◆何も無い壁に新規追加 ここで増設する電話用の器具は、1回線だけでなく電話局から来るISDN用の局線と TA(ターミナルアダプター)のアナログポートから出る6回線分の工事である。 元々右図では別ページである PC付近のLAN増設 によってコンセントにLANを増設した場所だが、右図左側にある様にパソコンデスクが 設置している場所の為にここを中心として電話関係の配線を行なえる様にしている。 これだけの電話用器具の増設となるとコンセントとLANを増設した場所への追加は 数が多すぎて好ましくなく、コンセントと別にできる事から新規にスイッチボックスを 設置し取り付けている。 設置個所は右上図の奥側に見える角で、コンセントとLANの器具を取り付けた面に 設置するが、この図でもわかる様に洋室の場合には和室と違い柱の位置が全くわからず 下手に壁に穴を開けてしまうと取り返しのつかない事になってしまう。 今回の場合は隣の部屋が和室だった事も有り、左図の右側にある壁と壁の角に少しだけ 見える物が柱となっている。 普通の木造住宅の場合は柱の太さが決まっており、どうしても不安な場合は建築業者に 予め問い合わせておくと良い。 部分的に柱の太さを変えている場合も有る為に注意が必要だが、ほとんどの場合は同じ 太さの柱を使用していると思われる為に、今回は左図の左側に見える柱の太さが確認できる 物の太さを参考に工事を進めている。 和室と洋室の壁の構造が若干違う為にどの家でも同じとは言えないが、左上図の和室で 壁から柱がはみ出している寸法を測り右図の様に洋室の壁面からも同じ様に柱が出ていると 思われる寸法をけがいておきここを基準としてスイッチボックスを取り付ける事となる。 しかしここを基準で一気に穴を開けてしまうのは非常に危険な為に、実際本当にこの 位置で良いのかどうかを確認する方が確実である。 その為に壁面から柱が出っ張っていると思われる位置のマーキングと、隣のコンセントと LANを取り付けているスイッチボックスの位置から床面からの高さ方向の寸法を調べ 今回加工しようとする場所へもマーキングしておく。 そして横方向に試しに切り取る場合の為のマーキングも右上図の様にして数cm程付けて おけば切り取る際に便利である。 そしてマーキングした柱があると思われる場所から更に1cm以上柱から遠ざかる方の 位置に長めのキリを差し込んでみて柱が無いかどうかを確認してみる。 洋室の壁は石膏ボード風の材質の為に先の鋭い物であればある程度間単に差し込む事が できるが、壁の裏に柱が有るとそう簡単には差し込めない為に確認ができる。 この確認の為に壁に差し込むキリはなるべく細い物を使用すれば、万が一位置が間違って いても小さい穴が残るだけで済む為にあまり太い物を使用しない方が良い。 柱の位置を確実に知りたい場合はキリを柱側に斜めに差し込めば確認できるが、 とりあえず穴を開けようとする場所に柱が無いかどうかを確認しておく。 壁の裏に柱が無い事を確認できたら、左上図の様に柱のある位置と思われるマーキングから 1cm程離した位置よりスイッチボックスの取り付ける高さ方向の幅で穴を開けてみる。 左上図の様に壁に仮に穴を開ければこの穴から手探りで実際の柱の位置がわかるはずで、 特に柱の位置を確認しなくともそのまま柱側に向けてカッターで壁を切り取っていけば カッターの刃が壁に当たりそこで止まる為にこの方法で柱の位置までを切り取ってしまう。 この柱の位置まで開けた穴に新しく取り付ける3個口のスイッチボックスを取り付ける為に、 これを入れる為の穴を壁に開けるようにする。 右図の様に柱側を基準として3個口のスイッチボックスを仮に差し込んでおき、 スイッチボックスが壁に出っ張った部分を壁にマジック等を使用しマーキングしておく。 マーキングの際はスイッチボックスと同じサイズになる様にするが、多少大きくなっても 最終的に表面に付くプレートで隠れる為に、ある程度ラフにけがいても大丈夫だが失敗して からでは元に戻らない為に間違わない様に十分確認をしてから作業する様にする。 また松下電工のコンセントボックスは柱に固定する部分のスペーサーが斜めにカット されており、本来の使用方法である壁をはさみ込む取付では密着して良いのだが、今回の 様に壁をはさめない場合には柱に取り付けた反対側が壁より離れてしまい見た目が良くない。 その為にこの斜め部分をカットするか、3個口用の穴を開ける際に取り付けと反対側の 壁を多少小さ目に切り落とし、コンセントボックスを固定した時に壁をはさむ様にして おくと良い。 洋室の場合には石膏タイプの板にクロスを貼っている場合が多い為に、左図の様に カッターで切り取る事が可能である。 ここで使用するカッターは、刃の伸び縮みがネジ式で固定できる物を使用する様にする。 いくら壁が簡単に切り落とせると言ってもある程度の力が必要な為に、刃がしっかりと 固定できる物でないと上手く切れないほかに壁を破損してしまう可能性が有る。 壁を切り取る際には左上図の様に切り口が既にある部分からは簡単だが、左上図の様に 縦方向に切り取る部分ではどこにも切り口が無い。 この様な部分では、切り取る線上の中心にカッターの刃を図の様に置き柄の方を 上下させながら押し込む様にすると少しづつカッターの刃が壁に入り込んでいく。 あとは刃の進行方向に進めながら柄をゆっくり手前と奥に動かせば少しづつ切れて行くが、 一気に切り取ろうとすると壁が不必要な部分まで壊れてしまう可能性が有る為に 作業はゆっくりと慎重に行う様にする。 切り取り作業は意外と簡単で、壁の崩れもなく右図の様に奇麗に切り取る事が出来る。 この切り取った壁は不要となる為にそのまま廃棄する。 壁を切り取ったら3個口のスイッチボックスを実際に入れてみて、壁の中にうまく 入るかどうかを確認しておく。 ここで上手く入らない場合は、狭くて入らない部分にマーキングし再度削り落とす 様にするが、壁の切り口をカッターやヤスリで削ろうとするとボロボロになり易い為に 壁の切り口と直角方向ではなく平行に削っていった方が良い。 これは石膏ボード表面に貼ってある厚紙のような物がめくれてしまい、それと一緒に 内部の石膏までが崩れてしまう物で、左図で言うと縦方向はカッターの刃を立てて上下に、 横方向は左右にと削っていき、けしてカッターやヤスリで前後(手前と奥)にはしない様に する。 ◆スイッチボックスと器具の取付 スイッチボックスが上手く壁に収納できたら、スイッチボックス自体を柱等に固定する 必要が有る。 壁をはさむ様に取り付けていれば、スイッチボックスの表面が壁の裏面の位置と同じに なる様に合わせて固定すれば良いが、スイッチボックスと同じ大きさで穴を開けた場合は 壁の表面とスイッチボックスの位置を調整する必要が有る。 スイッチボックスに付属の器具取付用のネジを右図の様に仮に浅く取りつけておき、 このネジを押したり引っ張ったりしてスイッチボックスの表面が壁の表面と同じから 少しへこんだ状態にする。 このへこみ部分は、後で器具を取り付けた際に壁に当たりスイッチボックスが多少でも 引っ張られる様にしておくと全体的にガタつきが無くなる。 器具の取付ネジはスイッチボックスに付いて来るが、肝心のスイッチボックスを取り付ける ネジは付いてこない為に別に購入して準備しておく必要が有る。 今回は 軽自動車用のスピーカーボックス の作成でも数多く使用していた残りで、M4サイズの40mm長のサラタイプの タッピングビス(木ネジ)を使用している。 このネジは斜めに取りつける為に長めの方が良いが、40mmまで必要なく30mm程度でも 大丈夫である。 スイッチボックスの取付時は、ネジを差し込む際に動かない様にスイッチボックスや 仮止めした器具取付ネジをしっかりと固定しながらネジを取り付け、完全にスイッチ ボックスが固定されるまで押さえ付けておく様にした方が良い。 施工業者によってはスイッチボックスを1本のネジだけで固定していく場合も有るが、 できれば2本で固定するのが望ましい。 これはスイッチボックスが樹脂製の為に、ネジが1本だとコンセントの抜き差し時に 結構な力が入りスイッチボックスを固定している部分が少ないと変形し易く壁自体に 負担がかかる為である。 器具の取付はスイッチボックスに付属のサラビスで固定するが、器具の取付部分が 横方向の長穴になっている為にほとんどの場合はその中心位置で固定すれば良い。 ただ器具のネジ穴の中心位置にすると全体的に左側が空く場合が有るが、最終的に パネルを取り付けてしまえばわからず、特に和室の様に表に見える柱に直接取り付ける場合は どうしても右寄りにしなければならない為にスイッチボックスの方でその様に作られて いる様である。 どうしても気になる場合は仮止めとしておき、後でもう一つの器具を取り付けた後に 合わせて調整し固定すると良い。 今回はターミナルアダプターのアナログポートから普通の電話機用として6台分の 配線を行なうと言う事で、左図の様に電話用のテレホンモジュラジャック (WNT15629・松下電工)を1つの取付枠に 3つごと取付て、それを2組使用する事で6回線分の電話を接続できる様にしている。 なお器具の組立や器具への配線等に関してはこのページ内では省略しているが、 器具の組立に関しては 洋間にLAN増設【器具の組立】 や電話の配線方法に関しては 和室にLAN増設【器具への配線】 等を参考にして頂きたい。 最初に取り付けた器具を基準として、次の器具を右図の様にスイッチボックスに付属の ネジを使用しスイッチボックスに取り付ける。 取付の際は隣に有る取付枠と上下部分で噛み合う様に器具を横にスライドして 位置を合わせてからネジを締め付ける様にする必要が有る。 この左下図の様な部分がうまく噛み合っていないと、後で表面に取り付けるパネルである BLプレートを取り付けた時に合わなくなってしまう為に注意して取り付ける必要が有る。 最後に電話局から来る局線を接続する為の電話用モジュラジャックを取り付けた器具を 取り付けるが、ISDN用のモジュラーコネクターは普通の電話用のモジュラージャックと 同様のRJ−11を使用している為に間違い易い。 その為に局線用のコネクターだけは取付枠の中心に1個だけ取り付けて、当然表面の パネルであるBLプレートも1口だけ出る物を使用し区別が付く様にしている。 この器具の取付も隣に有る取付枠と上下部分で噛み合う様に器具を横にスライドして 位置を合わせてからネジを締め付ける様にする必要が有る。 この左下図の様な部分がうまく噛み合っていないと、後で表面に取り付けるパネルである BLプレートを取り付けた時に合わなくなってしまう為に注意して取り付ける必要が有る。 器具の取付が完成したら表面にパネルであるBLプレートを取り付けるが、 このパネルにも様々な種類があり、部屋の感じと壁の色によって色々と変えてみるのも いい方法で、必ずしもここで紹介するBLプレートでなくとも良い。 また同じBLプレートの中にも色が3色あり、ダークベージュ・ミルキーホワイト・グレーの 3色から選べる為に予め店頭や業者からサンプルを見せてもらい選んでおく必要が有る。 ここでは和室・洋室兼用で数多く使用されているダークベージュを使用して取り付けている。 今回使用したBLプレートでは取付ネジがパネルの内部に隠れるタイプの為に、 パネルを取り付ける前に予め右上図の様に枠部分だけ取り外しておく必要が有る。 取外しは枠部分にパネルの外周が数箇所挟み込まれて取り付けられている為に、 この部分を裏側よりパネルを押す事で取り外せる。 一部分だけを大きく押し過ぎるとその反対側の固定部分が割れてしまう恐れが有る為に、 取外しには挟み込んである部分が外れる程度に押し、全てのはめ込み部分を少しづつ 取り外す様にする。 パネルを枠から取り外すと枠の上下部分には取付用のネジが4つ見えてくる為に、 左図の様にしてプラスドライバーを使用し枠を器具に固定する。 このネジは枠が柔らかい材質のプラスチックの為にあまり強く締め付けると枠の ネジ部分で割れてしまう可能性が有る。 その為にパネルが固定されてから少しだけ増す締めした位で十分である。 また1個所固定すると他のネジ部分で枠が若干浮く様な感じになり、ネジを回す際に ネジ自体が斜めに締め付けられてしまい破損する可能性が有る。 その場合はネジを取り外す方向で回していき、ネジ山の合った所でカチッと言う音を 立ててドライバーが若干沈み込む部分が有る。 この部分を何回か逆回しで探し出し、カチッとした所で締め付ければネジ山を破損する 事無く締め付けられる様になる。 枠のネジを固定したら、先程取り外しておいたパネルを取りつける。 このパネルは単に押し込んでいけば取り付けられるが、無理に力を入れ過ぎると はめ込み部分の爪が割れてしまう可能性が有る為に、取付時には少しづつ親指などで 押しながらパチッと確実に挟み込まれたかどうかを確認しながら取りつける。 このパネルを取り付ける前に器具自体に当ててみて、3個所の窓から器具が丁度良く 出るかどうか確認してうまく出てこない場合は、パネルの枠をもう一度取り外して 器具同士のかみ合わせが上手く行っているかどうか確認する必要が有る。 特に今回ここで使用している様な3個口のBLプレートでは横に長い為に右図の様に 片方から少しづつ取り付けていくと上手く行くようになる。 取付が完成すると右図の様になり奇麗に収まる。 最後に右図のモジュラジャックの左側には、何処へ接続してある物なのかをわかる様に ビデオテープ等について来る番号のシールを貼ってある。 この様に実際の接続先を明記しておくと便利で、普通紙にワープロ等で印刷した上から クリアテープと言う透明なガムテープが売られている物を貼り付け、裏側には両面テープを 取り付ければかなり見た目が良いシールが手軽に作れる。 特に局線であるISDNのモジュラジャックに関しては特に表示の必要が有る。 RJ−45のISDN専用モジュラジャックを購入するとISDNと明記されているが、 RJ−11の場合にはこれらを区別する為に明記された製品が無い。 その為に普通の電話機やターミナルアダプターのアナログポートに接続してしまわない 様に注意する為に明記しておいた方が良い。 ◆ここで使用した部品 上記で使用した新しく取り付けるLANと電話の器具に関しては以下の部品を使用した。
ホームセンター関連では単品売りもしているが、購入先によっては取り扱い方法が 違っている場合が有る為に予め問い合わせておくと良いだろう。 またカタログ上で単品販売でも箱単位での仕入れしか出来なくなっている部品も有る為に、 全ての部品に関して問い合わせておく必要が有る。 メインに戻る ⇒ 修理・分解に戻る ⇒ 屋内配線に戻る ⇒ 器具取付に戻る |