日産 スカイライン GT-R(BCNR33)用 RB26DETT
点火プラグの交換

◆古いプラグの取り外し
 プラグの交換については、プラグを抜いてしまうとその部分から シリンダー内部に直接異物が入ってしまう恐れがある。
 その為にプラグ交換時には全てまとめて取り外さず、1本取り外 してはすぐに新しいプラグを取り付ける様にし、できるだけプラグ を抜いたままの時間が少なくなる様にした方が安全だろう。
 また、プラグ交換前には強いエア等で周辺の汚れを吹き飛ばして おくと良く、エアコンプレッサー等を持っていない場合には圧縮タ ンク付きの自転車用空気つめ等を利用して吹き飛ばしておくとよう だろう。
 そしてプラグ交換時にはプラグのサイズに合ったプラグレンチを 用意しておく必要がありそのサイズも色々あるが、左図の様にホー ムセンターやカーショップ等では一般的に2種類用意されている場 合が多い。
 左図の左側では旧式の2バルブや欧州車に除雪機等が対応する2 0.8mm(通常21mm表記の場合あり)タイプで、右側の細い 方が国産4パルブ車に対応する16mmタイプの様である。
 ここで用意したプラグレンチは エーモン製 のプラグレンチで、型式がK35の16mmタイプと、型式がK3 6の21mmタイプの2種類だが、RB26DETTには16mm タイプがあればよい。
 プラグの取り外しはエンジン内部へ異物が入り込まない様に1本 ずつ行うが、一旦取り外そうとする全てのプラグを緩めておくとよ いだろう。
 右上図では片手で取り外しているが、本来は両手でしっかり回さ ないときつくて外れない場合が多く、プラグレンチもしっかり挿し 込まないとプラグからレンチが外れる場合がある為に、挿し込み具 合を確認しながら取り外す。
 プラグを何回転か回すとシリンダーヘッドから外れプラグレンチ 先端が倒れる様になるが、プラグを持ち上げる前には左上図の様に 片手でプラグを支え、右上図の様にしてプラグ自体が落下しない様 にして持ち上げる様にする。
 今回使用したプラグレンチにはプラグ落下防止のゴム製リングが 付いている為に落下する事は無いのと、古いプラグは落下しても良 いと思われるが、プラグの接地電極が落下の際に折れてしまったり 、プラグ先端の汚れがはがれてしまう可能性があり、これらがエン ジン内部に万が一入ってしまわない様に考慮して取り外す方がよい だろう。

◆古いプラグの確認と保管
 取り外した古いプラグはすぐに捨ててしまわないで、必ず取り外 した時点で焼け具合を確認しておく様にする。
 取り外したプラグは右図の様に箱へ何番目のプラグかわかる様に して並べておき、今後の為に保管する様にしている。
 しかしプラグを取り外した時点で異常にカーボンが付着していた り、全くカーボンが付いておらず電極自体がボロボロになっていた りする場合には他の部分に異常がある可能性がある。
 その際には新しいプラグを入れ替えても傷めるだけで、エンジン 自体も不調をきたすだけの為に原因を追究して修理しておく必要が ある。
 古いプラグは捨ててしまう場合が多いだろうが、交換する度に焼 け具合を比較できる様に、右上図の様に交換した年とシリンダー番 数を記入して保管する様にしている。
 その際には新品プラグと同様の保管方法とし、左図の様にプラグ 先端にはキャップを取り付けて右図の様に新しいプラグの箱に収納 して保管している。
 特に熱価番数を変えたりレーシングプラグ等の特殊プラグを使用 した際には、それまで使用していたノーマルプラグとの比較が有効 で、一概に焼け具合として比較対象とできる話は無い為に、あくま でもそのエンジンの状態から比較するしか無いだろう。
 その為に調子の良かった時期のプラグの焼け具合等があれば特に 良く、不用意に熱価番数を上げたりレーシングプラグを使用し低回 転を多用し不調にしているケースも多い為に、そんな際の焼け具合 比較の基準として使用すると良いだろう。

◆新しいプラグの取り付け
 新しいプラグの取り付けは、左図の様に古いプラグを取り外した プラグレンチに新しいプラグを挿し込んでおく様にする。
 プラグレンチへの挿し込みは右図の様にレンチがかかる六角ネジ 部分が全て隠れる位までしっかりと挿し込んでおく。
 また、今回使用したプラグレンチの様にプラグ落下防止の為のゴ ム製リングが内側に装着されている場合があるが、製品によっては このゴム製リングが古いプラグを抜き取る際に引っぱられてしまい 、本来装着されるべき位置に無く新しいプラグを挿し込めなくなっ ている場合もある。
 その為に、この様な構造の製品の場合には必ず新しいプラグを挿 し込む前に確認しておく様にし、新しいプラグを挿し込んでもなか なか最後まで押し込めない場合には無理に挿し込まず、一旦新しい プラグを抜き取ってプラグレンチ側を再確認する様にする。
 そしてプラグを挿し込む際には必ず左図の様にプラグが落下しな い様にプラグの付け根を指で押さえながら挿し込む様にする。
 これはプラグレンチに落下防止用のゴム製リングが取り付けてあ っても万が一を考え必ず行う様にするが、万が一落下させてしまう とプラグの接地電極が曲がってしまいプラグギャップが狂ってしま う可能性がある為に、取り付け作業の際には十分注意して取り付け る様にする。
 もしもプラグ自体を落下させてしまった場合にはその状態を十分 確認し、接地電極が中心電極と接触してしまっていたならば白金や イリジウムチップが破損している可能性がある為に使用しない様に し、この場合には新しいプラグを用意した方が無難であろう。
 またプラグギャップが狂っている可能性がある場合には、プラグ ギャップを測定するシックネスゲージを別途用意し、規定ギャップ があるかどうかを必ず確認する様にする。
 本来は中心電極等の白金又はイリジウムチップに傷を付けたり剥 がしてしまう可能性がある為にギャップ調整はしてはいけない指示 になっている為に、できれば新品のプラグを用意した方が無難であ るのだが、シックネスゲージを使用する場合には無理に隙間に押し 込む様な事はせず、細心の注意をはらって確認作業を行う必要があ る。
 プラグギャップはほんの少しでも違っていると火花の飛びが変わ ってしまう為に、お互いのバランスと言うよりはそのプラグの着火 具合が肝心で、パワーダウンはもちろんだがエンジン不調をきたし たりする場合がある為に、新しいプラグの取り扱いは十分注意して 作業する必要がある。
 そしてプラグの締め付けは他のネジと同様に、挿し込んだらすぐ に締め付けない様にする。
 締め付け前には必ず一旦プラグを抜き取る方向である逆回しにレ ンチを回し、そしてゆっくり回すうちに手の感触でカクッと落ち込 む部分が出てくるだろう。
 この落ち込んだ部分がシリンダーヘッドのネジ溝とプラグのネジ 溝が合った部分であり、その落ち込み部分を確認してから締め付け る様にする必要があるだろう。
 ネジ類に関してはこの方法を取る事で斜めに入り込んでねじ山を 破損する事を防止する。
 特にプラグの取り付けにはシリンダーヘッド側のネジ溝が破損す るとシリンダーヘッドの交換となってしまい、部品代も高価だがそ れ以上に高額な作業工賃がかかってしまう。
 その為にプラグの取り付けには細心の注意をはらって作業する必 要がある。
 そしてプラグの取り付け時には新品と再使用とでは違うが、新品 プラグの場合にはガスケットが潰れていない為に、まずはプラグを 締め付けていくと一旦重くなるが、それでも片手で何とか締め付け られる位に回り、この区間がプラグに付属のガスケットが潰れてい る区間となる。
 そして硬く片手では回せない様になったら、今度は左上図の様に 両手で45゜程度締め付ければ取り付けが完了する。
 しかし作業者により力のかけ具合が違っている為に、上記表現で は均一に取り付けられない可能性がある為に、できればトルクレン チ等を使用してしっかりトルク管理を行って欲しい。
 同様にして6本のプラグを全て交換する様にする。


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