MITSUBISHI製 天井カセット形ハウジングエアコン MLZ-RX28RAS [1方向形]
エアコンの故障と新エアコン選定


◆ついに壊れる・・・
 このエアコンも10年以上で15年近くになると思うが、つい に電源も入らなくなってしまった。
 5年前位にも上下にある送風用モーターのうち下側のモーター が停止しなくなり、修理を依頼してメイン基板の交換により直っ た様であった。
 その後、今度は上側のモーターが回らなくなる事があったが、 回る時と回らない時がある為に、回路的に故障したのかモーター なのかを確認してみた。
 その結果はどちらでもなさそうで、送風駆動がかかってから回 らない時にもブロアーを手で回すとある程度回る事から、モータ とは反対側で右図にある軸受けを分解してグリスアップのし直し により一時期は元気に動いていた。
 しかしそのうちにまた動作しなくなった為に上下のモーターを 交換してみようとしたが、似た様な形状であるものの上部モータ ーはDCモーターで下部にはACモーターが使用されている為に 交換できなかった。
 その為に、しばらくはブロアー駆動がかかったらブロアー自体 を電線等で突っついて使用していたのだが、再び下部モーターが 暖房の時のみ停止しなくなり、ついには何度電源を入れ直しても 電源が入らなくなってしまった。
 この様に軸受けや制御関係のトラブルを抱えたままでは修理代 もかかり、15年近く経つ製品の為に修理部品もあるかどうか不 明で、修理してもいつまで持つかわからない事からもエアコンを 付け替える事にした。

◆代替エアコンを探す
 現在使用しているエアコンは左図にある様な据え置き型の室内機 を使用しており、壁面取り付け用の壁から飛び出た感じが無い様に していた。
 また、冬場ではエアコンのヒートポンプ式による暖房では温まり 難く、特にこの部屋は一時的に来客の時のみ使用する事からも、冷 え切った温度からすぐに部屋を暖める必要もある事から火力に頼る 暖房が必要であった。
 しかし一般的な石油ファンヒータでは結露がひどく、別ページに あるオーディオルーム内の 【電源と冷暖房】 でも説明してある様に、着火後はどんどん湿度が上がり2時間まで は80%を超える湿度となってしまい、機器類が汗をかいた様にな ってしまう為に暖房はFF式のファンヒータを使用する必要があっ た。
 そんな時に出合ったのが今まで使用していた冷媒加熱型エアコン で、冷房は普通のエアコンと同様に動作し暖房の際には冷媒を石油 バーナで加熱して暖めると言った方式の為に、FF式ファンヒータ の様に室内に石油を引き込む必要も無く、右図の様に室外機に冷媒 の配管の他に石油の配管も取り付ける様になっている。
 その為に一時期お騒がせした松下のFF式石油暖房機による事故 の様に、室内機からの煙突も出ない事から非常に安全な冷暖房機器 であった。
 これらの事からも室内機と室外機の配管・配線工事は通常のエア コンと全く同じでよかった為に工事的にも楽であり、室外機には上 図左図の様に石油タンクの配管が増えるだけであった。
 しかしいつからか冷媒加熱エアコンは各メーカ共に出始めたと思 ったら少しずつ姿を消してしまい、以前故障した時にはまだ東芝が 残っていた為に購入を見送ったが、今回再び冷媒加熱エアコンを探 してはみたが全く無くなってしまっていた。
 ただ、東芝だけが店舗用として冷媒加熱形のエアコンを販売して いたが、店舗用の為に容量も大きかった他にも100万円を超える 金額だった為に断念した。
 その中で松下電器製の冷媒加熱エアコンが見つかったのだが、上 図の様に室外機が霜付かない様に暖める方式で、暖房運転が停止し 霜取り動作にならない様にした物であった。
 その為に、暖かさは継続するものの真冬の室外温度でのヒートポ ンプ式温度では部屋を暖めるには不十分で、事実2001年式の1 0畳タイプでは生温い風が出てくるだけである為に、いくら暖房運 転が停止しないと言ってもヒートポンプ式だけで暖めるには無理が ある。
 そこで冷暖房のエアコンを取り付ける他にFF式のファンヒータ も設置する事にしたが、FF式のファンヒータはこれまでエアコン を設置していた場所に置く事になる為に、自動的に冷暖房エアコン は壁かどこかに取り付ける必要が出てきた。
 その為に左図の様な一般的な壁取り付けタイプの室内機を取り付 ける為には、できるだけ見えない右図のソファー側面へと検討した が、ここ数年の室内機は高さが小さい分幅があり、右図の時計が取 り付けてある壁の幅では取り付けが不可能であった。
 更にこの壁面の裏側は玄関の真横になってしまう為に、室外機は 別の所に置く必要があるが、真後ろに配管を出せないとなると一旦 ドレン配管を真下か真上に向ける必要性があり、このドレン配管の 都合上でもこの場所への取り付けは無理である。
 しかし、右図の様な厚みのある室外機でなくとも壁面から飛び出 てしまう事と、左図の様に正面に取り付けるとなると左右のバラン スが崩れてしまう事からも、壁面への室内機取り付けは絶対に無理 である。
 その為に室内機が壁面取付でないタイプから探す事にした。

◆壁面取付以外を探す
 松下電器では左図の様なコーナー形エアコンを販売していたが、 やはり部屋の角に取り付ける為に見た目のバランス的にイマイチで 、上図の様に天井の中央部分が高く持ち上げている事もあり外周に 取り付けるには幅が狭く、高く持ち上がっている部分に取り付ける には中途半端に飛び出てしまう事からもコーナーエアコンの使用も 見送る事にした。
 そして壁面に埋め込む右上図の様なビルトエアコンがあるのだが 、こちらは壁面内部の構造によっては問題があり、後付では壁を剥 がしてビルトエアコンの取り付け部分を覆う様な補強が必要になる 為に、大掛かりな工事となってしまうだろう。
 その為に今回は右図にある様な天井埋め込み形のエアコンを使用 する事にしたが、当初はビルトエアコンをはじめ高価な為に見送っ ていたが、意外と割引率が大きく多少高価な新型エアコンを購入す るつもりの金額で購入できてしまうと言う事から決定した。
 しかし、工事費は壁面に取り付ける一般的なエアコンと比べると 3〜4倍の費用はかかる事や、天井裏の構造によっては取り付けら れない場合や取り付け位置が限定される場合がある為に、取り付け る前には購入店や設置業者とよく相談の上で一度現状を調査しても らうと良いだろう。

◆三菱天井カセット形
 取り付け方法を調べるに当たっては先に据付工事説明書が入手で きればよいのだが、最近はようやく取扱説明書のダウンロードはで きる様になったもののやはり据付工事説明書はまだあまりダウンロ ードできるサイトは少ない様である。
 そんな中で取扱説明書はもちろんだが据付工事説明書の他にも、 様々な資料がダウンロードできる三菱電機製のエアコンを使用する 事にした。
 
 今回使用する予定の三菱製天井カセット形ハウジングエアコン( MLZ−RX28RAS)では、上図の様に一番気になっていたド レン配管の問題が解決し、室内機から50cmもの位置に上げられ る事ができ、更に室内機の厚さが20cm弱と薄い為に、よほどの 事が無い限りはほとんどの場所に取り付けられるだろう。
 特に今回取り付ける部屋の天井は中央部分が2段になっており、 この天井裏に凹んでいる部分に取り付ける予定の為に条件的には厳 しく、室内機の奥行きは薄いに越した事はない。
 天井に室内機を取り付ける事により上から下へと吹き出す事によ り部屋内の空気をかき回す事ができ、従来の据え置き型の様に夏は 下の部分だけ冷え冬は上の方だけ暖かいと言う事が無くなるだろう 。
 特に今回使用する物では右図の様に吹き出し方向を上下左右に動 かす事ができる為に、従来の様に部屋内の上下における温度差も解 決できるだろう。
 また、同シリーズには2方向吹き出しタイプもあったが、部屋の 前方に取り付けソファーは手前方向にある事から、今回は1方向吹 き出しタイプの製品を使用する事にした。
 また、この1方向吹き出しタイプの天井カセット形エアコンには 今回使用するRXシリーズの他にGXシリーズがあるが、下表にあ る比較表の様にほとんどの機能は全く同じである。
 この2機種の相違点は下表にある6項目で、2種のフィルターが 搭載された事とフラップの動作が異なる点であるが、フィルタに関 してはカテキンタイプでなくとも普通の網タイプの物が取り付けて ある為に内部へのホコリの吸い込み具合は変らないのだろう。
 しかしこのフラップに関した項目は大きな違いで、今回使用する RXシリーズでは上下フラップと左右フラップが電動で動作するの だが、GXシリーズでは上下フラップのみ電動で動作するが左右の フラップは手動によりのみ可変できる構造となっている。
 その為に部屋中の空気をかき回す事ができる他に、自動フラップ モードを使用せずにリモコンからフラップを好きな所で停止できる 事からも、フラップ調整に踏み台やはしごを用意する必要は無い事 からもRXシリーズの方が良いだろう。
 
 このRXシリーズとGXシリーズでは若干の機能面での違いだけ でなく、上記の様に同じ能力を発揮している時にはRXシリーズの 方が若干ではあるが消費電力が少なくなっている。
 若干とは言っても暖房で90Wと冷房で15Wと少なくなってお り、暖房では23インチワイド液晶テレビと同等の消費電力の差が ある。
 またインバータによる制御では最低能力時の消費電力は変らずと も、最大能力時には冷房に関しては30W低い消費電力でも100 Wも能力が上がっている事がわかるだろう。
 しかし暖房では最大能力が500Wも上がっているものの消費電 力も10Wほど多く消費してしまうが、能力がアップした分早目に 温まれば結果的にRXシリーズの方が省電力で済むと言う事になる だろう。
 もっとも今回は冷房用として取り付ける為に、上記比較表からは 能力・消費電力面からは絶対的にRXシリーズの方が良い事になる だろう。
 だが、本体価格が1万円ほど高価になり、更に化粧パネルも5千 円ほど高価になる事から1.5万円高となってしまうが、オートフ ラップの便利な機能と省エネタイプと言う事ではRXシリーズの方 が良いだろう。


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