交換部品の選定 ◆127-C1 カムシャフト/バルブ おそらく子犬が鳴いている原因は以下にあるカムのオイルシール であると思われる。 この部分にも常時エンジンオイルが吹き付けられていれば大丈夫 なのだろうが、カムカバーの内側からはエンジンオイルがかかって いても、このオイルシールの目的がタイミングベルトカバー内側に エンジンオイルが漏らない様にする為になっている事もあり、どう しても潤滑剤無しで擦れてしまう事で起こるのだろう。 意外とこのオイルシールには組み付ける方向性があり、逆に組み 付けられていて起こったものであれば、今回新品部品で正式に組み 付ける事で完全に原因が解消されるだろう。 しかし、分解した際の組み付け方向を参考に組み付けられてしま うと同じ事を繰り返してしまう事になり、また数年は持つかも知れ ないが遅かれ早かれまた子犬が鳴き出すだろう。 だがF6A/F6Bエンジン整備書にはオイルシールの方向性は 何も記されていないどころか、展開図には載っているものの着脱方 法には一切触れられていない。 その為にこのオイルシールには方向は無いのだろうが、鳴きの原 因であれば部品が無くなる前に何セットか予備で購入して保管して おくと言うのも一つの手なのかもしれない。 価格は下記の様に550円と安価で、高温・高回転に耐えられる 物なのかどうかは不明であるが、純正部品のスペックがわかれば一 般市販品からもう少し耐久性のある物を選べないものなのかどうか であるが、サイズ等が合わないとタイミングベルトにエンジンオイ ルが付着して切れるおそれがある為に注意が必要である。
◆111-D1 シリンダヘッド 上記にあるカム軸のオイルシールを交換するには下図の様にカム カバーを取り外す必要があるが、その際にはカムカバーのガスケッ トが再使用不可能部品に指定されている為に、新たに組み付ける際 には必ず交換する必要がある。 更にカム自体がこのカムカバーに付いてくる為に、カムのオイル シールを取り外す際にはカムを引き抜く必要があり、その際には下 図の右側にあるスラストプレートやクランク角センサーが取り付け てあるハウジングも取り外す必要がある。 その為にこの部分に使用されているガスケットも再利用不可能部 品となっている事からも、必ず組み付けの際には新しいガスケット を使用する必要がある。 ガスケットは形状が崩れていなければ十分再利用できると思われ がちだが、ガスケットが若干つぶされている事や再利用の際に同じ 形状でつぶされるとは限らない為に、再利用を行うと漏れやニジミ の原因となってしまう為に注意する。 そしてガスケットが使用されている部分のボルト類はある程度ト ルクがかけられている場合が多い事や、古くなるとサビが発生して 取り外す際にボルト溝が細る為に、状況に応じて新品に交換した方 がよく、再び分解する事はめったに無い様な部分に関しては必ず新 品のボルトで組み付けた方が安全である。
◆115-A1 オイルパン 今回はオイルポンプも交換する事により下図にある様なオイル パンよりオイルを吸い上げる為のフィルタが付いているストレー ナをも着脱する必要がある。 その為にフィルタと言う事もあり洗浄すれば十分使えるのかも 知れないが、この先もがんばってもらわなければならないので新 品のストレーナと組み替える事にした。 その際にオイルパン自体も取り外す事となる為に、今回はこの オイルパン自体も交換してしまう事にしたが、通常はオイルパン 自体はそのまま再利用しても全く問題なく、できれば周囲のスタ ッドボルトとナット等は交換してもオイルパンはそのままでも十 分であろう。 しかし実物を見てみると意外と錆びており、車検や点検時にパ スタ塗装を行っている為に極端なサビは無いのだが、サビと塗装 の繰り返しで表面が若干凸凹になっている。 その為に今回はボルト関係も全て含み新品部品に交換する。 おまけとしてはエンジンオイルのレベルゲージも交換するが、 ここは全て交換しなくともエンジンブロックに挿し込んであるO リングを交換すれば十分だが、ケージ側にあるゴムシールは単品 販売されていない事から、この部分はゲージごと交換するしかな いだろう。
◆174-A1 ウォータポンプ 今回は必要なかったのかも知れないが、下図が一度交換した事の あるウォータポンプで、今回もボルト類を含め全て交換する事にし た。 この交換に至った理由としては、真下にあるオイルポンプを交換 する際にウォータポンプも取り外す必要があるのかも知れず、取り 外しの際のクーラントがかかったボルト類は錆び易い為に思い切っ て交換する事にした。 もしかするとオイルポンプを取り外す際にはウォータポンプを取 り外した方が楽な場合があり取り外される可能性もある為に、そん な事を想定して最低でもウォータポンプ取り付け面にある丸いリン グ状のパッキンだけでも用意しておくと良いだろう。
◆161-A1 オイルポンプ そしてカムのオイルシールからの子犬の鳴き声と言う事であるが 、油圧低下と言う訳ではないにしろ高温になるオイルを送り込むと 言う事から何れ交換しなければならなくなるだろうが、交換するタ イミング等は無く交換する時には油圧が上がらずエンジンが焼きつ いて気付く結果となる為に、今回の様に大掛かりな作業の際には一 緒に交換する方が良いだろう。 また、昨年に子犬対策の時に行った エンジン内のフラッシング を行った事もあり、オイルポンプ内の汚れがはがれ落ちそうになっ ていたりと言う事も考えて一気に交換する事にした。 ただ、カムカバーを取り外してみた感じではかなり綺麗で、エン ジンオイルが固まって茶色に汚れている所などは全く見られない事 からもこれらの心配はないのだろうが、ここで新品部品に交換して いればもう今後は交換する必要は無くなるだろう。 オイルポンプは下図の様にエンジンブロック高さの半分位を占め 、価格も1.5万円弱と若干高価ではあるが必ず組み付け部分にあ るパッキンも一緒に交換する様にする。 更に、下図の右上にあるリリーフバルブも古くなると不具合の原 因となり易い事から、一緒に購入して交換する方が良いだろう。
◆113-C1 タイミングベルト そして今回もタイミングベルトを交換するが、以前3万キロ前後 だったが10年と言う事で最初のタイミングベルトを交換お願いし たが、それ以来は子犬対策を含め色々な作業を行ってもらう度に交 換している為に、おそらく今回で5回目のタイミングベルト交換に なると思われる。 今回は特にエンジンヘッド等も全て取り外している為に、オイル 等が飛び散ったり保管時の状態等も含めて交換する事にしたが、そ うでなくともタイミングベルトの場合にはテンションの掛け直しは できるだけしない方がよい事もあり交換する事にした。 当然、タイミングベルト交換といえばテンション用のアイドラも セットで交換し、これらのベアリングや軸受けもタイミングベルト とセットで寿命管理を行える様にする。 今回は更にカムスプロケット背面にあるカバーも交換するが、特 にこの部分にある小さなパッキン類は熱で変形しているおそれがあ る為に、これらを交換するのならば全て交換する事にした。 また、これまでは再利用していたタイミングベルトカバーの組み 付け部分にあるシールも今回初めて交換する事にしたが、この辺も 意外と熱で縮まってしまい両端に隙間ができている可能性がある為 に交換する事にした。 そのタイミングベルトカバーをよく見てみると数箇所にゴムか樹 脂製のキャップ等もあり、今回はこれらも含めて全て交換する事に した。
◆112-B1 シリンダ エンジンブロックを見てみると下図の様に油圧スイッチが付いて いた為に、今回は水周りのセンサーは全て交換した事もありこの油 圧スイッチも交換してもらう事にした。 下図からもわかると思うが、この油圧スイッチはインテーク側に ある為に、エンジンが車両に載ってしまうとインテーク側にあるサ ージタンクの真下となり、車両をリフトアップしても狭く厄介な場 所となる為に、今回の様にエンジンを下ろした時には是非交換して おきたい部品である。 またこれは交換する必要が無いかもしれないが、ガスケットが取 り付けられたプレートがあった為に、ついでにこの部分の交換もす る事にした。
◆111-D2 シリンダヘッド 今回はエンジンヘッドを取り外した事により、このヘッドガス ケットは絶対に交換が必要な部品となるが、見た目で破損や変形 が無いからと再利用する事は絶対にしない様にする。 またこれは個人的な偏見であるが、長く使用するのであればメ タルガスケットよりも純正タイプのものの方が良いだろう。 メタルガスケットでもしっかりつぶれる材質であれば良いのか も知れないが、あまりつぶれ過ぎてもオイルやクーラントの通り 道を塞ぎ、下手するとピストン側に出てしまう為に注意が必要だ が、私が見たタイプではつぶれ難いタイプが多く日産のCA18 DETでは5台見ていたうち2台がヘッド緩みが発生し、オイル やクーラントが漏れるトラブルが発生していた。 最も派手な改造を加えたわけではなく、単なるチューニングコ ンピュータとの交換が多く、変更していてもマフラーやインター クーラーだけで全て純正のままである。 おそらくメタルガスケットが熱で変形して隙間ができてしまう 方向になってしまった為だろうが、何れもクーラントがリザーブ タンクが1週間持たないほども漏れていた。 当然エンジンは調子が良いわけは無く、金額もかかると言う事 からエンジンヘッドの増す締めを行ってもらう様に話した所、と りあえずその処置で治まった様であったが、既定トルクの上限値 以上はボルトやブロックの破損となる為に、当人は心配して1年 後には別の車に乗り換えていた。 そんな事もあり、レース用等で一時期に限定して高過給や高圧 縮比仕様とする為のメタルガスケットであれば良いが、何年と使 用する際には純正タイプの方がトラブルが少なく良いだろう。 そしてエンジンヘッドを固定しているボルトであるが、以前4 A−Gや1G−Gの頃はトルクをかけると伸びるボルトが使用さ れている為に再利用不可能となっていたが、RB26DETTや F6A/F6Bでは再利用不可とは記されていない様である。 しかし、しっかりとトルクがかけてあり燃焼時の高温と衝撃に さらされる部品でもある為に、エンジンヘッドを取り外した場合 には是非交換したいボルトである。
◆113-C1 タイミングベルト(追加) そして少し前に記載した113−C1タイミングベルトである が、よく考えてみたらこれだけ交換してしまうのであればタイミ ングベルトカバー自体も交換してしまった方が良いだろう。 価格も上下のカバーで3千円程度の為に、何万円分の部品のう ちであれば大した比率にもならず、もう15年以上となる事もあ り途中で変形したからと言っても在庫していない様になる可能性 もある為に、タイミングベルトカバーはネジ類やシールも全て交 換する事となった。
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