◆極性を反転する回路 この回路はフォトカプラーを用いてマイナスコモンタイプの回路をプラス コモンに変換する回路で、図の様に単なるオープンコレクター出力回路とな っている。 その為にFET(極東)等から販売されているcatz zeta等のヘ ッドライトユニットの様に純正ハーネスから電源を供給する製品には使用で きない為に利用の際には注意する必要がある。 あくまでもこの回路が利用できるのは、ライトコントロールユニットが独 自にバッテリーから電源を供給しているタイプである。 また、永井電子のAutoDIMの様にどちらの極性でも利用できる製品 が販売されている為にこれらの場合は本回路を必要としない。 今回のR33型スカイラインに使用した永井電子製Model.6502 にはこの回路を必要とせず、別ページの HKS製HLC にて使用した回路 で、永井電子の製品でもModel6500では必要になるかも知れない。 ◆使用部品について 製品を取り付ける際に信号が合わなかったりした場合には途中に回路を追加 して利用しなければならない事も少なくない。 それらの回路がリレー等であれば見えない部分に固定してしまえば問題ない が、電子回路を必要とする場合などでは空中配線などするわけにいかず、また 基板を使用して作ったとしても基板をむき出しのままで車内や車外に取り付け るのも危険である。 この様な場合には右図の様なモールドケースを利用すれば、チョッとした回 路を収納できあとはインシュロックタイで固定するか両面テープやマジックテ ープで固定するだけで綺麗に仕上げる事ができる。 今回使用したケースは テイシン電機株式会社 製のモールドケース(TB−9)で、図中は黒色のケースを使用したが灰色の タイプもあり、ケース両端に取り付けブラケット付きの製品もある。 左図はケース内部から部品を取り出した様子で、内部には片面ユニバーサル 基板と基板及びケースのふたを取り付けるタッピングビスが6本出てくる。 この製品を利用すればケースに基板を固定する方法を考えずに済み、この基 板上にさえ部品が搭載できればネジ止めすれば良く、チョッとした回路を組み 付けるには便利なケースである。 価格の方も安価でこのTB−9サイズで300円前後の為に、へたなケース を用意してユニバーサル基板を購入するよりいいだろう。 ただ、上図の下にある黒い丸い部品はゴムブッシュで、このケース内に組み 付けた部品から信号を出し入れする為に線材を通す為に利用するが、右図の様 に線材を引き出したい方向に穴をあけ、予めゴムブッシュをセットしておく必 要がある。 ケース内部にはプリント基板を取り付ける為のスペーサがある為に、実際の ケース幅よりかなり内側に穴をあける必要があり、よく検討してから穴を開け ないと線材が通らないだけでなく基板取り付け用スペーサを切り取ってしまう 事にもなりかねない。 その為に、線材を通す穴を開ける際には十分検討してから穴あけをする必要 があるだろう。 回路中で使用する部品は抵抗・ダイオード・フォトカプラ・LEDとごく一 般的なものばかりで、単なるスイッチングとして利用しているだけの為に指定 した部品でなくとも構わない。 LEDは2色LEDとか同じ色でも構わないが、動作表示灯が必要でなけれ ば取り付ける必要が無いだろう。 その際にはLEDと直列に接続してある抵抗を1kΩから2.2kΩ前後に 値を変える必要があり、これを行わないとLEDに電流が流れ過ぎて破損する 恐れがあるだろう。 ◆ケースからの配線 車両に使用する配線材としては電流的に定格内であっても0.5゜以上の 太さを選択し、できれば0.75゜や1.25゜等が望ましい。 これは、車両ハーネスに割り込ませたりする際に引っ張ってちぎれたりす る場合や使用するコネクター等も太い線材の方がしっかりと取り付けられる 為に無理に太い線材を使用する必要も無いが束ねる線材の本数等も考慮し太 さを考慮すると良い。 また、右図の様にケースから線材を出す際は必ずゴムブッシュを使用する 様にし、車両取り付け後に振動で線材がケースと擦れて断線・ショート等し たりしない様にする。 線材は入力と出力に分けた方がわかり易く、多くの線材を1本の穴に入れ るよりは余裕が持てるだろう。 線材の先端には4極カプラーを使用し、ハイビーム用とロービーム用の信 号がコモンとペアで入出力出来る様にしている。 当然であるが、信号を入力する方はオスコネクターを使用し、出力コネク ターにはメスコネクターを使用する様にする。 これは出力の方がコネクターを外したままで通電した際に端子に手が触れ ない様にする為で、車両の様に12V程度であれば触っても感電する事は無 いが、外したコネクターが金属部分に触れてショートする可能性もある為に コネクターを開放した際に危険と思われる方にメスコネクターを使用する。 また、両方のコネクターから電圧が出力される場合もあるが、その際には 破損した際に致命的なダメージが発生する方にメスコネクターを使用すると 良いだろう。 ◆部品の組み付けと配線 ユニバーサル基板を使用して回路を組む際には、実際に回路図を書いた物と 同じ部品配置で製作すると間違いが少ないだろう。 上図の回路図と右図を見比べてもらうとわかると思うが、フォトカプラの左 側に部品が多く右側から信号を出力する様にする。 実際は回路図と実装図では赤色のLEDと緑色のLEDが逆に並んでいるが、 今回の回路はハイビームとロービームで全く同じ回路が2回路である為に特に 問題にならないが、ハイビームが上で赤の方がわかり易いかと思い途中で実装 を変更した。 今回使用したモールドケースに付いていたユニバーサル基板は、片面基板の 為に半田付けし難く無理に熱を加えたりするとパターンが剥がれて来てしまう 恐れがある。 実装する部品はフォトカプラを除いては左図の様にかなりリードが長く付い ており、これらを基板の裏側でしっかりと折り曲げて部品が外れない様にして から半田付けする様にする。 フォトカプラの短いリードも全て折り曲げてから半田付けすればよいが、最 低でも対角状に2箇所はリードを折り曲げて半田付けしないと、半田付けする 為に基板を逆さにした場合などに部品が外れ落ちてしまう可能性がある為に、 部品のリードは必ず折り曲げてから半田付けする必要がある。 この部品のリードは長い為に折り曲げて固定する他に、折り曲げ方向を工夫 して回路配線用のジャンパーとして利用すると良い。 本来はこの様な方法は良くないのだが、狭い基板の上で部品間を配線する方 法としては便利で、右図の様にスッキリと配線を行うことが出来る様になる。 また、部品を基板に実装する際にはなるべく部品のリードを折り曲げただけ で配線が出来る様に配置すると良いだろう。 部品間のジャンパーにより回路が完成したならば、最後に信号の入出力用の 線材を半田付けしておく。 この線材はゴムブッシュから通してインシュロックタイ等でケース内側にて 固定して線材が抜けない様にする必要がある。 全て配線が終わったならば、付属のタッピングビスを使用して左図の様に基 板をケースに固定する様にする。 ケースに基板を取り付ける前に回路の動作確認を行っておき、間違っていた 場合には先に修正しておく様にする。 メインに戻る 修理・分解選択メニューに戻る HLC Model.6502選択メニューに戻る |