イグニッションコイルの取り外し ◆ハーネス固定の取り外し イグニッションコイルには左図の様にエンジンの奥側からハー ネスが引き回されており、各イグニッションコイル毎にコネクタ ーが接続されている。 このハーネスを良くみると、右図の様に3箇所にケーブルクラ ンプが取り付けられており、このケーブルクランプによりエンジ ンや走行中の振動でハーネスが動かない様にしてある為に、イグ ニッションコイル用のコネクターを取り外す前には、まずこのケ ーブルクランプを取り外す必要がある。 このケーブルクランプは左図の様にハーネスを巻き込む様にし てあり、その根元はボルトにてカムカバーへと固定されている。 その為に右図の様にプラスドライバーを使用し、このケーブル クランプ固定用のボルトを3本全て取り外しておく。 このケーブルクランプは取り外さなくともイグニッションコイ ルからコネクターを取り外す事はできるのだが、その後にイグニ ッションコイル自体を取り外す場合や、プラグを取り外す際に取 り外すイグニッションコイル用のブラケットを取り外す際に邪魔 になってしまうだけでなく、ハーネスの破損防止の為にも必ず取 り外しておいた方が良いだろう。 ケーブルクランプ用のボルトをプラスドライバーで緩めると左 図の様にボルトが浮き上がってくるが、完全にボルトが抜け切ら ないうちに指等でしっかり支え、ボルト自体が落下しない様に十 分注意して作業する。 ボルトは右図の様な形状をしているが、万が一落下させてしま ったならばイグニッションコイル関係は全て取り外してボルトを 必ず探し出して取り出しておく様にし、間違えても絶対にボルト を落下させたままにしてプラグは抜き取らない様にする必要があ る。 これは、プラグを抜いてしまうと落下させてしまったボルトが エンジン内に入ってしまい、知らないでエンジンをかけてしまう とエンジン自体が破損してしまうだろう。 これから取り外すイグニッションコイル固定用のボルトやイグ ニッションコイル用のブラケット固定ボルト等も同様に落下は禁 物だが、ある程度の大きさと長さがある為に探しやすいが、この ケーブルクランプ用のボルトは小さくて短い為に探し難い。 その為に、落下させてしまったならばプラグを取り外す前には 絶対に見つけ出して取り出しておく様にしなければならないだろ う。 ◆コネクターの取り外し 3箇所あるハーネス固定用のボルトを全て取り外したならば、 今度は右図の様にイグニッションコイル自体に挿し込んである茶 色いコネクターを取り外しておく様にする。 しかしコネクターにはロック機構が付いている為に、そのまま 引っ張っただけでは抜けて来なく、無理に引っ張るとコネクター が破損してしまう可能性がある。 その為に、コネクターを抜き取る際には左図の様にコネクター 上部にある突起を押しながら引き抜くが、突起は線材の付け根部 分を押すようにする。 左図ではこの突起を直接手で押しているが、特に左図の様に軍 手等をしたままではこの突起を押し難い為に、突起部分に小型の ドライバー等の柄等で押しながら引き抜くと比較的簡単に取り外 せるだろう。 以上、右上図の様にハーネス固定用のボルト3本とイグニッシ ョンコイル6箇所からコネクターを取り外したならば、これから 取り外すイグニッションコイルやプラグの邪魔にならない様に、 左図の様にしてハーネス自体を持ち上げて移動しておく。 移動場所はどこでも構わないが、ハーネス自体を折り返して負 担がかからない様に、右図の様にして助手席側へと倒しておく様 にした。 ◆イグニッションコイル固定の取り外し そしていよいよイグニッションコイル自体を取り外す事になる が、以前交換したR34系スカイラインのRB25DETでは別 ページの 【イグニッションコイルの取り外し】 にてイグニッションコイルの交換方法を紹介したが、R33系G T−Rでは多少違った取り付けとなっている。 これはR34系RB25DETではイグニッションコイルを1 個ずつ取り外す方法以外はできなかったのだが、R33系RB2 6DETTでは右図の様にイグニッションコイルを3個ずつまと めて取り外す事が可能となっている。 これはR32系のRB20D/DTとRB26DTTからR3 3系のRB25DE/DETとRB26DETTまでは全てこの イグニッションコイルが3個まとめて取り外せるタイプなのだが 、R34系になりRB26DETT以外のRB25DE/DET ではイグニッションコイルが1個ずつの固定となってしまった様 である。 これはコストダウンなのかどうかは不明だが、プラグを交換す る際にイグニッションコイルのネジを12本全て取り外すか7本 で済むかの大きな違いがあり、R34系のRB25ではプラグ交 換を考慮しなくなったと言う事も言えるのだろう。 今回はイグニッションコイルだけでなくそれらを取り付けてい るブラケットも全て交換する為に左図の様にイグニッションコイ ル用のブラケット固定ネジを直接取り外している。 しかし、もしイグニッションコイル用のブラケットを交換せず にイングニッションコイルだけを交換する場合には、ブラケット 固定用のボルト7本は取り外さないようにし、ここで一旦イグニ ッションコイル自体を固定している12個のボルトを取り外す様 にすると言う点に注意する。 これは、イグニッションコイル自体の固定がかなりトルクをか けて取り付けてある為に、ブラケット毎取り外してしまうとしっ かりイグニッションコイルを固定できずにネジ頭を破損してしま う確立が高くなる為であり、必ずエンジン本体にブラケットを固 定したままイグニッションコイルを取り外した方が確実に作業性 がよくなるだろう。 ここではイグニッションコイルを取り付けているブラケット毎 交換してしまう為に左上図の様にボルト7本を緩める様にし、全 て緩め終えたならば右上図の様にソケットレンチからハンドルを 取り外し、ボルトを完全に緩めきるまでは直接手で回した方が楽 になるだろう。 そして一番奥にあるボルトには左上図の様に黒い線材が2本圧 着されている物が共締めされているが、これがこの上で説明した ハーネスイラストにあるアース端子で、パワートランジスタユニ ットのマイナス端子となっている。 その為に、組み立ての際に取り付けを忘れてしまうとエンジン が始動しなかったり誤動作してしまう可能性がある為に、取り外 し後は奥に隠れてしまわない様に注意しておく必要がある。 ◆イグニッションコイルの取り外し イグニッションコイルのブラケットを固定しているボルトを7 本全て取り外したならば、あとは左右の図の様に前後3個ずつの イグニッションコイルをブラケット毎取り外す様にする。 取り外す際には単に引き上げれば外れるが、プラグの頭にある 端子を挟む様にして接続されている為に、イグニッションコイル を両手で多少揺さぶりながら持ち上げると外し易いだろう。 取り外す際には前後の順序は無く、上図では単純に進行方向か ら取り外しただけである。 イグニッションコイルを取り外すと左図の様にようやくヘッド 中央部分がスッキリとし、よく見ると右図の様に丸い穴の部分に はプラグの頭部が見えてくる様になる。 この時点では分解の途中でも説明したが、ネジ類の落下物が無 い事を十分注意する様にし、かならず全体を見渡して確認してお く様にするが、もしも見逃してしまいこの後プラグを取り外して しまうとエンジン内部に入り込んでしまう為に十分注意して確認 する。 しかし、実際にはプラグの隙間にボルトが入り込んでしまうと ソケットレンチ(プラグレンチ)が入らなくなる為にその時点で 気付くだろうが、以前別の作業で落としてしまっていた平ワッシ ャーやスプリングワッシャー等が落ちていると確実にエンジン内 部に入り込んでしまうだろう。 本来は小石や砂利等の確認も必要なのだが、その辺はヘッドカ バーがある為に、よほどエンジンルーム内が汚れていなければ汚 物が入り込むと言う事は無いだろう。 左図が取り外したイグニッションコイルとパワートランジスタ ユニットであるが、今回はパワートランジスタユニットは再利用 するが、イグニッションコイルはその取り付けてあるブラケット 毎交換してしまう。 さして左右の図からもわかる様に、イグニッションコイルは6 個共に同品番の部品であるが取り付け方向が様々な為に取り付け の際には注意が必要である。 今回の様にブラケット毎取り外してしまえば外した物を参考に 組み付ける事もできるが、イグニッションコイルだけを交換する 場合には組み付け時に間違えない様に、事前に取り付け方向をメ モしておいた物を参考にして組み付けると良いだろう。 メインに戻る 車両関係に戻る 2ドアメニューに戻る GT-Rメニューに戻る タイミングベルトメニューに戻る カムカバーメニューに戻る コイルとプラグメニューに戻る |