NISSAN RB25DET neo
取り外し部品の組み付け

◆ロッカーカバーの取り付け
 ロッカーカバーは取り付ける時にも知恵の輪状態である為に、 できれば取り外した時の状態を覚えていて欲しい。
 取り外しの時よりは楽に取り付けられるはずだが、その取り付 け始める手順を間違えるとなかなか入らず、無理に押し込むとロ ッカーカバーの変形や破損、最悪の場合には周辺のハーネスを損 傷する可能性もある為に、ロッカーカバーの取り付けは慎重に行 う必要があるだろう。
 取り付けが完了したならば右図の様に固定用ボルト8本を軽く 取り付け、全てのボルトが仮締めできたならば内側から外側へと 締め付けて行く様にする。
 ボルトを最初から締め付けてしまうと取り付けられなくなるボ ルトが出てきたり、下手をするとボルトが斜めに入り易くなりカ ムカバー側のネジ溝を破損させてしまう恐れがある。
 また、締め付けの内側から外側方向へと言う順番はシリンダー ヘッドの組み付け手順と言う訳ではないが、ある程度の締め付け 変形を考慮すれば自然とこの様な締め付けとなるだろう。

◆奥にあるパイプ類の取り付け
 ロッカーカバーを固定したならば、右図の様にロッカーカバー 後部にあるコネクターブラケットや配管のブラケットを固定する 。
 これはコネクターの方が奥側にある為に先に取り付け、その後 に配管のブラケットを取り付けた方が良いだろう。
 その際には、コネクターブラケットにはコネクター以外にもハ ーネス自体を固定する為の取り付け穴があり、分解のページにあ る 【ロッカーカバーの取り外し】 内でも説明したがハーネスを固定する為のクリップが取り付けて ある物も忘れずにセットしておく様にする。
 更に左図の様にこの上部部分には過給圧センサーを始めとし、 周辺の細い配管関係を取り外した部分も接続しておく様にする。
 特に細い配管関係は忘れがちで、過給圧センサー等を取り付け てしまうとハーネス等の陰になり見落としがちになる事から、必 ず見た目だけでなくハーネスや配管を持ち上げながら接続抜けが 無いかを確認する様にする。

◆サージタンク側のパイプ類取り付け
 エンジン後方の配線・配管関係の取り付けが完了したならば、 左図の様にメインの吸気系パイプを取り付ける様にする。
 取り付けの際には取り外しの時とは逆で、左図の様にパイプの 長さが違う場合には長い方から先に入れると楽に取り付けられる 様になるだろう。
 基本的には左図の様にゴム製の黒い中継ホースは、エンジン側 か取り外したパイプ側のどちらかに取り付けておくが、入れ難い 時には2つあるホースバンドを1方だけでなく両側共に緩めてお くと、斜めに入る際にもある程度自在が効いて良いだろう。
 この中継ホースに付いているホースバンドは左上図からもわか る様に、ホースバンドの一部に丸い穴が開いておりこの穴が中継 ホースから出でいる突起に挿し込んである。
 その為にホースバンドはいくら緩めても落下する事はなく、ま た取り付け方向も変わらない為に着脱の際にこれらを気にせず作 業ができる点は便利である。
 そしてメインのパイプをしっかりと挿し込んだならば、左図の 様にメインのパイプを固定しているボルトを取り付ける。
 この際にはネジ穴が上手く合わない場合がある為に、その際に はメインのホースを動かしてネジ穴をあわせておく様にする。
 ネジ位置はメインのパイプ側が多少長穴になっているが、よく 見てみると以前固定してあったボルトの頭が擦れた跡が見えると 思うが、ボルトをセットした際に丁度この部分に合う様にするの が望ましいだろう。
 ネジ位置が決まったならば後は左上図の様にしてボルトを仮締 めするが、この部分もネジ山破損防止の為に一旦逆回しにしてみ て、ネジ山が合う部分でカクッと落ち込む部分が確認できたなら ば締め付ける様にする。
 その際には左図の様に手では感覚的にわからない為に、ソケッ トレンチのソケットにエクステンションバーだけを取り付けた物 等でボルトを回すと良いだろう。
 この部分を固定してあるボルトは2本あるが、複数のボルトが ある場合には必ず軽く仮締めし、全てのボルトを挿し込んでから でないと締め付けた際に他のネジ位置がズレてしまったり、その 際に無理に入れると斜めにネジが入ってしまいネジ山を破損する 可能性がある。
 その為にネジの取り付け時には十分注意して作業し、全てのボ ルトが取り付けられたら右上図の様にソケットレンチを使用して 完全に締め付ける様にする。
 そしてメインのパイプを固定したならば、左図の様にして周辺 のパイプ類を接続するが、右図の様に純正ブローオフバルブの戻 しやアイドルアップ?関係のバイパスホース等を接続する。
 この時点ではまだメインパイプのホースバンドは固定せず、万 が一どこか作業忘れの為にホースを取り外したい場合が発生して も、この部分で使用しているゴム製のホースをホースバンドで何 度も締め付け直す際に起こる締め付けにより潰れ損傷等を極力減 らす様にした方が良い。
 他の上記で説明した様なホースバンドに関してはほとんどがワ ンタッチクリップ式のホースバンドが使用されている為に、あま りホースへの損傷も無く着脱が簡単な事から、装着忘れを防止す る為にもホースを挿し込んだならば直ぐにホースバンドを取り付 けた方が良いだろう。
 最後に左右の図の様にメインのパイプにあるホースバンドを固 定するが、左図の様に普段使用するドライバーよりも1ランク大 きいタイプを使用しないとネジ頭を破損する為に注意する。
 そしてこのホースバンド用のネジ頭はプラスとマイナスの兼用 となっているが、プラスドライバーよりはマイナスドライバーの 方がネジ頭を破損する危険性が無いだろう。
 また、右図の様にソケットレンチを使用して締め付ける事も可 能だが、この場合には締め付け過ぎによるゴムホースの潰れ過ぎ には十分注意し、常にゴムホースの潰れ具合を確認する必要があ る。
 しかしこのメインのホースはエンジンヘッドに固定されており 、他のサージタンク側やインタークーラー側へのパイプ類も全て 固定されている事から、たとえこの部分のホースバンドを固定し ておかなくとも部品が脱落したりする事は無い。
 その為に、このホースバンド部分の締め付けは部品を固定する と言った用途ではなく、単に過給圧がかかった際に漏れが無けれ ば十分なのである。
 その為に、無理矢理締め付ける必要も無く左上図の様にマイナ スドライバーで締め付けられる程度でも十分で、もしも握力に自 信が無い場合にはドライバーで締め付け後にソケットレンチで1 回転も必要なく、1/2〜2/3回転もすれば十分であろう。

◆その他のパイプの取り付け
 今回は左図の様にメインのパイプにあるホースバンドを固定し てから周辺にあるワンタッチ式ホースバンドを固定したが、装着 忘れ防止の為にホースを挿し込み後直ぐに取り付けた方が良。
 そして右図の様にエンジン前部でカムカバー同士を接続してい るブローバイホースを接続する。
 この部分のホースバンドもワンタッチクリップ式を使用してい るが、このクリップを良く見ると色々な切れ込みが入っており、 既にホース側にこのクリップの形状で跡が残っているだろう。
 その為に、ホース類を再利用する際にはこのクリップで変形し た部分に関しては、クリップを装着の際には必ず変形部分に合わ せておく様にする。
 これは、ホースの変形部分にクリップを合わせないと、ホース が変形して凹んだ部分にクリップがかかってもその部分はクリッ プで圧着されず、ホースが全周均一な締め付けにならなくなって しまう事から、多少なりとも漏れ易くなってしまう恐れがある。
 その為に、ホースを再利用する際には以前まで装着されクリッ プでの変形している箇所は必ず合わせてクリップを装着する様に し、あまりにもホースの変形がひどい場合にはホース自体を新品 にする必要があるだろう。

◆エンジン始動確認
 ここまで組み付けるとやっとエンジンが始動できる様になる為 に、一度エンジンを始動ししばらくそのまま様子を見て、エンジ ンから異常な音や振動が出ていない事を確認する。
 特に、イグニッションコイルを部分的に購入しプラグに挿し込 む部分を再利用した場合には、コイルとの間に入るスプリング状 の物を組み付け時に忘れたり脱落すると、うまく放電せず異音が 発生する様になるだろう。
 更に、コネクターがしっかりと取り付けられていないとこの段 階で正常でも、ある程度走行した振動でコネクターが外れてしま う可能性もある為に、組み付け時には確実に装着してあるかどう か、常に確認しながら作業するようにする。

◆カバー取り付け
 エンジンが正常に始動し、しばらく回転させたままでも問題無 い場合には、あとは左右の図の様にエンジンカバーを取り付けれ ば完成である。
 このカバーを取り付ける際にもネジ位置を合わせてから、左図 の様にソケットレンチ用のソケットにエクステンションバーを取 り付けただけの物を使用し、ネジを逆回しにしてカクッと落ちた 部分から締め付ける様にする。
 そして全てのネジは一旦締め付けられる直前での仮締めとし、 全てのネジを取り付けた段階で右図の様にソケットレンチにハン ドルを使用してネジを締め付ける様にする。
 このネジはカバーを取り付けているだけの為に、あまり強く締 め付けるとカバー自体が潰れて破損してしまう可能性がある為に 、適度のトルクで締め付ける様にする必要がある。

◆タワーバーの取り付け
 最後に、作業の際に邪魔になる為に取り外していたタワーバー を取り付けるが、タワーバーの張りは取り外し時に緩めてある事 から、左図の様に真上から両側のストラット上に乗せるだけで簡 単にネジ穴が合わせられる様になるだろう。
 そして、タワーバーの取り付け位置にある以前固定されていた ナット痕をストラット固定用のボルト位置に合わせ、とりあえず 左右2個ずつのナットを仮固定しておく。
 そしてその後に右図の様にソケットレンチを使用してトルクを かけて締め付ける様にする。
 本来はこの部分のストラット固定用ナットは再利用不可能部品 となっている為に、できれば事前に新品のナットを用意しておく 様にした方が良いだろう。
 おそらくこの部分のナットは強度的に再利用しても問題は無い のだろうが、ネジの回り止めが付いている形状のナットの為に、 一度利用するとこの回り止めがカジリ取られるのだろう。
 その為にこの部分のナットが再利用不可能部品として指定され ているのだと思われる。

◆交換してみて・・・
 今回は故障後の交換作業となった訳だが、これでやっと全気筒 分新品のイグニッションコイルとなり一安心である。
 しかし、交換前からどうもアイドリング中に偶に失火している 様に『ドドッド』と音が飛ぶ事があり、多少気になっていた。
 だが今回のイグニッションコイルでは直らず、どちらかと言う とプラグの様な気もするのだが、今回はユーザーの意向でこれま で使用していたままの作業だった為に、やはりプラグの交換は必 要だった様である。
 交換途中でも説明したが、純正使用の白金プラグでは90%以 上が中心電極だけが白金で、設置電極は普通と同じ材質に近い物 が使用されているタイプの装着率が高い。
 その為に本来はプラグメーカーが推奨する2万km前後での交 換が望ましいと思われ、10万km無交換でも走るだろうが本来 の状態を維持していないと言う事を忘れないで欲しい。
 特に低回転を多用する場合には注意が必要で、ノックセンサー 等のエンジン状態を検出する機構が誤動作し、不必要な制御を繰 り返す様になり知らず知らずのうちに不調を来たす様になり兼ね ないだろう。
 その為にあまりプラグの交換をしないと言うのであれば、でき れば最初の2万km前後で中心電極だけでなく設置電極も白金等 の材質になっている物に交換すると良いだろう。
 製品の中には両側白金プラグや別ページにあるセルボモードの 【購入部品について】 の最後で紹介している様な中心電極はイリジウムで接地電極が白 金と言う物もある。
 更に、以前R33型を使用中の際にも5年間エアクリーナを交 換せずに乗っていたと言う経過もあり、もしかすると今回のR3 4型でも1度も交換して無かったのかも知れない。
 エアクリーナも純正でR32の頃から湿式が採用されており、 整備書では5〜6万kmと書いてあるがこれは絶対に無理であり 当地では5千km前後がいいところだろう。
 特に雪解け後の土埃は目詰まりの原因となり、あまり乗らない 私でも毎年5月頃には交換したくなる程であり、特に湿式では目 詰まりがしやすい為に、こちらもあまり交換したくないという場 合には安価でエアブローで汚れを飛ばせる乾式のエアクリーナを お奨めする。
 この様にトラブルや不調を訴えてからではなく、日頃からの何 気ない手入れで良い状態を維持する事ができる。
 人間は大きいケガをすると後遺症が出る場合もあり部品として は交換できないと言う事もあるが、多少のケガであれば自己治癒 力で直るだろう。
 しかし機械部品は多少なりにも不調を来たすと絶対に直らず、 その原因となる部分を全て交換しない限りには元に戻らず、その 元に戻すにもどこまでの範囲に手を加えれば良いのか、下手する と部品ではなくユニットで交換した方が安くなると言うケースも 少なくないだろう。
 そこまで調べられる人がいて交換してもらえればの話だが・・ ・
 エアクリーナの詰まりによるエア不足やプラグ未交換の失火と 様々な要因が重なると、例えば加速時の失火等による異常振動で ある程度連続的ノッキングと判断されれば、もしかするとレギュ ラーマップで燃調されているかも知れない。
 踏めば進む!特にATが主流となった今ではアクセルをON/ OFF制御しかしなくなった人が多い為に、実走行からの不調に 気付いた時には手遅れだろう。
 部品の故障時はしょうがないのだが、何気ない状態も普段の走 行から気付ける様に『車も生き物』ぐらいの心がけでいて欲しい ものである。
 生き物なら不調な時は答えると言うのであれば話はそれまでに なってしまうのだが・・・


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