを取り付けた車では、ボード中央のリアガラス側にワイパーシャフトの逃す部分が必要となる。 この部分の処理は、少しづづ現合(現物で合わせる)で合わせていき、純正リアトレイに付いているリアワイパー用シャフトカバーはボードが厚く使用できない為に、ボードは少し大きめに切断して、ボードの上から貼っているカーペットにシャフトが通るだけの切れ目を入れるだけで見えなくなる方法を使えば、比較的簡単に処理できる。 又、リアトレイ後方にエアダクトが付いているが、これはリアボード製作時に純正リアトレイからこのダクト部分をけがいておき、ダクト部分は純正リアトレイから外してそのまま使用するようにする。 このリアダクト加工をしないと、室内の空気がトランクを通って車外に出なくなってしまう為に、梅雨時期や冬にガラスが雲って困る為に必ず加工する必要がある。 ◆トランク内アンプボード フロント・リア共にマルチアンプにするとアンプの数が増え、椅子の下等には収納出来なくなってしまう。 その為に右図の様にトランク内部にアンプボードを作りアンプを固定する事をお薦めする。 左の図はトランクを開けた状態で見た様子で、中央にウーハ用の140W×2アンプを設置して両端にミッドレンジ用の70W×2とツイータ用の40W×2のアンプを配置するとバランス良く見える。 又、70W×4のアンプを使用するとウーハ用に使用するアンプと同サイズとなる場合が多いので、この際は両端にウーハ用とミッドレンジ用の大きいサイズのアンプを両端に設置し、中央にツイータ用の40W×4のアンプを配置する方法もある。 又、スカイラインのトランクは奥行きがあるが、両端にタイヤハウスが出ている他、リアタワーバーやリアタワーボード等が付いている為にリアボードを付ける面が平らではない。 その為に、今回はトランク側から見て右側のボード固定はリアタワーボードにある純正カーペット取付用ネジ穴2個を利用して固定し、左側は長いボルトを購入し途中に2〜3個所に補強の為に補強板をナット共締めにておく。 最後にナット同士でボードを挟むが、ここも目視で右側を固定したタワーボードの位置と同じ様に高さを調整しておく。 右図のアンプボードの右端にある最後にボードを止めるナットは、普通のナットではなく、蝶ナットを使用しいつでもボードが外せる様にしておく必要がある。 これは、トランクが狭くボートが結構手前に設置しなければならず、このままだとスペアタイヤが取り出せなくなってしまうからです。 その為に、左図の様にアンプボードを移動してもケーブル類がバラバラにならない様にする必要がある。 又、ヘッドユニットからのライン(音声)ケーブルなどは、リアシートなどでつぶさない様に純正のケーブル等と一緒にインシュロックタイ等で縛る様にする。 ◆コンソール(ヘッドユニット) コンソールには、右図の様にSONY製のDATとJVC製のエレクトロニッククロスオーバーネットワークをフロント用とリア用の2台を収納している。 通常GT−Rは専用の3連メーターがある為にヘッドユニットが1つしか取り付けられないが、 メータ類のページ で説明してある様にエアコンのコントローラパネルをGTS系のと交換し取付金具を作る事により、エアコンのコントロールパネルをコンソールの最上段に設置し、その下2段をオーディオに利用できる様に3連メータは廃止している。 ヘッドユニットは左図にあるSONY製のDATで現在は生産中止の為に入手不可能である。 MDと違い元に戻らない圧縮方式などは使用しておらず、まったくCDと同じデータを記録している為にCDを聞いているのと全く同じ音質が得られる。 このDATだが、型が古い為にSONYのDINコネクターを使用してあり、RCAのピンに変換している。 又、外部アンプのリモートコントロール信号が弱く、アンプ5台を駆動できない。 その為に、リモートコントロール信号を増強してアンプを駆動できるような回路を組んで使用している。 右図のエレクトリッククロスオーバーネットワークは、マルチアンプを構成する為のコントローラで、低域・中域・高域の3つに音声信号を分離するもので、各信号がそれぞれのアンプでスピーカを駆動している。 これと同様の物は数社から販売されているが、2/3ウェイ切換えと位相反転が出来てクロスオーバー周波数が無断調整ができ、コンソールに取り付けられるものはJVC位になってしまった。 ここで設定のポイントとしてリアは当然3ウェイ設定であるが、フロントをあえて2ウェイにしないで3ウェイで使用しドア鳴りを防止する為に低域をカットして利用している事である。 これによりドア鳴りを防げるだけでなく、ミッドレンジのドアスピーカー用アンプに負担をかけることなく中域再生ができる様になる。 メインに戻る 車両関係に戻る スカイライン詳細メニューに戻る |