◆ダクト/カバーの取り外し オイルクーラーやインタークーラーを取り付ける際はすべてフロントバンパーの 内側に取り付ける為にフロントバンパーを取り外す必要が有る。 フロントバンパーを取り外すには、車の下回りにあるアンダーカバーやリップスポイラー 関係の一部も取り外す必要が有る為にかなり大掛かりとなる。 他の部品の取り外しもそうだが、様々なネジやクリップなどを取り外す為に作業終了後 どのネジがどこの物かがわからなくならない様にしておく必要が有る。 間違ったネジをむりやりねじ込むと、ネジ山が壊れてしまい部品が取り付けられなくなる 可能性が有る為に十分注意して作業する必要が有る。 バンパーを取り外す前にまず車両の下部にあるブレーキエアダクトを取り外す。 このブレーキエアダクトはVspecやN1仕様車のみの装着となっている為に標準車両の 場合は取り外す作業が必要でない。 このブレーキエアダクトは、右図の様にフロントリップスポイラーの両端にあるエア取入口 の後ろからブレーキまでのエアガイドで、本来はタイやハウス内にあるフロントフェンダー プロテクターに取り付けてあるだけなので全てを取り外す必要はないが、このフロント フェンダープロテクターもフェンダー等にうまくはさみ込んで取り付けてあったりする為に ブレーキエアダクトがフロントリップスポイラーやバンパー等に引っかかり、取り外すのに 障害となったり思わぬ所に傷を付けたり部品が破損しない様に取り外した方が無難である。 このブレーキエアダクトはかなりのネジが使用されて取り付けてあるが、まずはフロント リップスポイラーのエア取り込み口から見て下の方から覗き込む様にしてみると右上図の様に リップスポイラー取り付けネジ2本の近辺にブレーキエアダクト取り付け用のプッシュオン クリップが2個見えてくる。 片側のブレーキエアダクトに2個ある為に左右のブレーキエアダクトで合計4個のプッシュ オンクリップを取り外す事になる。 その一つを拡大したのが左図で、ネジの左に黒い丸いものが見えるが、これがワンタッチで 固定できるプッシュオンクリップである。 このクリップは中央にちょっとした凹みがあるが、この凹みをプラスドライバーなどで 3mm程度凹ますと一旦中央の凹みが止まるような感じがする。 その為にあまり力を入れ過ぎない様にしないと中央のピンが抜け落ちてしまう為と、 中央のピンが奥に3mm程度で一旦止まる事を確認できる様に両手を使用し片手でドライバーの 先端を入り込みすぎない様に押さえておくと良い。 中央のピンが凹んだらこのプッシュオンクリップ全体を持ち上げる様にすると取り外せるが、 ピッタリと挟み込んであり指の爪だけではなかなか取り外せない場合がある。 この際にはプッシュオンクリップの横の隙間に小さなマイナスドライバー等を入れ込み 軽くねじるとプッシュオンクリップ全体が浮いてくる為に、この状態から無理にねじ抜こうと せずにプッシュオンクリップの両端を持って垂直に抜き取るようにする事。 無理にドライバーなどでねじ抜こうとすると、プッシュオンクリップが片方だけ引っかかって しまい、最悪の場合は割れて破損してしまう可能性がある為に必ず垂直に抜く様にする。 プッシュオンクリップが取り外せたら、車両の下部からブレーキエアダクト固定用の ボルトを6本外す。 取り付けネジ6本のうち外側の取り付けネジ3本が右図の様に取り付けてある。 残念ながらこの図ではリップスポイラーの影に隠れて見えてないが、後ろの2個あるネジの 一番手前にもう一つ見えるはずであった。 このネジが重要なのだが、ブレーキエアダクト取り付けボルト6本中この1本だけが フロントフェンダープロテクターとリップスポイラーとの共締めとなっている為に他の ボルトより長めの物が使用されていた。 その為に組み付ける時に間違わない様に特に注意する必要がある。 このボルトは樹脂のエアダクトを固定しているだけなので、取り外すにはさほど力も 必要とせず簡単にはずせる。 同様にして取り付けネジ6本のうち内側の取り付けネジ3本も左図の様に取り付けてある。 この取り付けネジはプラスドライバーでもレンチでも取り外せるタイプである為に、 錆や泥等でプラスドライバー用の溝が使用不可能な場合にはレンチ等ではずせる。 必ずこの取り付けネジ6本をはずす前にリップスポイラーのエア取り込み口にある プッシュオンクリップ2個を取り外しておかないと、プッシュオンクリップ2個だけで ブレーキエアダクトがぶら下がってしまう事になり、プッシュオンクリップが外しにくく なる他、プッシュオンクリップに斜めに力がかかってしまい破損しやすくなる。 しかし先にボルト6本を緩めておき、後からプッシュオンクリップの中央にある凹みを 押して、ブレーキエアダクト全体を真下に引っ張る事でプッシュオンクリップを取り外す 技もあるが、プレーキエアダクトがバネになり結構勢い良く外れてくる為にプッシュオン クリップが勢い良く飛び出してしまい紛失する可能性がある為にあまりお薦めできる方法ではない。 各ボルトを6本外すと右図のようなブレーキエアダクトが取り外せる。 まず取り付け時に間違う事は無いと思うが、当然右用と左用がある為に取り付けの際は 注意が必要だが、ブレーキエアダクト本体にはメーカーの部品型式がありその一部に左右 の見分けがつく文字が記されていたので取り付けの際は参考にすると良い。 またブレーキエアダクトを取り外した後のフロントフェンダープロテクターには、 ネジ部分にナット代わりになる小さな板金が溝を切った部分に挟み込んであるだけの為に 注意しないと紛失してしまう恐れがある。 一応挟み込むような形で取り付けてはあるが、この後のフロントフェンダープロテクター の取り外し時や作業中の保管状況によっては紛失してしまう可能性がある為に注意が必要である。 ブレーキエアダクトを取り外した後は、これが取り付けてあったフロントフェンダー プロテクターも取り外す。 これも左右あるが、タイヤハウス内にあるプッシュオンクリップ3個とフロンとバンパー 中央の裏にある取り付けボルト2個とリップスポイラー両サイドと共締めになっている ボルト2個のボルト合計4個を取り外す事で取り出せる。 これらのボルトもプラスドライバーでもレンチでも取り外せせる為に、どちらで取り外しても 良いが、これまでの下回りに関するボルトではドライバーのサイズが一般家電品で使用している プラスドライバーのサイズより1つ上のサイズを使用する必要がある。 ここに普通サイズのプラスドライバーを使用するとプラスドライバー用の溝を壊してしまう 可能性がある為に、事前にドライバーを準備するか無い場合はソケットレンチ等を使用する事を お薦めする。 ネジ類は簡単に外せるが、このフロントフェンダープロテクターがフロントフェンダーや フロントバーンパー等にはめ込んであったりする為に簡単には外れてこない場合がある。 この際はどこがはめ込んであるのかを十分確認して、板金を曲げてしまったり他の樹脂 部品を壊す事の無い様に注意して作業する必要がある。 タイヤハススの内側はプッシュオンクリップで押さえてあるだけの為に問題ないが、 外側に向いている部分がフェンダーとフロントバンパーとにお互いに1cmくらいの厚さで 上下それぞれ逆に差し込んである為にこれを抜く際にチョット苦労する。 うまく外れれば右図の様な感じにフロントフェンダープロテクターが外れてくるが、 最悪の場合はボルト類を全て外してあればフロントバンパーを外した後に外せば簡単に 取り外せる様になる。 しかしこの場合でもフロントフェンダープロテクターを固定しているボルト4本だけ でも外しておかないと、フロントバンパーがリップスポイラー部分で固定されていて このまま無理をするとフロントバンパーかリップスポイラーが自重で破損する恐れがある為に 必ずボルト4本を取り外しておく様にする。 残るはエンジン下部の前部を覆っているアンダーカバーを取り外す必要がある。 このアンダーカバーを外すには、右図の様にフロントのエンジンマウントが取り付けてある フレーム下部にあたる部分に合計10本のボルトで固定されている。 ボルト自体はブレーキエアダクトやフロントフェンダープロテクターを取り付けてあった ボルトと同径の物が使用されており、プラスドライバーでもレンチでも取り外せる。 このアンダーカバーは前部のみのボルトを外し、半分だけぶら下げた様な形でも作業は できるが、半分だけぶら下げておくとアンダーカバーが曲がって変形してしまったり 取り付けボルト部分の穴が広がったりしてしまい、組立て時に取り付け位置に合わなく なってしまったり取り付けられなくなってしまわない様に全てボルトを取り外した方が 無難である。 ◆バンパーの取り外し 次にフロントグリルを外すが、フロントグリルは上部より見てフロントグリルの 裏側に取り付けクリップ4個で固定されている。 この4個のクリップはグリル下部に2個と上部に2個の合計4個だが、ブレーキ エアダクトやフロントフェンダープロテクターを取り付けてあった様なプッシュオン クリップでない事に注意する。 クリップ自体を良く見るとわかるが、プッシュオンクリップの様な中央に凹みが無く 丸い樹脂が2つ重なった様な形になっている。 この重なった部分の上半分を持ち上げる事によってクリップ全体が取り外せる様に なっている。 このクリップもあまり丈夫でなく、ドライバーなどで無理にこじ開けてしまうと 破損する可能性がある為に、クリップ上部も本体も取り外す際は無理な力がかからない 様に気を付ける必要がある。 その為にドライバーなどでクリップ上部を持ち上げる際は、クリップ頭部を指で押さえ ドライバーで持ち上げている方だけが浮いてクリップが斜めに持ち上がらない様にする 必要がある。 作業中に破損してしまった場合は、日産部品にてクリップのみの販売を行っている 為に新品を購入して使用した方が良い。 このクリップで上部のクリップを固定する樹脂のブラケットがあるが、フロントグリル 着脱の際にかなりの頻度で破損する為に、ブラケットとクリップを作業前に購入して おいた方が良いかもしれない。 このグリルを固定しているクリップを4個取り外す事でフロントグリルが取り外せる様に なる。 フロントグリルを取り外す際はむやみに持ち上げず、必ず車の進行方向の正面に1cm程 スライドさせる事を忘れない様にする。 これはフロントグリル下部がフロントバンパーの取付金具であるレインホースの折り返し 部分に挟み込んである為で、むやみにグリルを持ち上げたりするとフロントグリル下部が 折れて破損してしまう恐れがある。 この挟み込み部分は多少取り外す時に堅い場合がある為に、一気に取り外すのではなく 少しづつスライドして挟み込み部分を抜き取る様にする工夫が必要である。 例としてはバンパーに両足を当てておきフロントグリルが外れた時に落下しない様にしておき、 フロントグリル裏側下部の両端を手で押すのではなくレインホースをにぎる様にしてフロント グリルを押し出す様にすると、最悪の場合でもにぎった分だけしかフロントグリルが前に 来ない為に、フロントグリルへの過大な力がかからずに済む様になる。 バンパーを外すにはナンバープレートの取付金具と共締めになっている為にナンバープレート 本体を取り外す必要がある。 ナンバープレートを取り外す場合は、ナンバープレート正面から見て上の方にあるボルト 2本を取り外すと簡単に取り外せる。 ここで使用するのもプラスドライバーかソケットレンチで取り外せるボルトだが、 下回りのカバー類同様に一般家電品で使用されているプラスドライバーのサイズより 1サイズ大きい物を使用しないとプラスドライバー用の溝を破損してしまう可能性がある。 またピッタリとしたドライバーを使用してもボルトのメッキがはがれたりして錆易い ぼるとなので、取り外す前にホームセンター等から同形状のステンレスボルト等を購入して おき取り付け時に使用すると良い。 またナンバープレート自体も塗装がハゲた所から簡単に錆びてしまう為に、脱着の際に 極力傷を付けて塗装がはがれない様に注意する必要がある。 もしはがれてしまった場合は、同色のタッチペンやクリアー塗料等を用いて処理して おくと良い。 特にソケットレンチを使用した場合は、ボルト周辺にソケットの肉圧分でこすってしまう 為にこの部分の塗装がはげやすい為に、ソケットレンチを使用する際は特に注意が必要である。 ナンバープレートを外すと左図の様にナンバープレートの裏から黒いナンバープレート 取り付けプラケットが見えてくる。 ここで問題なのが、このナンバープレート取り付けブラケットは普通の工具では取り外せない 事である。 同型のR33スカイラインでもGT−Rが発売される以前の物であれば普通のソケット レンチで取り外せるボルトを使用していたが、GT−Rが発売された同時期のGTS系 全てにおいてもトルクススクリューが使用されている。 これはナンバープレートを横に移動している人が多く見られる為に、GT−R発売での お国の方への印象を良くする為にしたのであろうか? その為にトルクススクリューを外す工具を用意する必要がある。 このトルクススクリューに関しては、同ホームページの 【字光式ナンバー(取付方法について)】 で詳しく工具について説明してあるので参照願いたい。 ここでナンバープレート取り付けブラケットを外す為にトルクスドライバーかトルクス ソケットが必要となるが、トルクス製品に関しては購入の際に注意が必要である。 まずトルクス関係製品にはT型とE型があり、今回のナンバープレート取り付けブラケットで 使用されている物は六角レンチ(HEXレンチ)の様に凹みに工具を入れて回すタイプが T型である。 またこれもGT−Rが発売された時期からであるが、リアシートを取り外すにもトルクス レンチが必要となっている。 この詳細も同ホームページの 【カーオーディオ マルチシステム】 の【リアシートを外す】で紹介しているが、これまで取り外してきたカバーやナンバーで 使用されているボルトの様に、ソケットレンチのソケットの様な形状の物がE型である。 この様にトルクス製品の中にはT型とE型がある為に購入の際には注意が必要である。 また今回ナンバープレート取り付けブラケットを取り外すのに使用するT型に関しては 普通のT型製品を購入しても使用できず、T型のドライバーやソケットの中心に穴の空いた いじり止め付きトルクス工具でないと使用できない事に注意する。 その為にT型の製品を購入する際は標準品を購入せず、必ずいじり止め付きの製品を 購入すればどちらにも使用できる為に便利である。 しかしいじり止め付きは販売されている中でもかなり少なく、手持ちの工具資料から 選んだ事もありKTCぐらいしか見受けられなかった。 またエアバッグ付きのステアリングを取り外す際も、かなり大きなサイズのいじり止め 付きトルクスレンチが必要であったが、これも同ホームページの 【ステアリング交換(エアバッグ取外し)】 で紹介している様にこのサイズのいじり止め付きトルクス製品が探せず、うちの会社の 取引先にお願いして探してもらいドイツ製の工具を購入した。 日産のディーラー当たりでも持っている様だが、まだまだ準備されている所が少なく トルクスレンチ自体を知らない所も多い様である。 このトルクスドライバーを使用してナンバープレート取り付けブラケットを固定している 2個のトルクススクリューを取り外し、それから普通のソケットレンチを使用して ナンバープレート取り付けブラケットの位置に残った3本のボルトを取り外す。 今度はバンパーの上部にあるプッシュオンクリップを外し、フロントバンパーとレイン ホースを分離する。 この際のプッシュオンクリップもブレーキエアダクトと同様にクリップ中央の凹みを 軽く3mm程度押してからクリップ全体を垂直に持ち上げる事で取り外せる。 このクリップを外す際にフロントバンパーとレインホースの穴位置がズレていて、 クリップがかたくて外れて来ない場合がある。 この際は若干フロントバンパーを押しながら引き抜くか、マイナスドライバー等で 持ち上げる様にして引き抜く様にする。 その際にもマイナスドライバーでこじ開けた方だけが持ち上がり、斜めにクリップへ 力がかかるとかえって抜けず、クリップ自体の一部分に無理な力が加わってしまい クリップが変形したり最悪の場合はクリップを破損してしまう可能性がある。 その為にクリップをマイナスドライバー等でこじ開ける場合は、クリップ頭部に手を 押し当ててクリップが斜めに持ち上がらない様に工夫してやる必要がある。 またここでは場所が狭く画像を載せられなかったが、フロントバンパーの両端の タイヤハウス内側からヘッドライト下部の手前側当たりに左右それぞれ2個づつの フロントバンパー固定用ボルトが有る為にこれらも取り外す。 この部分はタイヤハウス内にあるフロントフェンダープロテクターを外さないと 見えない為に、事前に取り外しておく必要が有る。 またこのボルトがフロントバンパーのかなり外側寄りに取り付けてある為にかなり 回しづらく、ドライバーやレンチ等が斜めにかかっていてボルトを傷めない様に 注意する必要が有る。 またこのネジのフロントフェンダーにある受け側は、ナイロン製のグロメットにより 固定されている為に、外すつもりが絞めてしまいあまり強く絞めすぎるとナイロン製の グロメットがナメてしまい組み立てる時に固定できなくなってしまう。 その為に作業は慎重に行い、もし万が一ナイロン製のグロメットを破損してしまった 場合はこの部分だけ購入しておく必要が有る。 くれぐれも間に合わせに固定せず、バンパーは自重の割には取り付け個所が少ない 為に、固定されている部分はしっかりと固定できる様にしておく必要が有る。 以上の作業を終了するとフロントバンパーが取り外せる様になる。 フロントバンパーはレインホースに乗っかっているだけな為に、とりあえず手前方向に 引き出す様な形で取り外すと簡単に抜け出す。 簡単に抜け出すが、完全にフロントバンパーを取り外す前に少しづつ手前に引き出し フロントバンパー下部両サイドにあるウインカー用の配線を気にしながら引き出す様にする。 このウインカーユニットの背面は右図の様になっているが、バンパーをレインホースから 抜き出して地面に置けるほどウインカー用の配線が長くなく、フロントバンパーを手前に 引き出してレインホースから抜け落ちてしまうと、このウインカー用の配線にフロント バンパーの自重がかかってしまいかなりの負担がかかってしまい、最悪の場合は配線の 断線やコネクターの破損となってしまう為に十分な注意が必要である。 なおハーネスは一体物な為に部分販売はされておらず、もし断線や破損した場合は 壊れた部品でなんとか修理するか、解体場で同年式の部品を探すしかなくなる。 またハーネスを購入すると、かなり全体的にまとまっている為に何万円となってしまう 為にくれぐれも注意して作業するようにする。 フロントバーンパーを手前に引き出しウインカー背面がのぞける様になったら、 ウインカー用のコネクターを左右共抜き取りフロントバンパーを完全に取り外す。 この際のウインカー用のコネクターは、ただ引っ張っても抜けてこない。 車両用コネクターのほとんどは、四角い1面に突起物が有りこれがバネとなって対する コネクターにロックされる様な構造となっている。 その為にこのロック用の突起物を押しながらコネクターを真っ直ぐに引き抜く様に する。 フロントバンパーを取り外すと左図の様になる。 ライトの下側で横に長く見えるのがフロントバンパーを乗せているレインホースと 呼ばれている物だが、その下部に見えるのがインタークーラーでこれを交換するには レインホース自体も取り外す必要が有る。 オイルクーラーだけを取り付ける場合は、レインホースにオイルクーラー用コアの 取付金具を固定したり配管を通すが、両方のヘッドライトを取り外す事で作業ができる 為にインタークーラーを交換する時以外はレインホースを取り外す必要が無いだろう。 今回はインタークーラーもオイルクーラーも交換した為にレインホースを取り外す 説明になっている。 レインホースを外すには、ヘッドライト内側の真下でレインホース下部より見上げる様に してみると、右図の様にレインホースを固定しているボルトとナットが見えてくる。 右図を見てもわかる様に手前側がボルトで固定してあり奥側がナットで固定されており、 取り外す際は奥側のナットは全て外す必要が無く、緩めて2〜3mm浮いたくらいで残して 置く様にする。 これはレインホース側のネジ穴が、ナットで固定される側だけ丸穴でなく横長の長穴に なっており、ナットを全て取り外さなくとも手前側のボルトだけ外せばレインホースを 手前に抜き出す事ができる様になっている。 この様になっていると取り外す際はネジを抜く段階でナット側のボルトでフレームに レインホースが乗っている状態を保てる為にレインホースが落下する心配が無く、 取り付けの際にはボルトを入れながらレインホースとフレームのネジ穴を合わせる 不安定な作業が無い為に作業効率が良い。 このレインホースの取り付けネジは多少トルクがかけられている為に、安価なソケット レンチを使用するとレンチ自体が破損するだけでなく、ボルトのヘッドまでもが破損する 可能性が有る為にあまり安価なレンチの使用は避けた方が良い。 カーオーディオの取り付けくらいであれば十分安価な物でも間に合う場合が多いが、 エンジンや板金関係の脱着を行う際は、ちゃんとしたメーカー製の工具を揃えておく様に した方が無難である。 レインホースは両サイドにある固定用のネジで、ボルト2本を外しナット2個を緩め レインホース自体を前方に引き出す事で取り外せる。 レインホース取り付けボルトを緩める際は先にナット側を2個緩めておき、ボルトを 取り外す際は一旦ボルトを両側共に緩めておき、レインホース全体を多少手で持ち上げながら ボルトを抜く様にする。 これはボルトにレインホースの自重がかかってしまうと、ボルトのネジ溝にレインホースが 乗っかったままで回されるとボルトの溝が崩れてしまうからである。 それではボルトを取り外してからナットを緩めれば良い話になるが、車両を使用していて 軽い衝突やなんらかのバンパーに対する力が加わり、レインホースの取り付け位置が 多少ずれている可能性が有る。 その為にずれたままで先にボルトを緩めると、最悪の場合レインホースの自重がかかって 回した結果より悲惨な場合が考えられる。 その為にナットを緩めレインホースを持ち上げながらボルトを外すが、最初は両方の ボルトを緩めるだけで、できればソケットレンチのハンドルを使用せずソケットを直に 右手で持ってボルトを回すとボルトにレインホースの自重がかかると右手が重くて ボルトを外せなくなり、この場合はレインホースを上下にしてみて右手が軽く回せる 位置を探しながらボルトを抜き取る様にする。 その為にできればボルトを緩める際だけレンチのハンドルを使用し、抜き取る時は ソケットを直に手で回した方がより安全である。 次に交換する為に純正のインタークーラーのコアを取り外すが、左図では既に インタークーラーのコアが取り外された状態になっており、残念ながら取り外しの画像が 無かった様である。 その為に文章だけでの説明になるが、取り外しは至って簡単である。 まずインタークーラーのコア中心の真下にある固定用ボルトを抜き取り、更にインター クーラーコアの両サイドから出ているエアの取り込み/送り出し口の真下それぞれ1本づつ あるボルトも取り外し、インタークーラー下部からはボルトを3本抜き取る事になる。 インタークーラーのコアを固定しているネジはこれで全てで、あとはインタークーラー コアの両サイドにあるタービンとサージタンクに接続されている太い配管を取り外せば インタークーラーコアが取り出せる。 この太い配管を外す際は右図にある様な、手前の青い色のゴム製の短いエアホースにより インタークーラーコアとエンジン側から来る配管とを接続している。 尚、右図は参考までにHKS製のパイピングキットを取り付けた物を利用してあり、 実際は配管もゴム製のエアホースも全て黒色である。 この短いエアホースはインタークーラーのコア側とエンジン側から来ている配管との 2個所がホースバンドで締め付けてあり、このホースバンドをマイナスドライバーか ソケットレンチ等で緩めておくようにする。 このホースバンドはガス管や水道のホース等で使用するホースバンドと同じ構造で、 ウォームギヤの様な感じで横のネジを回す事によってバンド径が変わる物で、緩める 場合はネジを外す感覚と同じに左回しにすれば緩んでくる。 またエンジン側の配管とインタークーラーコア側のどちらのホースバンドを緩めるかだが、 特にどちらでも良いが車両側の配管が多少奥の方から出ている為になるべく手前の作業し易い 個所から外した方が良いだろう。 その為に右上図の様な感じでエアホースとホースバンドが残る様に取り外す。 また、緩めたホースバンドは純正エアホースに小さな突起が付いていて、ここにホースバンドが 固定されていた為にバンドを紛失する様な事は無いと思うが、万が一ホースバンドが落下して 紛失しない様に注意して作業を行う。 インタークーラーコアから配管を抜く場合は、配管がゴム製でピッタリと取り付けてある 事も有るが、両側から押え付けられる様にして取り付けてある為になかなか抜けない。 その為にインタークーラーコア側のホースバンドだけを緩めるのではなく、右上図の奥の 方にも見えるホースバンドもいっしょに緩めておくと良い。 そうする事で両サイドのエアホースをエンジンルーム側の配管を中心にしてエアホースを 外側に回す事でインタークーラーのコア部分から開いて離れていく様な感じになる。 ただ簡単に外れる訳でなく、インタークーラーのコア本体やエアホースを上下左右に 動かしたり回転させたりで少しづつ外す様にする。 年数が経った車両ではゴムホースが配管にピッタリとくっ付いている場合が有る為に、 どうしても緩まない場合はホースバンドをかなり緩めておいて、配管とゴム製のホースの 間に少し小さ目なマイナスドライバーを入れる事でゴム製のホースをはがす事ができる。 この際はマイナスドライバーでゴム製の配管に亀裂を入れてしまったり、配管の塗装面を 傷つけて塗装がはがれてしまわない様に注意しながら作業をする。 とは言ってもマイナスドライバーを差し込む事で多少の傷はしょうがない事である。 左図が純正インタークーラーを取り出してHKS製のインタークーラーと並べてみた 所である。 それから純正インタークーラーを取り外す際にコアの配管部分の下部にインタークーラーを 載せる為のインタークーラーブラケットが付いている。 単に板金に穴の空いた丸いゴムブッシュが付いている物で、ここの穴にインタークーラー 側の突起を差し込む事で一旦受けている様である。 このインタークーラーブラケットも不要となる為に、車両の板金に固定されている ボルトを緩め取り外し保管しておく様にする。 純正インタークーラーと比較してみると当然ながら配管の関係上からパイピング迄の 幅は全く同じサイズであった。 高さ方向に多少大きく、何と言ってもコアの厚さがほとんど2倍の厚さが有る。 これだけでも純正と比較しても2倍の容量となっている。 R32型GT−Rから比べると純正インタークーラーも構造を変更してかなり効率が 良くなった様な事がカタログに書いてあったが、同じ構造でも2倍の厚さにはかなわないだろう。 ましてや今回は、標準タイプのインタークーラーではなくGTコアを使用したGT インタークーラーを購入した為に更に多少の効果は期待できる。 しかしこのGT−R用のGTインタークーラーキットは20万弱もする為にあまり お薦めできる部品ではない。 特に純正でかなり大容量のインタークーラーを搭載しているGT−Rでは、競技や タービン容量を変更している車でもないとほとんど必要性が無く、インタークーラーで 期待できるパワーアップは無い物と考えた方が良い。 同じ20万を投資するのであれば、コンピューターとEVC等を付けて1K前後で セッティングした方がレスポンスもパワーも期待できる。 ただ今回はGT−Rには不可欠なオイルクーラーを付けるのに、フロント周辺をせっかく 分解する為にどうせならインタークーラーとパイピングキットも入れてしまおうと言う 事になり、結局8万円のオイルクーラーを付ける為に20万弱のインタークーラーと 5万円弱のパイピングキットで余分な部品の方への投資が大きくなった。 でも20万円弱で効果がほとんど無く、変わったのはインタークーラーがシルバーに なってナンバープレートの影からなんとなく見えるだけと言うなんとも言えない結果だ。 まぁほとんどホームページ作成の為の投資になってしまった。 また左図の様に運転席側の方のタイヤの前にリサーキュレーションバルブが2個見えるが、 他社で言うブローオフバルブのような物で、この辺も交換予定であれば先に購入しておいた方が まとめて取り付けられるので便利である。 このバルブの交換の有無に関わらず、インタークーラーを交換する場合はキットに付属の リサーキュレーションパイプと交換しないとインタークーラー本体が取り付けられなくなる為に 純正インタークーラーを取り外した後に左図のリサーキュレーションバルブから図の様に 配管をホースバンドを緩め取り外し、更に助手席側のタイヤの前までこの配管が届いている為に ここまで全ての配管を取り外しておく。 助手席側へのリサーキュレーション用配管は、右図にあるシルバーの太いインタークーラー用 パイピングの奥側にあるホースバンド右側に見える部分にリサーキュレーション用の配管を つないでいるゴム製のエアホースに付いているホースバンドが見えるが、この部分まで全ての 配管を取り外す事になる。 尚、右図はHKS製インタークーラーキットに付属しているリサーキュレーションパイプを 取りつけた後の図で、純正のリサーキュレーションパイプとは形状が異なる為に参考程度に 見て欲しい。 メインに戻る 車両関係に戻る 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