NISSAN GT-R V-spec(BCNR33) 足周りの交換
リアサスペンションの取り外し

◆ホイールの取り外し
 今回のGT−RにはBBS製のSUPER−RSが装着してあり、 図の様にセンターキャップ方式のデザインの為にホイールナットを取 り外す為にはこのセンターキャップを取り外す必要がある。
 センターキャップの取り外すには左図の様に専用工具を使用して取 り外し、ある程度緩んだら軽く回せる様になる為にあとは右図の様に 手で回してセンターキャップを取り外す様にする。
 その際にはセンターキャップをホイールのリム等に落下させてキズ を付けてしまわない様に十分注意し、取り外しの祭には必ず常時セン ターキャップを押さえ付ける様にして回す様にする。
 そしてネジ類は全て取り外し側に回し続けると最後にはネジの終端 部分でカツンと段差が感じられる様になる為に、この段差を確認した 所で初めて取り外す様にすると落下せずに済む。
 そしてホイールナットは車体をジャッキアップしない状態でまずは 緩める様にし、この祭にはしっかりサイドブレーキやタイヤ止めを使 用しておいた方が車体が移動せず取り外し易いだろう。
 また、ホイールナットにロックナット(盗難防止用ナット)を使用 している場合には一番最初に緩める様にするが、これは他のナットを 先に緩めてしまうとロックナットに全車体荷重がかかる事や、ホイー ルが締め付けられている物が緩むと最終的に残ったナットに負担がか かり外し難くなる。
 特にロックナットは複雑な形状をしていたりする為にナメ易く、一 度形状が崩れてしまうと再利用できなくなり無理に使用するとロック ナット自体が車両から取り外せなくなってしまう恐れがある。
 ホイールナットの緩める量はあまり多く緩めてしまうとスタッドボ ルト(車両側から出ているボルト)のネジ溝部分までホイールがズリ 落ちてしまい、最悪の場合にはスタッドボルト交換と言う事にもなり 兼ねない為に注意して作業する。
 ほとんどの場合にはナットが完全に緩んだ後にチョット締め付け側 に戻した程度でよく、ジャッキアップした祭にあまり力をかけなくと もホイールナットを回せる程度が望まし。
 ホイールナットが全て緩んだら右上図の様に車両のジャッキアップ ポイントにフロアージャッキをかけてリフトアップし、あとは左図の 様にタイヤ&ホイールを取り外すだけである。
 車両のリフトアップ量としてはあまり高く上げず、タイヤが地面か ら完全に浮いた状態であればなるべく低い方が良い。
 これはタイヤの幅が太くなればなるほど手で持ち上げるのが困難に なり、あまり車体を高く上げ過ぎてしまうとホイールを取り外した際 にすぐに落下させると、ホイールの内側をディスクブレーキのロータ ーやキャリパーにディスクローターカバー等にぶつけてしまい変形す る恐れがあり、ホイール内側にもかなりのキズや打痕が残ってしまう だろう。
 ブレーキ関係の変形や破損となると事故の危険性も考えられる為に 、ホイール取り外しの際にはなるべくリフトアップ量は最小限に留め ると良いだろう。
 また、インチアップを行っていればそれだけブレーキ関係からホイ ール内側が遠ざかる為に作業上の余裕ができるとも言えるのだろう。

◆ジャッキアップについて
 サスペンションの交換作業にはある程度時間がかかり、今回の様に ダンパー以外にも全て純正部品を揃えておき事前に組み立てておけれ ば交換作業も短時間で済むが、車両から取り外してから分解し新しい 部品を交換するとなるとかなりの時間がかかる事になるだろう。
 その為にフロアージャッキでの長い間リフトアップする事は危険で 、本来はウマ等を用意して使用する必要があるのだがウマの受け部分 の形状が平らな金属の場合が多く、普通のジャッキアップポイントに かけると板金が曲がってしまい、又足周りにかけると滑り易くウマか ら外れないまでにも多少危険かと思われる。
 そこで今回は交換作業時のリフトアップについて別の方法を考えて みたが、なるべく簡単に安く確実な方法を探してみた。
 それで今回用意したものは左図の様なフロアージャッキ先端に取り 付けるアダプターで、単なる樹脂製の溝の付いたアダプターで車両の 両サイドにあるジャッキアップポイントにピッタリ取り付きキズも付 けず安定してフロアージャッキが使える様にする専用アダプターであ る。
 今回購入した物はMeltec 大自工業 )製のジャッキアタッチメント(F−26−1)と言う製品であるが 、最近のフロアージャッキ先端部分の受けが小さい為にアダプター自 体もかなり小さくなってしまっているが、別ページのレガシーにある 【エンジンオイルの交換】 で紹介している様に旧式のフロアージャッキ用があれば大きくて安定 しているだろう。
 そのジャッキアタッチメントを左図の様にコンクリートブロック2 個程度の上におき、まずはフロアージャッキでリフトアップしタイヤ を取り外してから右図の様にして車体の下にセットする。
 そして車両を下げてコンクリートブロック側のジャッキアタッチメ ントに若干かかる程度にしておくが、これは本来のジャッキアップポ イントにはフロアージャッキがかかっていた為に今回は万が一の際の 保険として使用した。

◆下部取り付けネジの取り外し
 リアサスペンションの取り外しはリアトレイさえ外れていれば固定 されている箇所は3箇所で、その始めとしてダンパー下部にあるボル トを取り外す。
 ボルトの位置はブレーキローター下部後方に左図の様なアルミの丸 い接続部分が見え、その中心にあるボルトを取り外す必要があるが、 この部分のボルトは画像裏側にナットがあり、このナットを固定しつ つボルトを緩めないと取り外せない構造となっている。
 このボルトは規定トルクどころでない力で締め付けられており、長 年使用していて錆びてしまっていると尚更取り外しは困難だろう。
 その為に右上図の様にCRCをボルトとナットの両面からタップリ とかけ、ある程度放置し染み込ませる様にしてからレンチで緩める様 にするとよいだろう。
 しかし、車両ナックル側にはゴムブッシュが付いている為にできれ ば左上図に見える丸い内側にある黒いゴム部分にはできるだけCRC をかけない様にした方が良いだろう。
 取り外しは左図の様に左手側にはメガネレンチ等を使用してナット を固定し、ボルト側には柄の長いトルクレンチ等の長いハンドルを使 用しないと硬くて絶対に外れないだろう。
 ナット側も手で押さえたのでは回される恐れがある為に、実際には 左図の様にナットが緩める側に回される方向と逆側の地面に引っ掛け る様にしてセットし、手で押さえているのは万が一レンチが飛ばされ ない様にしているだけである。
 そしてボルトを緩めナットを取り外したならば右上図の様にボルト 自体を引き抜くが、実際にはリアスタビライザーが効いている為にダ ンパーが押し上げられている状態の為に簡単にボルトを引き抜く事が できないだろう。
 その為に、ブレーキロータ周辺を足や手で下に軽く押し付けながら ボルトを引き抜く必要があるが、あまり強く押し過ぎるとそれでもボ ルトを抜けない為に、断続的に下側に力を入れながらボルトを引き抜 くと良いだろう。

◆上部取り付けネジの取り外し
 リアサスペンション上部取り付けネジはリアトレイから更に凹んで いる部分に取り付けられており、右図の様にリアシート側から見ると 手前側の1箇所が見えない様になっている。
 車外に出てリアガラスの真上から見ると左図の様に2個の取り付け ナットが見えてくる。
 このナットを2個共に右上図の様にソケットレンチを使用して取り 外すが、奥側と手前側共に手前に見える板金が邪魔になりソケットレ ンチが使えない為に、ソケットを延長するエクステンションバーを使 用する必要がある。
 右上図では75mmタイプのエクステンションバーを使用している が、右上図の様にリアガラス側のナットを取り外す際にはソケットレ ンチのハンドルがリアガラスに当たってしまう為に75mmが限度で あろう。
 また、手前側のナットを取り外す際にも75mmで可能であるが、 150mmタイプのエクステンションバーを使用した方がハンドルを 振れる範囲が拡大し作業性が良くなるだろう。
 通常ではダンパーにある上下の固定ボルトやナットを取り外しても 、ナックルがリアスタビライザーにより若干持ち上げられている関係 上、リアトレイ下部とナックルに挟まれて落下する様な事は無いだろ う。

◆サスペンションの取り出し
 ダンパーの上下にあるボルトとナットを取り外したならば、後はい よいよダンパーを取り出すだけである。
 取り外しには左図の様にブレーキロータのスタッドボルトが付いて いる突起部分に足をかけ、ある程度荷重をかけて足周りを下げる様に する。
 その際には左図の様にダンパー自体をしっかり手で押さえておき、 ダンパーが落下してしまわない様に十分注意する。
 取り外しのコツはまずダンパー下部をナックルの丸いブッシュ部分 から抜き取るが、一旦奥側方向に押し出してナックルから取り外して 落下しない様にゆっくりダンパーを下ろす様にする。
 ダンパーはナックル等に擦れてキズが付かない様にゆっくりと作業 し、地面に着地させる付近にも右上図の様にウエス等の軟らかい布を 置きダンパーの塗装がはがれない様にする。
 そしてダンパー下部が地面に着地したならば、左図の様に今度はダ ンパー上部を手前に倒すが、この際にただ倒すとフェンダーに当たっ てしまい取り出す事は不可能だろう。
 その為にダンパー上部を手前に倒しつつ、ダンパー下部を逆に奥側 に倒し込んでやる事で左図の様にダンパー上部が完全にフェンダーか ら外に飛び出す様になる。
 この状態になったならば、あとは静かにダンパー全体を持ち上げて その倒した角度のままで引き抜く様にして取り出す。
 取り出しの際に慌てて引き抜くとフェンダー等にキズを付けてしま う危険性がある為に、十分注意してゆっくりと接触を確認しながら作 業する様にする。
 取り出したダンパーを捨ててしまうのでれば問題無いが、もしもス プリング等を再利用する際にはキズが付かない様に右上図の様にカー ペットクロス等の軟らかいものの上に置く様にする。
 


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