MITSUBISHI製 天井カセット形ハウジングエアコン MLZ-RX28RAS [1方向形]
エアパージ(真空引き)


◆真空引きについて
 エアコンの取り付けに関した個人的なホームページを見ても真 空引きを行っている所が少ない様で、真空引きを行う旨を記載し た業者のホームページも多い様である。
 当方でもこれまで旧式冷媒の時に2回、新型冷媒になってから も3回ほどエアコンの取り付けを業者に行ってもらったが、一度 も真空引きをした設置を行った業者は無かった。
 中でもそのうちの2回は松下の販売店から購入し、直接松下か らの依頼で来た取り付け業者ですら真空引きは行っていなかった が、この時は旧式冷媒だった為に真空引きはしない事が常識だっ たのかも知れない。
 また、エアコンの室内機取り付けにおいても見た目を全く無視 した取り付けが多く、2回ほど自分で取り付け直しした事もあっ た為に、今回の様に大掛かりな工事では安心して任せられる業者 があるかどうか不安であった為に自分で取り付ける事にした。
 その為に真空引きもしっかりと行う様に機材関係も準備したが 、安価なセットでは2〜3万もあれば十分揃えられる為に、商売 としては機材費の問題よりも真空引きの時間の問題なのだろう。
 
 今回使用した真空引き用機材関係の説明は別ページの 【設置工事部材の調達】 にある中から『◆真空引き用ポンプ&ゲージ』でも紹介している が、真空到達度は低くなるものの一気に真空度が増すよりもじっ くりと引き込める様に、あえて今回は左上図の様なシングルステ ージの真空ポンプを用意したのだが、結果的にはある程度までは 一気に真空度が上がる為に、最終的な真空到達度からすると2ス テージの方がよいだろう。
 そして今回用意したシリーズの2ステージポンプは価格差が5 千円前後であった為にさほど差は無いが、ひとつ上のシリーズで は4ポールモーター使用と言う事で熱が持ちにくく低振動と言う 事はよいのだが、回転数が半分になっているのだが排気量はあま り変わらない為に、ゆっくり引き込むと言う事に関してはどちら を使用しても変り無いだろう。
 更に今回は右上図の様なチャージバルブも用意したが、これか ら説明してある部分を参考にしてもらうとわかると思うが、これ を使用する事で無駄なガスを漏らしたり、ホースを取り外す際に 手に直接ガスがかかってしまう危険性も最低限にする事ができる 為に、チャージバルブはあれば便利なもので、気を付けて作業す れば特に無くとも構わないだろう。
 
 ゲージに関してはよく見かける左上図のHIGH/LOW用の 2つのゲージが付いたマニホールドを用意したが、LOW側のゲ ージは真空用として使用する物だとばかり思っていたが、現物を 見てみると2つとも正圧用のゲージであった。
 どちらもかろうじて1目盛りだけ真空側にあるのだが、微妙な リークテストでは全くわからない為に、もしも真空引きだけの作 業であれば右上図の様な真空専用ゲージを用意すべきだろう。
 今回はどちらも用意した為に両方使用しての説明を行うが、真 空ゲージだけでよければ2ゲージのマニホールドを購入する半額 位で済む様になるだろう。

◆接続する配管について
 今回は左下図の様にゲージマニホールドと、右上図の様な真空 ゲージを用意したが、これらには接続用のホースが付属している 物を購入した。
 これらのホースは色違いなだけでどれでも同じ仕様の様だが、 真空用が黄色で低圧用が青色と高圧用が赤色となっており、ホー スの両端にはR410A用として使用できるコネクターが取り付 けられており、その片側のコネクターはストレートであるがもう 一方のコネクターは右下図の様に若干折り曲げられている形状と なっている。
 
 この右上図の様に折り曲げられたコネクターには虫ピン押し用 の突起が付いており、コネクターの口を見ると左下図の様にコネ クターの中央部分に突起が付いているのがわかるだろう。
 しかしこの虫ピン押しはエアコンの室外機にあるサービスポー トに接続する部分にだけ必要で、他の真空ポンプやゲージ類への 接続には邪魔になってしまい、いくら締め付けてもこの虫ピン押 し部分が邪魔になり、配管同士が浮いたままとなりガス漏れの原 因となってしまうだろう。
 
 その為に今回用意した虫ピン押しは左上図の様に平たい形状を している事からも、右上図の様にラジペン等を使用してネジを取 り外す際と同様に左回しにする事で、この虫ピン押し自体が右上 図の様に飛び出してくる様になるだろう。
 そして最後まで回しきると、左下図の様にホースのコネクター から虫ピン押しのみを取り外す事が出来る様になっている。
 しかし、これらのコネクターの材質は真鍮製なのか柔らかい為 に、左下図の様にラジペン等で挟み込むとその部分には簡単に傷 が付いてしまうだろう。
 その為に、虫ピン押しを取り外す際にはできるだけ傷の付かな い物で取り外すと良いが、おそらく虫ピン押しが必要な部分は1 箇所で、他の用途で使用しない限りは今回取り外した部分は以後 絶対に使用する事は無いだろう。
 
 そして虫ピン押しを取り外したコネクターは右上図の様になり 、右上図の左側が虫ピン押しが元々無かったストレートコネクタ ーで、右側が虫ピン押しを取り外したアングルコネクターである 。
 また、今回の様に予めチャージバルブを用意して使用すると、 このチャージバルブ自体が虫ピン押しをハンドルで行う構造の為 に、チャージバルブを使用するとなると全てのホースにおいて虫 ピン押しが不要となる。

◆チャージバルブの接続
 そしていよいよゲージや真空ポンプをホースにて接続するが、 ここでは下図の様にエアコンの室外機側から取り付ける様にして いるが、まずは最初に下図にあるピンク色のハンドルを持つチャ ージバルブをホースに取り付ける様にする。
 ここで使用するホースは青色の低圧用のホースを使用し、虫ピ ン押しが付いていたアングルタイプコネクターが室外機のサービ スポートに接続される事から、チャージバルブには左下図の様に アングルタイプのコネクターを取り付ける様にする。
 アングルタイプのコネクターも効率よく取り付け、チャージバ ルブを室外機に取り付けた際にホースが若干下を向く様にチャー ジバルブを取り付け、更にアングルコネクターでも下側を向く様 な感じになる様に取り付けると良いだろう。
 
 チャージバルブのサービスポート側に取り付く形状は左下図の 様になっており、中央には丸く凹んだ物が見えると思うが、これ がピンクのハンドルを回す事で飛び出してくる様になる。
 そうすれば右下図にある様なホースについていた虫ピン押しと 同様にサービスポート内の虫ピンを押す事になる為に、チャージ バルブを室外機のサービスポートに取り付ける前には、必ずハン ドルを左回しにして左下図の様に虫ピン押しを凹ましておき、サ ービスポートへの取り付けの際にガス漏れを起こさない様にする 。
 これらの事からもチャージバルブを使用してバルブを閉じてお けば、どこから配管しても絶対に配管途中でガス漏れを起こす事 は無いだろう。
 
 チャージバルブを取り付ける際には左下図の様にして、サービ スポートにあるキャップをスパナ等を使用して、予めこれらを取 り外しておく様にする。
 サービスポートのキャップを取り外す際には、左下図の様にド レン配管が近くにある場合には、レンチ等で潰してしまい破損し 無い様にして取り外す様にする。
 
 サービスポートのキャップを取り外したならば、あとは先程組 み立てておいたホース付きのチャージバルブを右上図の様に取り 付ける。
 その際のコネクター締め付けに関しては工具できつく締め付け る必要は無く、逆に工具で締め付けてしまうとコネクターが破損 したり、上図でもわかる様にコネクターの中央にある黒いゴム製 のパッキンが異常に潰れて変形してガス漏れを起こす危険性があ る。
 その為に配管関係のコネクター締め付けは、指で締め付けられ る範囲で十分である。

◆ゲージと真空ポンプの接続
 その後、ゲージマニホールドと真空ゲージを接続してから真空 ポンプを接続する。
 
 その接続順は下図の様になり、真空管系は全て真空ポンプ側に 取り付ける様にして、今回はあまり関係ないがゲージマニホール ドは正圧も見れる様に室外機側に取り付ける様にする。
 特に真空ゲージは真空圧測定専用となっている為に、正圧をか けてしまうと破損してしまう可能性がある為に、真空ゲージは必 ず真空ポンプに接続するものと覚えておいた方が良いだろう。
 それでも真空ゲージのバルブを閉じないでエアパージを行って しまうと、室外機側から冷媒ガスが入り込み高圧がかかり壊れて しまう為に、エアパージの際には十分注意してバルブの開閉を行 う様にする。

◆真空ポンプのオイル
 真空引きを行う前には、必ず真空ポンプのオイルを確認してお く必要があり、新品時にはオイルが全く入っていない場合が多く 、使用した後でもオイルが不足していたり汚れている可能性もあ る為に注意して確認する様にする。
 オイルの量は下図手前側に見える丸い穴から確認できるが、こ の製品ではこの丸い部分のゲージに半分までオイルを入れておく 必要がある。
 
 オイルはできるだけ指定されたオイルを使用し、まだ汚れてい ないオイルでも次回使用する際には必ず新しいオイルに交換した 方がよいだろう。
 今回使用した真空ポンプでは、上図のオイルゲージ部分の下に ある丸いネジがドレンボルトとなっており、古いオイルを抜き取 る際にはこのドレンボルトを取り外す様にする。
 そして新しいオイルの充填には、右上図の様にオイルゲージの 上部にある大きなキャップを取り外した部分から供給し、真空時 にオイルの噴出しを防止する為にも、オイルゲージの半分を上回 る様なあまり多くのオイルを入れない様にする。

◆真空引きによるエアパージ手順
 今回使用したエアコンに添付されている据付説明書には、以下 の様な感じで真空引きとエアパージ方法が記載されているが、基 本的にはどこのエアコンでも同様の手順であろう。
 しかし今回の真空引きとエアパージ手順は、基本的に上記手順 に基づいてはいるものの、部分的には若干独自的な部分を追加し て行ってみた。

◆独自の手順による作業
@初期真空による吸出し
 配管関係が全て間違い無いかを確認したならば、チャージバル ブは閉じたままでゲージマニホールドのバルブ及び真空ゲージの バルブも全て開放しておく。
 そして真空ポンプのバルブも閉じておいてから、真空ポンプを 回転させておき、まずは真空ポンプのバルブを開けてチャージバ ルブ手前までの真空引きを行う。
 この際には真空ポンプのオイルか配管内の水分なのか、白煙の 様な物が出ている場合には、必ずその白煙の様な物が見えなくな るまで真空引きを行う様にする。
 チャージバルブ前までの配管は短い為に真空度は簡単に上がり 、右下図にある様に真空ゲージはすぐに−0.1MPa近くにな るだろう。
 
 そこから更にチャージバルブを少しずつゆっくりと右回しで開 けていき、全開になったならば再度真空ポンプから白煙等が出て いないかを確認する。
 そして1〜2分ほど真空引きを行ったならば、真空ポンプは運 転したままで左下図にある真空ゲージ真下にある十時状のバルブ を完全に閉じる様にする。
 ここで一旦リークテストを行っておくが、真空ゲージのバルブ を完全に閉じた事を確認したならば、発熱防止の為に一旦真空ポ ンプは停止させておく様にする。
 
 リークテストではゲージの指針が下がって来るかどうかを確認 するもので、比較し易い様に真空ゲージのバルブを閉じたならば 右上図の様にその時点での指針に合わせて赤い針を中央のダイヤ ルを回して合わせておく様にする。
 ここで数分以上待つ事になるが、漏れが大きいほど早く真空が 抜けてくるが、微妙な場合にはある程度待たないと指針としては 現れて来ないかも知れない。
 完全に真空引きしてからのリークテストでも構わないが、時間 をかけて真空引きしても漏れていれば無駄な時間となってしまう 他、急激に真空になった為の配管内温度も落ち着かせる意味でも 、一旦ここでリークテストを行っておいた方が良いだろう。

A本引き真空による吸出し
 第一段階でのリークテストで漏れが無ければ、いよいよ本格的 に真空引きをする。
 ここで間違ってはいけないのが、必ず真空ポンプを回してから 真空ゲージのバルブを開ける様にするが、誤って真空ゲージのバ ルブを先に開けてしまうと真空が抜けるだけでなく、大気中の水 分をタップリ吸ってしまう事になる為に、絶対に手順は間違えな い様に注意する必要がある。
 その為に必ず真空ポンプを回してから、それも真空ポンプを回 してから5秒以上回し続けた後に真空ゲージのバルブを開ける様 にする。
 
 そして今回は真空ポンプの発熱も考慮して20分間の真空引き としたが、それでも15分程度でもかなりの発熱となり、熱くて 真空ポンプ自体を手で触り続けていられない程になる。
 最初はモーターの発熱と思っていたが、手で触る位置を変えな がら調べてみると、モーター部分ではそれほど熱くは無く、丁度 オイルを充填してある部分である真空ポンプ部分が非常に熱くな っている様である。
 気温も25度前後で直射日光もない風当たりの良い場所だった わりには、結構熱くなってしまう事からもあまり長時間の運転は 真空ポンプを痛めるだけであろう。
 
 第一段階では5分以内の為に真空ゲージは左上図の様になって いたが、そこから更に20分間真空引きを行った結果、右図の位 置まで真空度が上がった。
 更にここでもう一度真空ゲージの十時状のバルブを閉じてから 、真空ポンプを止めて再びリークテストを行うが、今回は真空ポ ンプの冷却も兼ねて20分間のリークテストを行った。
 このリークテスト時間の根拠は無く、真空度が増した分でのリ ークテストは時間をかければそれだけ確実であり、この20分と 言う時間は結果的に真空ポンプがかなり冷えた状態になるまで待 ち続けた時間となっている。

B更に真空引きによる吸出し
 そして再び上記と同様に、真空ポンプを5秒以上回転させてか ら右下図にある真空ゲージの十時状のバルブを開く様にする。
 本来は上記真空本引きで終わっている手順が多いのだが、長時 間のリークテストを実施し、その際に配管内温度も落ち着き直し た事により、ここから再び真空引きを行ってみた。
 
 ここからでは真空ゲージを見比べてみても、これ以上は真空度 も上がらない様であるが、更に内部の水分等が抜けきれる様にと 念を押した手順である。
 2回目の真空本引きは10分間とし、右上図の真空ゲージにあ る十時状のバルブを再び閉じておき、ここでも更に5分程度のリ ークテストを行ってみた。

C冷媒ガス充填の準備
 そしていよいよ冷媒ガスの充填作業になるが、その前に万が一 真空ゲージに冷媒ガス圧がかかってしまうと破損してしまう為に 、今度は左図の様にホース側に付いているバルブを右下図の様に 90度回転して閉じておく様にする。
 これは今まで閉じていた真空ゲージ正面から見た部分にある十 時状のバルブでは、真空ポンプ側を閉じているだけで室外機側は 真空度を見続ける為に開放されている為である。
 その為に今回は室外機側に接続されているホース側を閉じる為 に、下図の様な小さなレバー式のバルブを閉じておく必要がある 。
 
 更に下図にあるゲージマニホールドのバルブも閉じておくが、 こちらは青いゲージである低圧のLOW側のバルブを右図の様に 回しておき、真空ゲージ側の配管を閉じる様にする。
 
 今回使用したゲージマニホールドのバルブは、90度回転させ るだけで簡単に開閉できるボールパルブタイプの為に、左上図の 様にバルブのつまみを縦方向にするとバルブが開放され、左下図 の様にバルブのつまみを横方向にするとバルブが閉じる構造とな っている。
 本来はこの部分のバルブを確実に閉じていれば真空ゲージ側に 冷媒ガス圧がかかる事は無いのだが、万が一を考慮して必ず真空 ゲージ側のバルブも閉じておく方が安全であろう。
 
 この状態では室外機側の圧力を表示する様になっており、ゲー ジマニホールドの中央に取り付けられた黄色い配管側が閉じられ た事になるが、冷媒を充填するまでは右上図の様に真空を保った ままになっている事を確認する。
 万が一、この状態で右図の様にゲージが真空側に無く、ゼロ表 示となってしまった場合にはどこかでバルブの開閉手順を間違っ た事になり、配管内にはタップリと湿気の混じった空気を吸って しまった事になる。
 そこから再度真空引きを行っても、本来の排湿ができるものな のかどうかは不明な為に、絶対に真空引きの手順は間違わない様 にする必要がある。

D2/3方弁キャップの取り外し
 エアコンの冷媒ガスは全て室外機に充填されており、今回使用 した製品では配管長が7mを超える場合には追加冷媒を充填する 必要があるが、今回はギリギリ7mを超えるか超えないかと言う 所だった為に、とりあえずは追加充填無しで行ってみた。
 冷媒を追加充填するとなると追加冷媒の購入だけでは済まず、 充填容量を計測する必要がある為に高価な計測器が必要となる為 に、もしも必要になったらメーカー等を通じて業者を紹介しても らう等した方がよいだろう。
 
 その室外機に充填されている冷媒を配管に通す為には、上図の 配管を接続した2方弁や3方弁を開放する必要があるが、通常は このバルブがキャップで封じしてある為に、上図の様にスパナ等 を使用してキャップを取り外しておく様にする。
 取り外すキャップは上図の様に冷媒配管を接続した部分とは9 0度向いた部分にあり、まちがっても冷媒配管を取り外さない様 に注意する。

E配管に冷媒ガスを充填する
 上記の様にキャップを取り外すと左下図の様にキャップを取り 外した奥にはHEXレンチ(六角棒レンチ)をかける穴が見える 為に、この部分を回転させてネジを取り外す様に左回しに開放す れば冷媒ガスの配管への充填は完了する。
 この冷媒ガス充填用のバルブは2つ共に開放とするが、結果的 にはどちらから開放しても構わないのだが、確実に室外機から室 内機までと配管の全てにガスが充填されたかどうかを確認する為 には、右下図の様にサービスポートが付いていない2方弁側から 開放する様にする。
 これは、室内機等にもバルブが付いていた場合にサービスポー ト側から開放してしまうと、どこでつまっていてもゲージに加圧 されてしまう為に全体の確認ができなくなってしまうからである 。
 
 その為に冷媒ガスを配管に充填する際には右上図の様に必ずサ ービスポートでない2方弁から開放し、左下図の様にゲージで加 圧されているかどうかを確認しておくと良いだろう。
 また、配管に加圧する為に2方弁側を開放する際には、できる だけ急激には開けない様にして、配管への急激な圧力変化や配管 内温度等の変化はできるだけ少なくなる様にゲージを見ながら微 妙に調整して開放する方がよいだろう。
 
 左上図の様にゲージが上昇して安定したならば、バルブを全開 にして右上図の様にHEXレンチをかける部分が飛び出して回ら なくなるまで回し続ける様にする。
 その際にはHEXレンチは左下図の様に長手方向に挿し込み直 しておき、バルブのネジに無理な力がかからない様にしておくと 良いだろう。
 
 そして2方弁を全開にしたならば、今度は上図の様にサービス ポートが付いた3方弁側も全開にしておくが、こちらのバルブを 開ける際には既に全体に冷媒ガス圧がかかっている為に、ラフに 開けても冷媒ガス圧には一切関係ない。
 その為に普通にバルブを開けて、こちらも右上図の様に手前ま で目いっぱいに持ち上がるまでバルブを開放しておく様にする。

Fゲージ類配管の取り外し
 屋外機から配管や室内機への冷媒ガス充填作業が終了したなら ば、あとはサービスポートから配管を取り外せば完了となる。
 しかし配管を取り外す際に順番を間違えると冷媒ガスが手に吹 き出すおそれがある為に、できるだけ直接手に冷媒ガスが当たら ない方法で取り外す順番で説明する。
 まずは大元である左下図のサービスポートに取り付けたチャー ジバルブを閉じておくが、通常のバルブは閉じると言うと右回し になるのだが、このチャージバルブは右回しにすると虫ピンを押 す方向になり、結果的にバルブを開いてしまう事になる点に注意 する。
 その為に右下図でもわかる様に、チャージバルブは左回しにす る事で閉じる事となる。
 
 これで冷媒ガス系統からは全ての真空引き機材が切り離された 事になるが、まだチャージバルブとゲージマニホールド間には冷 媒ガスが加圧されたままになっている為に注意する。
 その為に、左下図の様にゲージマニホールドの中央に取り付け た黄色い真空配管を取り外してから、右上図の様に低圧側のLO Wバルブを開放する事で、チャージバルブからゲージマニホール ドまでに加圧されていた冷媒ガスが、取り外した黄色い真空ホー スの取り付け口から勢いよく『シュッ』と音を立てて抜け出る為 に、この部分に手を近づけない様に注意する。
 
 冷媒ガスが加圧されている時には右上図の様に低圧側のゲージ が上がったままだが、上記操作で冷媒ガスを抜き取ると左下図の 様に低圧側のゲージは一瞬でゼロとなる。
 一瞬で冷媒ガスが抜けない場合にはチャージバルブを閉めてお かなかった事が考えられ、急いで左下図にある低圧側のバルブを 閉じてからチャージバルブを再度確認する様にする。
 
 左上図の様に低圧側の加圧が抜けた事を確認したならば、左図 の様にチャージバルブから青い低圧用のホースを取り外す様にす る。
 あとはゲージマニホールドから真空ゲージと真空ポンプはどの 順番に取り外してもよく、キャップ等が紛失しない様に取り外し た先からキッャプ等を取り付けてケースに収納しておく様にする 。

Gチャージバルブの取り外し
 次にサービスポートからチャージバルブを取り外しておくが、 先にホースが取り付けてあった部分には左図の様に付属していた キャップを取り付けておく様にする。
 
 そして左下図の様にしてサービスポートからチャージバルブを 取り外すが、微量ではあるがこの部分にも冷媒ガスが加圧されて いる為に、できるだけ指の先だけでネジ回す様にする。
 しかしチャージバルブを使用しないと、先程取り外した青い低 圧用のホース分だけの冷媒ガスが噴射する事から、いかにチャー ジバルブを使用した方が安全かがわかるだろう。
 また、サービスポートに直接ホースを接続すると、ホース内部 の突起で虫ピンを押す為に、ホースを取り外している途中でも冷 媒ガスが漏れる可能性があり、その点ではチャージバルブは取り 外す前にハンドルで押していた虫ピンを離している為に、これら の点でも少ない冷媒の損失で済む事がわかるだろう。
 

H各配管のキャップ取り付け
 そしてチャージバルブを取り外したサービスポートには、取り 付けてあったキャップを左図の様に戻しておき、手で締め付けた 最後には右図の様に軽くスパナで締め付けておく様にする。
 
 更に冷媒ガスを充填する際に取り外した、3方弁に取り付けて あったのキャップも下図の様にして取り付けて戻しておく様にす る。
 
 同様にして、下図の様に2方弁のキャップも戻しておく様にす る。
 
 これらのキャップは全てサイズが違う為に間違えないと思われ るが、キャップは外れない程度の締め付けが必要な為に、最後に はスパナで軽く締め付ける程度にしておく。

◆カバーの取り付け
 冷媒ガスの充填が完了し全てのキャップを取り付けたならば、 後は下図の様に配管がバーを取り付ければ完了となるが、カバー には周囲4箇所に引っ掛け部分がある。
 その下部2箇所には右下図の様な形状の引っ掛けがあり、一旦 下部2箇所の引っ掛けにカバーを乗せておき、その状態で上部2 箇所の引っ掛けを挿し込み、そのままの状態でカバー全体を持ち 上げて4箇所全体を引っ掛ける様にする。
 
 その際には下部2ケ所の引っ掛けを挿し込んだ段階で、左下図 の様に追加工したドレン配管部分を再度確認し、上手く挿し込め た事を確認しながらカバー全体を持ち上げる様にする。
 
 配管カバーの周囲全体を確認して、隙間無く全体が取り付けら れている事が確認できたならば、右上図の様にプラスドライバー を使用して取り付けてあったビスで固定すれば完成である。


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