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安価で好条件のリスニングルームを探し出す
車内における音楽の再生

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◆1980年代(1981-1987)のカーオーディオ
 80年代では車両にカセットカーステレオ自体が装着されている のも珍しく、やっと標準装備になり始めた時でもあった。
 当時の一般市販品と言えば2chアンプ内臓の物で、操作系もレ バータイプのメカ式の物がほとんどで、スイッチで全て操作できる 物はロジックコントロールタイプとして一部の高価な製品にのみ採 用されており、この 【TOYOTA CELICA CAMRY 2000GT】 にもパイオニア初代ロジックコントロールタイプのKP−707を 使用していたが、アンプも内蔵していないカセットデッキで4.5 万円と高価で、最終的には右上図にあるKP−919Gでは7万位 であった。
 当時は右上図の様にグラフィックイコライザーが唯一のオプショ ンで、4chアンプとしてフロントとリアのスピーカを駆動するに はフェーダコントローラかこのグライコを取り付けないと2chア ンプを2つ駆動できなかった。
 それまでパイオニアではロンサムカーボーイシリーズとしてAサ イズやBサイズを中心として販売してきたが、右図のパーソナル無 線が流行った頃にDサイズと言う現在の取付サイズの製品に変わっ た。
 当時はパワーアンプが右図の様に1/2Dサイズとなっていた為 に、左図の様に助手席のダッシュボード下部に取り付け使用してい る場合が多く、右図の様にパーソナル無線と並べると丁度良いサイ ズになるのがわかるだろう。
 しかし20W×2のパワーアンプでも2.5万円と高価で、4c hアンプ化となるとグライコも必要になり、それだけで6〜7万円 もの金額が必要な事から、当時は2chが一般的であった。
 この車両では購入当初からフロントとリアのスピーカを駆動して おり、リアトレイには左図の様に同軸でない2ウェイ20cmと後 で追加したマルチアンプ用のツィータを使用した。
 この当時は右図の様にフロントダッシュボード上にもかなり大き な楕円スピーカが使用できる事から、同軸2ウェイスピーカを使用 していたが、このフロントダッシュボード上のスピーカがなかなか よく、ガラスによる反射音ではあるがなかなか良い音として重宝し ていた。
 この様に、80年代では2000年代の純正オーディオと比較し ても劣るかどうかと言う程度の物で、メインのヘッドユニットには アンプもFM/AMチューナも無く、カセットテープのみと言うス タイルが多かった。

◆1990年代(1988-1999)のカーオーディオ
 そして90年代直前には左図の様な 【TOYOTA CRESTA GT-Twin Turbo】 への取り付けと移って行ったが、ここから本格的なマルチアンプ方 式のシステムを手がけ始める事となった。
 車両の購入当初は右図の様にスピーカだけ3ウェイマルチ様のス ピーカを使用し、CRネットワークを自作しシングルアンプにより 駆動していた。
 当時はこの頃にどう言う訳かナカミチが流行り始め、聞いた話で は簡単なリアボード作成だけでも数万円と言う事であったが、機材 も工賃もあまりの高額さに違和感を感じ、この事が安くできるマル チシステムを手がけるキッカケとなった。
 この頃にどうしてもナカミチでと言う事で全てナカミチの機材で 取り付けた事があったが、取り付け店からの取り付け込みでの販売 しかしないと言う話が広まり、この事から尚更ナカミチ自体に疑問 を感じ始めた。
 そしてこの時に入手したTD−700と言う17万ものカセット デッキを始めとする機材を、このクレスタをベースにして機材の入 れ替えによる試聴等を行い、本当にナカミチでないといけないのか ?どう言う方向に持って行けば良いのかを検討した。
 その為にこのクレスタに用意したヘッドユニットは17万のカセ ットデッキに対向すべく20万円のDATであり、ナカミチは定価 販売だったがケンウッドは2〜3割となる為に、金額的には同レベ ルとしテスト機材として利用した。
 そしてナカミチ機材を使用しヘッドユニットだけナカミチとDA Tを入れ替えテストしてみると、当然比較するまでも無いのだが所 詮テープに記録される為に限界があり、圧倒的に誰が聞いてもDA Tの良さが立証できた。
 しかし、当時 【NISSAN SILVIA K's】 に取り付けるケンウッド製のカセットデッキを拝借しこのクレスタ で試聴してみたが、5万円弱のカセットデッキが17万のデッキよ りも聴感上良く、もしかするとTD−700があまりにも設計が古 いのか、それとも完全なフラットか若しくはテープノイズの低減の 為に高域をカットしてしまっているのかは不明である。
 ただ、同じナカミチ製のTD−1200と言う24万円の製品が あったが、こちらの音も比較してみたかった気はするのだが、しか しこの金額があれば間違い無くDATにした方が得策である。
 当時は録音側の設備が貧弱でも試聴にならないと言う事から、カ セットデッキもAUTO-BLE搭載の パイオニア製CT−A9 (14万)を使用し、ソースもCD若しくはDATからとしカセッ トテープはTDKのアルミダイカストフレーム製のMA−R(のち にMA-XGとなる)に限定していた。
 これらの事から、ナカミチ製のカセットデッキに投資する金額が あればDATにした方が良く、以外だったのがケンウッド等の一般 的なカセットデッキでも十分利用できる事がわかり、今後は取り付 け時の資金面でDATとカセットの両面から選択できる事となった 。
 そして機材の最終形としてはケンウッドのDATが製造中止とな り、以降は左図にある様なSONY製のDATが発売された事から こちらに変更した。
 こちらは定価が12万円とかなり安くなり、以前とは違いチュー ナも付いている事からかなり格安になった方だろう。
 また、マルチアンプ用のエレクトロニッククロスオーバーネット ワークも、当初はケンウッドのマルチアンプ用別カタログにある物 を使用していたが、調整ボリュームが正面だけでなく天板にも付い ておりコンソールに入れると調整できなくなる事から、右上図の様 なJVC製の1/2Dサイズを使用する事にした。
 これだとフロントもリアもマルチアンプ化する際に取り付け場所 が1Dサイズで済み、途中でケンウッドからも KEC−202 と言う製品が販売されたが、ウーハ用の低音出力がモノだった事と ウーハ用の出力レベルが足りなかった事で一時期使用してみたが却 下した。

◆リアトレイタイプの応用
 取り付け当初は4ドア系の車両が多かった為にリアトレイタイプ の取り付けが中心だったが、クレスタでの実験後はこの プリメーラ が初めて本格的な仕様での取り付けで、フロント2ウェイにリア3 ウェイとして構成した。
 スピーカは以下のスピーカボックスでも説明するが、SONY製 のマルチ用スピーカを使用し、なんと右図にある3ウェイ分で3万 円台で購入できてしまうと言う安価な物を使用してみた。
 音質的には以前から使用していた為に問題は無く、これほど安い 金額で構成できる製品は他のメーカーでもなかなか見つからないだ ろう。
 そしてクレスタからこの GT−R になってからもリアトレイタイプの取り付けを行い、上記プリメー ラ同様にフロント2ウェイのリア3ウェイ構成として取り付けてい る。
 しかし車の性格上エンジン音やロードノイズが多く、低域は結構 出ているものの走行するとほとんど聞こえず、どうしてもボリュー ムが大きくなっている割には全体的に聞き難くなってしまうのが残 念である。
 その間にも左図の様な アリスト をはじめとしリアトレイタイプは複数手掛けたが、どうしてもスピ ーカボックスタイプと比較してしまうと音質的にイマイチで、最大 の欠点がリアガラスからの反射音を聞いていると言う点と、天井等 による音の吸収と反射による問題も大きいのだろう。
 しかし4ドアの構造上どうしようもないが、 プリメーラ シルビア の様にトランクスルー部分にスピーカを取り付け、通常はリアシー トを倒して聞くと言うスタイルもあるが、残念ながらユーザーの意 向でトランクスルーに取り付けた車両は無かった。
 まれにトランクタイプの場合でなくとも左図の ポロ の様にトレイタイプの取り付けもあったが、右図の様に板1枚の為 に音質的にはイマイチで、小音量用途しての利用だけに限定すれば こんな取り付けもありだろう。
 残念ながら画像は無いのだが、ハッチバックタイプの車両にかな り大掛かりなスピーカボックスを載せた事もあったが、スピーカを 真上に向けた事でリアハッチのガラスに反射した音となり、やはり 傾斜させて直接音を聞いた方が良いだろう。

◆スピーカBOXタイプに取りかかる(1995年〜)
 これまでは4ドア用のリアトレイ取り付けタイプがほとんどであ ったが、本格的にスピーカボックスを作るキッカケとなったのが左 図にある初代 アルトワークス で、この車両には元々ナカミチが付いていたのだが、メカ式の操作 系を持つカセットデッキと14W×2のアンプと2ウェイ埋め込み 型スピーカがボード1枚に取り付けられているだけであったが、そ れでも機材代とは別に取り付け工賃だけで数万円だったと言う話に には驚かされたものであった。
 そこで私の手持ち機材に中古でナカミチのPA−300とSON Yの格安20cmウーハを追加して、格安で小規模なマルチアンプ を手掛けてみる事にした。
 これが思いのほか良い結果が得られ、アンプはウーハに30W× 2(最大70W×2相当)と2ウェイに今まで使用されていた14 W×2(20W×2相当)と言う一見非力にも思える仕様であった が、フルボリュームでは十分過ぎる大音量で鳥肌物の低音が出て、 そうかと言って音の歪みや割れ等は全く感じられないのには驚かせ られた。
 最初は組み立て途中で2ウェイには箱を作り、スピーカボックス の裏フタは取り外したままで、よく一般的に行われている取り付け 方法で1週間ぐらい使用してもらった。
 裏フタが無い事でウーハがフリーの状態で動き放題の為に、古く 壊れかかったリアワイパーは低音で飛び跳ね、リアゲートそのもの が振動板になり車外でもものすごい低音であった。
 しかし、一部の人ではこの方が良いと言う声も出そうであるが、 ウーハが動き放題の為にウーハのストロークが不足し、音がつまっ た感じがハッキリとわかり、周囲の板金等が振動して音楽の再生と してはこれではダメだと言う結果が出た。
 これはバスレフ構造等でも同様で、シングルアンプでいかに低域 を再生するかを考えるのであれば別だが、マルチアンプにすると別 々に駆動できいくらでも低域は調整できる。
 そして室内と違うのは走行ノイズの為に室内に比べると結構大き な音量で使用されている事が多く、低域は尚更大きくして使われる 事が多い為に、あえて密閉型とした方が絞まったいい低音が再生で き、されでも音量を上げれば鳥肌モノの低音が出るが車体自体が振 動しなくなりかなり良い結果が得られた。
 たまたま別の アルトワークス を手掛ける機会があったが、当初は シングルアンプに箱型スピーカ という構成であったが、上記を参考にマルチアンプ式に変更してみ た。
 しかし スピーカボックス は少しでも荷物をつめる様にとスピーカ を上向きに取り付ける必要があった為に、4ドアと違いすぐに真上 がガラスでないのだがやはり反射音と言う事で多少の違和感はあっ た。
 それでもなかなか良い結果が得られ、やはりスピーカボックスを 作った方がリアトレイ式に比べると格段に良くなり、そんな点から も軽自動車はスピーカボックスの作り方では良い音場空間として利 用できる事がわかった。
 その最終形として セルボモード を利用し、その時点で格安の大出力アンプを使用したマルチアンプ システムを作り上げた。
  スピーカボックス は一番結果が良かった直接音を聴けるタイプを採用し、右図の様に 通常はリアシートを倒して使用するタイプとし、車検に対応する為 にリアシートはそのまま戻し定員が乗車できる様にし、その際にも スピーカネット等を破損しない様な構造とした。
 そしてここでも使用したスピーカはSONY製の格安マルチスピ ーカで、右図の3セット6個で3万円台とかなり格安であり、手頃 にマルチアンプを組める事からこの製品をお薦めしている。
 アンプはウーハに100W×2(最大200W×2)にミッドレ ンジに45W×2(最大100W×2)とツィータに20W×2( 最大35W×2)と大きさも数もあるが、これらも何とかスピーカ ボックス背面に収める事ができた。
 ヘッドユニットには当初DATを使用していたが、以前取り付け た下取り品だった為にすぐに故障し、それ以降はこの時に出始めた SONY製のMDを取り付けてみた。
 MDの圧縮方法である3帯域分割方式のATRACでは、やはり 帯域毎にビットを割り振ってしまっているからか、せっかくの中域 再生がイマイチでにぎやかな曲になるとどうしても分解能不足から か雑な音になってしまう。

◆ワゴンへの応用(1996年〜)
 ワゴンへの取り付けを始めたのは左図にある レガシー が最初で、やはりワゴンとなると荷物をつけられるのが条件で、尚 且つリアシートを倒した際に長モノがつめる事も必要との条件が多 いだろう。
 その為に右図の様に スピーカボックス を左右個別に作り、大きな荷物や大量に荷物を積む際にはスピーカ ボックスを完全に取り外せる様にした。
 その為にスピーカボックスもできるだけ小型化とし、ウーハを内 側に向け2ウェイスピーカは傾斜を付けた上向きに取り付け、取り 付け金具も簡易的に簡単に取り外せる物とした。
 そして左図の次期 レガシー にても同じ仕様にて取り付けているが、こちらはリアスピーカを取 り外してもある程度の低域を出したいと言う事で、元々マッキント ッシュ仕様だったものの唯一残った 純正ウーハを使用 して手元にて操作すれば対応できる様にした。
 その為に純正マッキントッシュ用のアンプを取り外したシート下 部も、 追加したアンプ で両シート下部はいっぱいになってしまい、 スペアタイヤ内 までにもアンプボードを製作して取り付けている。
 また同じ様な仕様で左図にある ワゴンRワイド にも 左右独立型のスピーカ を取り付け、この際にはスピーカボックスにアンプも一緒に搭載し た事でリアシート下部を別の目的で利用できる様にした。
 この他にもワゴンを手掛ける事も少なくなかったが、完全なスピ ーカボックスを組む機会が無く、軽自動車で良い結果が得られた物 がワゴンでどれだけ生きるかを試す事が無かった。

◆そしてワゴン最終形へ(2001年〜)
 そこで左図にある BH5C型のレガシー を入手し、セルボモードの最終形をベースにレガシーワゴンへのス ピーカボックスを搭載する計画を開始した。
 これまではワゴンを購入して大きな荷物や大量の荷物を積む機会 がどれだけあったかだが、ほとんどの人がワゴンを購入してもその 機能を使っている人は数少ないだろう。
 また家族旅行等を楽しむ他で、通勤等に使用している人ではほと んどの人が1名乗車での使用が多く、リアシートを生かす機会もほ とんど無いのではと思われる。
 今回の場合にはスピーカボックスを載せる為のワゴンと言う事な のだが、できるだけワゴンとしての機能を生かしつつスピーカボッ クスの設置との妥協点を考えて行く様にする。
 尚、今回はセルボモードとは違いフロント2ウェイも考慮してみ る事にするが、第一段としてリアスピーカボックスの作成を行い、 第二段としてフロント側の設置を検討してみる事にした。
 そして今回からは左図の様なCDプレーヤで、MP3フォーマッ ト対応のケンウッド製Z919を使用し、CD再生による音質重視 とMP3を使用した遠出にも対応できる様にした。
 やはり音楽CD関係がPCにて簡単に作成できる様になった現在 では、編集も焼き上げも簡単で短時間で行える事から既にMDの時 代は終わったと言えるだろう。
 更に今回は、漢字のファイル名が対応している物として右図の様 なパイオニア製のDEH−P919に変更しておりこちらは定価8 万円と高価だが、現在では自宅にCDが焼けるPCが無い家も珍し く、今後はこれらのCDプレーヤを推奨する様にする。

◆パイオニア製の場合
 特にパイオニア製では漢字ファイル名表示には対応していないが 、上図のDEH−P050は定価29,400円(税込)と安く、 実売価格で2.1万円全後とお薦めの一品である。
 どうしてもファイル名の漢字表示が欲しいと言う場合には、上図 の様なDEH−P070があり、定価は42,000円(税込)と 多少高くはなるが、こちらも実売価格で3万円前後と以前から比べ るとずいぶん安くなっている。
 そして今回ここで使用しているDEH−P919の後継機が上図 のDEH−P099で、何れも定価が8万円(DEH−P099 は78,750円)と高価ではあるが、内臓の3ウェイデジタルク ロスオーバーネットワークを使用する事で安価なマルチアンプシス テムを構築できる。
 その際にうれしい事は、内臓の4chアンプが高域2chと中域 2chのアンプとして利用できる為に、必要なのはウーハ用のアン プだけとなる。
 その為に、これまで使用してきたJVC製のエレクトリッククロ スオーバネットワークが27,000円と、中高域のアンプ代を考 えるとDEH−P099の実売価格が6万円弱と言う事からもかな り格安のマルチアンプ構成が実現できる事になる。


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