年越し、そしてエンジンが・・・ ◆開けまして・・・おめでとう!? 12月中に水・油系統のホースや配管の交換が終わるか心配であ ったが、正月休みの初日に出向いてみようと思ったら前日の夜に電 話があり、やはり作業が終わらず年越しになると言う連絡が入り、 丁度スズキ側でも次の日から休みだと言う事であった。 そして年も明け4日から初売りだと言う事で早速様子を伺いに出 向いたみた。 行ってみると工場長の方が対応してくれて、『チョッと見てみて 下さい』と言う事で着いて早速作業現場の方にに行ってみると・・・ 右上図はエンジンを分解してからのものだが、図の様にエンジン はダスキンを敷いた台車にそのまま載せた状態でシリンダヘッドが 付いている状態であった。 ◆さて、どうするか! 話を聞いてみるとインテーク側にあるホースやパイプ類は、やは りフロントガラス側の板金との隙間が小さ過ぎて、エンジンを載せ たままでは全く作業ができないとの事だった。 確かに、部品を選定しながらどうやって交換するんだろうと考え てはいたが、さすがに人が立って入れるだけリフトアップしても手 が入らないのでは無理で、手だけ何とか入れられても工具が入らな かったり回せなかったりではどうしようもないだろう。 本来は今年の秋の車検時に予定していたエンジンの分解作業だっ たが、エンジンの着脱工賃が結構かかる為に何とか予算も捻出でき そうだった事もあり、急遽繰り上げてエンジンの分解作業も行って もらう事にした。 そうとなればやはり目的は子犬の退治とエンジンのヘッドやカム カバー等のガスケット交換で、子犬については昨年行った エンジン内のフラッシング ではやはり直らなかった。 やはり寒くなるにつれて暖機運転中に鳴く様になり、よく音を聞 いてみると下側からではなく上側からの音の様で、それもタイミン グベルトカバー付近が一番音が大きい事がわかる。 そんな事もあり分解する際には電話で呼び出してもらう様にお願 いして、平日でも休みを取って来ると言う事にしてエンジンの内部 を撮影すると言う話で帰ってきた。 ◆早速連絡が入る 何か不都合やトラブルでもあったのか、次の日の午前中に電話が かかってきて、どうしたのかと出てみると午後から分解すると言う 話である。 部品も次の日では届かないだろうが分解すると言うので行ってみ たが、どうやら撮影すると言う事でヘッド周辺のボルトは全て外し てあったものの、ヘッドやカムカバー等はブロックに乗せてあるだ けにしてあった。 ◆カムカバーの取り外し カムカバーは既に外されていて私が到着した際には下図の様な状 態になっており、バルブの頭が見える様な状態になっているのがわ かるだろう。 660ccのエンジンでこのF6Bだけが4気筒の為にバルブが 16個あるのがわかると思うが、ラッシュアジャスター式の為にバ ルブ直動式で無い為に、何やらOHVの様にバルブの上に折り返さ れた短いアームが取り付けてある。 この構造だとバルブとカムのクリアランス調整は不可能で、シム 調整等はおそらく不可能と思われるが、その為にラッシュアジャス ター式にになっているのだろう。 そしてこのカム固定位置には軸受けとなるシールやメタルにベア リング等は一切使用されていない為に、ガタが出てしまうとカムカ バー自体を交換すると言う事になる。 子犬の鳴き声がタイミングベルトカバー上部付近が一番大きく聞 こえる事から、おそらくこのシール部分が鳴いているものと思われ るが、もしも今回この部分を含めた部品交換を行っても直らない場 合には、最悪カムカバーやカム自体も全て交換する事になるだろう 。 これらは単にバルブとラッシュアジャスター用のダンパーの上に 乗っているだけで、あとはカムカバーを取り付けるとカムで挟み込 まれる為に通常は外れる事はないのだろう。 左上図のバルブから見てエンジンの外側に見える突起がラッシュ アジャスター用のダンパーの突起で、圧入でもされているのかと思 ったが単に挿し込んであるだけの為に手で引き出せば簡単に取り出 せる様である。 その為に、バルブ関係の分解となるとすり合わせやバルブガイド の打ち直し等の手間がある為に大変な作業となってしまうが、この 様に簡単に外れてくる為にラッシュアジャスターやロッカーアーム の交換はかなり簡単に行えるだろう。 ◆エンジンヘッドの取り外し 今回は交換の予定が無かったインテーク側のサージタングは取り 付けたままでエンジンヘッドを下ろしてしまうと左下図の様な感じ になり、バルブやプラグが飛び出していない事から図の様にダンボ ールを敷いたままでも問題ないだろう。 ただ、突然作業の追加をお願いした為に部品が入荷するまでこの ままの状態と言うのが心配で、おそらく全ての部品入荷までには2 週間前後は最低でもかかるだろう。 その為に他の作業の為に移動した際に打痕傷等が付かない事を祈 るだけであるが、ガスケットのつぶれで補えると思われる場合もあ るかも知れないが、ヘッドの重量から考えると打痕傷が付く時には 結構深いものとなってしまう可能性が大きいだろう。 クーラントやオイルが流れ出さない様にある程度時間が経ってか らヘッドを取り外したとは言え、若干はオイル等が染みたりしてい るのがわかるだろう。 さすがに私もここまで直接見る機会は無いが、思っていたよりは 全然綺麗だった事は一安心であり、やはり低回転を使用しない扱い が良かったのだろう。 F6Aの場合であれば2,000rpmを超えていればある程度 の加速はしてくれるだろうが、F6Bの場合には最低でも2,50 0rpm以上である事が必要で、一定速度をキープする時であれば 2,000rpmを超えていれば良いが、加速をさせたいならば3 ,000rpmはキープしたい所である。 だからと言って必要以上にブン回し続けると壊れてしまう為にそ れはそれで要注意である。 また、この頃は4A−Gや1G−Gと同様にグループインジェク ション式となっている為に、空工程でもガスを噴いてしまう制御を 行っている。 ある説明ではこの空工程でのガス吹きで残った排ガスを綺麗に排 出できるとしていた場合もあるが、それ以上に全開に近ければ近い 程ガスが燃えないのに大量に吹き出す為にかぶる方向になり、グル ープインジェクション式は回転域と負荷によっては全開よりもハー フスロットルの方が立ち上がりが早い事もある。 サーキット走行等のレース関係では使用しない為に実際にどの方 法が早いかはタイム的に検証はしていないが、エンジンのカーボン 付着に関しては明らかに全開を続けるのはよくなく、これまで乗っ てきた感覚では全開にするならば最低でも4,000rpm以上で ある事が条件で、そこまではハーフスロットル以内に止めるのが良 い燃焼室の状態を維持できると思われる。 ◆シリンダーブロック側 エンジンヘッドを取り外してしまうと下図の様にかなりスッキリ とするが、カムカバーやエンジンヘッドが意外と軽い事からも、車 両にエンジンを載せたままでもこれらの作業は簡単にできるだろう が、ハーネスや配管の着脱がどれだけ簡単にできるかが作業性の条 件となるだろう。 特に右側の上下にある2/4ピストンでは、インテーク側にもカ ーボン付着が多い様に見えるが、こけだけの差ではインジェクター の不具合やバラつきと言う事も言えないだろう。 まぁ、何れにしても15年を超える為にインジェクター関係も一 度交換したい所だが、これらは金額的にも高価な為に次回とする事 にする。 ◆その他を見てみる エンジンが下ろしてある事で狭いエンジンルームとは比較になら ないほど部品の交換作業はかなり楽になる事から、この際に他も色 々と見ながら他にも交換する部品を検討してみた。 左下図で右上に見えるプーリーがウォータポンプで、これは以前 オーバーホール第1段 で一度交換している事もあり、ポンプの固定してあるボルトが周囲 の物と比較して綺麗であり、右下図からもわかる様にポンプ内のフ ィンもサビ一つ無く綺麗である。 その矢先に子犬が鳴き出す現象が出た事もあり、油圧低下とまで は行かないにしても15年と言う事もあり、今回はこのオイルポン プをアッセンブリで交換する事にした。 更に交換ついでと言う事もあり少々もったいない気もするが、今 後エンジンを下ろす様な作業も無くなる為に、再びウォータポンプ も交換してしまう事にした。 これは次の交換部品を持ち込む際に一緒に連絡する事にするが、 一度取り外したらガスケットやパッキン等は当然だが、できるだけ ネジ類やホースバンド等も新品にした方が良いだろう。 おそらくスポット溶接を行った際に板金同士に若干の隙間が発生 し、その部分から水が入りサビてきてしまったのだろうが、これだ けサビてしまうと内部が気になる所であるのだが、溶接を取り外す わけにも行かない。 その為に今回はこのエンジンルーム内を中心に、アンダーコート であるパスタ塗装処理を全体的に行ってもらう事にしたが、この部 分に関してはサビ止め処理も行った方が良さそうである。 あとは実際に交換する部品を選定していつもの様にパーツリスト によるリストアップ作業を行い、現在作業が中断している為に早目 に手配を依頼する事にする。 メインに戻る ⇒ 車両関係 ⇒ 自動車関係 ⇒ 軽自動車関係 ⇒ セルボモード ⇒ オーバーホール ⇒ 第七段 ⇒ ガスケット |